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最後の1秒まで殴り合った結果、ゴング直後にハグする格闘家のような。

昨日の宇都直樹さんとのライブ。

(僕との)本編最後の曲の最後の一音を鳴らし終わった直後に、そのままステージ上でガッチリ握手を交わしてからステージをハケました。

その握手の直前には拳を握って突き付けた記憶もあります。

別に「最後の曲終わったらステージ上で握手してからハケようね」みたいなステージングの約束事が、事前に二人の中で交わされていたわけでもありません。(むしろそれをデキでやるとしたら演出としてセンスがなさすぎる)

そもそも僕自身がいろんなライブの際に最後に握手を交わしてからハケるみたいなルーティンがあるわけでもありません。

でも昨日は最後の一音を鳴らし終わった数秒後にはステージど真ん中でお客さんの前でガッチリ握手を交わしたのは事実です。

お客さんに頭を下げるでもありがとうございますの意思表示をするでもなく、真っ先にとっても自然に。

で、そういう事態は昨日が初めてだったわけではなくて、かといってそんな頻繁に起こることでもなくて今までに数回経験があって。

そもそも演者同士の握手なんてものは意味合いの相場として「ありがとうございました!」とか「お疲れ様でした!」って感じで、そんなのはステージをハケてから楽屋でやればいいことなんであります。

むしろ楽屋ではいつもそういう労い合う時間は当然のようにあります。
誰とのどんなライブであろうと。

ステージが終わってお客さんの拍手と歓声を浴びている中でわざわざやる事じゃなくて、そのタイミングは普通に考えてお客さんに向けて「ありがとー」って感じで手振るなり会釈なりする瞬間で、そのあと楽屋で「いや〜おつかれっした!」って感じで握手する。

それがごくごく自然な流れ。

なのに昨夜みたいにお客さんの拍手と歓声フル無視で(ごめんて)真っ先に今目の前にいる相手と握手を交わしにいく時というのは、僕の中ではあの感じに似ています。

似てると言ったら烏滸がましいですね。
経験したことないので。
でも多分、そういうゾーンに入ってるっていう感覚は一緒なんじゃないかなと推察するにって話なんですが…

格闘技とかでお互い顔面ボコボコに腫らしながら(なんだったら血とか流しながら)時間いっぱい最後の最後まで殴り合ってゴングが鳴った瞬間に、1秒前までが嘘みたいに全力でハグし合ってる光景ってなんとなく見た事あるかと思います(KOの場合はそうはいかないんだけど)。

さっきまで本気で殴り合ってた二人が傷だらけ血だらけでなんとも言えない表情で抱き合うあの瞬間は、命懸けで全力で拳を交えた者同士だから分かる(むしろその二人にしか分からない)感情があるんだと思います。

命懸けで格闘技などやったことのない人間が推測で書いてるのも大変大変烏滸がましいのですが、理屈は一緒な気がしました。

昨日もそうですし過去数えるほどの場合もそうですが、最後の一音が鳴り止んだ瞬間がゴングの瞬間で「お疲れさま」とか「ありがとう」とかどういう感情が正解として当てはまるのかは全然分かりませんが、条件反射的に手が伸びる感じ。

「いやあ…何より彼より真っ先に握手しちゃったなぁ〜」と昨日の帰りの電車の中でヌボーっと考えていた結果、そういう感覚なんだろうなというところにたどり着いたので今日はその昨夜の脳内を文字起こししてみましたといったところで。

なんかこういう事を書くことで変に握手というのがピックアップされて、期待されたりそわそわされたりするのも嫌なんで最後に書いておきますが、最後の一音が鳴り終わった直後の感情なんてのはその時になってみないと分からなくて、それが目の前の相手に対しての「お前やるやん」みたいな感情だったら格闘家よろしく握手になるんだろうし、みんな楽しかったね〜ってハートフルな感情が舞い込んできたらその感情をお客さんと共有するんだろうし、それは都度都度、ケセラセラ、ケースバイケース。

いろいろあるからおもしろいです。

昨日は、最後の最後まで殴り合ってゴングが鳴ったような気分だったので真っ先に握手が出たってだけのことですね。

向こうもそうだったんじゃない?
知らんけど。

そんな感じです。



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