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欠いた部分をサクッと補てんすれば簡単なんですが、あえて抗ってみるのもまた一興

コンサルティング…と言ったら少し大袈裟かもしれませんが、でもそれ相応の時間を最近たまにグンと後輩(のバンド)に費やしています。

烏滸がましい部分もありますが一応バンドマンの先輩としていろいろ話を聞いて自分の経験則を元にアドバイス的なこと、具体的に「こういうことやってみたら」とか「こういう考え方があるよ」とかを提示してあげたりしているんですが(まあコンサルですね)、その中の話題で"メンバーが増える"という話を聞いて、そういえば今まで数々グループをやってきて、そして今やってるバンドも含めて、自分は「メンバー(パート)が増える」っていう経験を一度もしたことがないなぁということに気付きました。

メンバーが減るっていう経験は多々してきたんだけども。

思い起こせば一番最初に本格的に組んだバンド(20年以上も前の話)は、ボーカル・ギター・ベース・ドラム・キーボード(僕)という編成でスタートして、しばらくその5人で頑張ってましたが、あるタイミングでギターが脱退しました。

そこで新しいギターを入れようという動きになったかと言われるとそうではなくて「もうギターレスでこのまま4人で続けよう」という結論に至って、今までやってきた曲たちもピアノロック仕様に全て再構築してゴリゴリに続けました。

それで言うと…なんの因果か今やってるアカシアオルケスタというバンドも一番最初は音数で言うと同じく5ピースでした。

オリジナルメンバーはボーカル・キーボード(僕)・ベース・ドラムなんですが、結成当初からしばらくはサポートギターを毎回入れてました。

今では廃盤になっているインディーズ時代のアルバムは音源にもがっつりギターが入っていて、ライブにも毎回ギタリストにオファーをかけてサポートとして入ってもらっていました。

ただ、と在るライブの時にどのギタリストも軒並みスケジュールがNGでにっちもさっちもいかなくなって「もうこのまま4人で出ましょうか」となった日があって、それに合わせてギタリスト無しでスタジオリハーサルを敢行した時に、各パートが示し合わせたわけでもなくギターが本来埋めてた部分を補い合って、結果的に「いけるやん!」となってこれまたギターレスでライブを敢行して、そこでかなり手応えがあって結局そこからは2019年にベースが脱退するまではその4ピースで活動することになります。

書きながら思ったんですが個人的にはまったく同じ路を辿ってるわけですね(いやはや)。

そしてもっと言うと2019年いっぱいでベースが脱退したあとも、変わりのベースを入れることなくボーカル・キーボード・ドラムという編成で続けました。

その時もまた同じように抜けたベースの穴を残ったメンバーであれこれ工夫しながら埋めつつ再構築するという時間に没入することになります。

今書き出した全てのパターンに共通して言えるのは、どう考えても代替の役割の方を補充(という言い方はちょっとアレですが)してしまえば、そんな楽な話はないしすっぽりそれで話は収まるんですが、結果的にいつだって残ったメンバーでそれまで相応、もしくはそれ以上、またはまた違う個性を求めてあれこれやり繰りをし続けてきたようです。

その再構築はなかなかに大変なことですし、変わりに誰かを入れることも全然逃げでもなんでもないとは思うんですが、意地なのかなんなのか分かりませんがそういえばずっとその姿勢でここまでやってきた気がします。

多分、それはそれである種のクリエイティブとして楽しい部分もあるのかもしれません。

楽しいと書いてますが「楽」とは程遠くて、難題だらけだしすり減らす部分も多々あるんですが、でも楽しいという感覚に違いはないと思います。

もともとあったものがズボッと抜けたこの制限の中でどこまでもっていけるかという問題に向き合うことに変にワクワクするんだと思います。

今のバンドに関しては去年にドラムが活動休止に入ったことでさすがに「バンド(サウンド)」としてのテイを無さなくなりすぎたので、今年から満を持してサポートメンバーを迎えるようにはなりましたが、それでもしばらくはボーカルとピアノのみでライブも敢行していました。
(それはそれで亜流っぽくて良かったです)

ふと「そういえばメンバーを増やすとか、抜けた部分を違う人(パート)で補う」っていうことを頑なにしてこなかったなと思った時に、繰り返しになりますが「サクッと変わりを当て込んだらそれはとっても簡単なんだけど、逆にこのマイナスワンの状態でプラスに持っていけたら凄いよね」みたいなドMクリエイティブ精神みたいなものがずっとあるのかもしれません。

それで言うと歌とピアノ編成のライブで原曲がゴリゴリのバンドサウンドの曲に立ち向かう機会がやたら多くて、どうにかしてきたのも納得です。

「いやいや無理でしょ、替わりを補てんしましょう」としてしまえば秒で解決なんですが、一度抗ってみることで鍛えられる筋肉ってあるよなってことを改めて思った次第です。

何事にも置き換えれそうな話かもしれません。
よければ。

以上です。
ではまた。


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