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【入浴支援】 自衛隊の仮設浴場が凄かった!

子供の作文みたいなタイトルで申し訳ございませんが、今日は内容もそんな感じです。

というか、せっかくこういう状況下なのだから経験できるもの、吸収できるものはとことんインプットし尽くしてやろうっていう熱が今かなり上がっていまして…

まず、水に関しては先の長い長い戦いになりますし町全体の復興もまだまだ先なことも当然なのですが、とりあえず個人レベルでは峠を超えた感はあります。

物資も日々しっかり行き渡っていますし(七尾に関して)余震の頻度も大きさもあの日々を考えたら嘘みたいに鳴りを潜めました(不気味ではありますが)。

なので被災してしばらくの頃に比べればずいぶんゆとりが生まれてきたのは事実で(慣れたってほうが正しいかも)、結果的に従来から持ち合わせていたインプットアンテナがまた元気になってきました。

ということで今日は自衛隊の皆さんが能登で日々行ってくださっている入浴支援にあやかる形で、ちょっと車で遠出して仮設浴場にお風呂を頂きにいきました。

インプットだとか言ってますが大前提として「断水でお風呂に入れない」という状態はずっと続いてるわけですから「お風呂に入りたい!」がそもそもの目的なのは事実。

で、震災から程なくして少しずつ入浴支援が始まっていた事は知ってたんですが「車で数十分走ってわざわざ整理券をもらって時間まで待って仮設風呂かぁ…」みたいな感じでちょっと億劫だったのがリアルなところで「それならしばらく風呂入らなくていいや」みたいな感じで過ごしていたのが避難所時代でございます(そもそも家族介助とかであんまり長時間離れられなかったし)。

ですが前述の通り個人レベル・世帯レベルでは状況的には峠を超えた感もありますし、多少ゆとりも芽生えてきたので今日はせっかくなので入浴支援を受けにいってまいりました。

そしてこれまた最初に書きましたが「自衛隊の入浴支援」なんて恩恵を受ける経験なんて本当に一生に一度あるかないかだと思いますし、この入浴支援の経験に限らず今回の震災で得ているありとあらゆる体験は全てピアノに生きてくるっていうのを僕は自分事として重々知っています。

ピアノってのは本当に不思議なもので、音楽的センスとか技術とかそんな枠を超越した、自分の生々しい感情だったり生き様だったり、綺麗な所も汚い所も酸いも甘いも全部が音に乗っかり憑依し、明け透け晒されるものであります(少なくとも僕は)。

なので、日々流れている全ての時間からくる感受が自分の音に繋がるという事は自覚しているからこそ、こんな一生経験できないような時間は逃してなるまいというわけで「これも音楽のうち」という気概で入浴支援会場に車を走らせました(言い過ぎじゃないですよ本当に)。

※この「全てが自分の音楽になる」みたいな話はまたちゃんと書きます


というわけで、せっかくなのでおそらくほとんどの人が経験したことないであろう「自衛隊の仮設浴場」を経験してみての話を共有してみたいと思います。

まず、先ほどから敢えて僕が「仮設風呂」じゃなくて「仮設浴場」と表記しているところがポイントで、大きな大きなテントに入ってみたら本当にそこには「浴場」が広がっていたんです。

僕が入った時間帯(整理券は30分ごと)は6~7人くらいの方が一緒に居合わせたんですが、それだけの人数の方が居ても脱衣スペースは全然余裕があります。

さすがにロッカーとはいかないまでも、一人一人用に十分なスペースとカゴが用意されていて足場もしっかりケアされていて、本当に昭和の古き良き銭湯の脱衣場と空気感はそんなに変わりません(違いとしては壁の代わりにテントっていうくらい)。

なによりストーブがしっかり炊かれているのが有り難かったです。
なので風呂に入る前の真っ裸状態でも全然寒くなかった。

で、脱衣場としてのテントの中にさらに扉があってそこをくぐってみると…

普通に銭湯がありました。
本当に。

大人5~6人くらいは悠々と浸かれるくらいのスペースの浴槽がなんと2つ。

そしてこれまた銭湯にある頭と身体を洗うための個人スペース(シャワーと蛇口両方あり)が…いちいち数えてないけど多分10人分くらいあったんじゃないかな。

なんかあくまでも「仮設」だからもうちょっとチープというか、多少すし詰めな感じでお風呂に入ってシャワーもスタンディングの感じで1個か2個しかなくて…みたいなのを勝手に(すいません)想像していたので「え…普通に銭湯やん」って感じの空間が広がっていることにめちゃくちゃ驚いてそして普通にテンションが上がりました。

仮設と言われれば確かに本来そこにないものだから仮設なんだけども…いやクオリティーは普通にその辺りで営業してそうな銭湯レベル。本当に。
(もしかしたら風呂入れない日々だから多少の色目はあるかもだけど)

ただ、むちゃくちゃ熱かったけど。
(僕だけかな…いやでもさすがにちょっと熱いと思うぞあれは笑)

でも、あくまでも大寒の屋外で設置されているテントだからあれくらい熱くしておかないとすぐ湯冷めして逆に風邪ひくとかあるのかも(まあさして問題ない話です)。

ただ一つだけ難点なのはドライヤーで髪を乾かせないこと。
(さすがに設備的にそのスペースまで仮設の中に用意するのは無理がある…というかそもそも贅沢すぎるのでしょう)

ですので、今後の未来に自衛隊の入浴支援を受けにいくご予定のある方は「タオルドライからの自然乾燥」という部分はご容赦くださいという部分があるので、そこは心算りしておいてください。

でも個人的にはお風呂に入れるだけで大満足で、そんなの大した問題じゃありません(というか背に腹はかえられぬというか)。

ずっと新聞なり行政からのアナウンスなりで「入浴支援」という存在は知っていたんですが、本当に侮ってました。ごめんなさい。

仮設風呂とか言わずに「移動式銭湯」って公称しても全然良いと思います。むしろそう言ってもらったほうが「仮設かあ…」みたいな二の足を踏まない気も。

というわけで今後、もし読んでくださってる皆さまの中で断水するご予定のある方は参考にしてみてください。

「入浴支援の風呂は行っとけ!」という話でございました。

この経験もまたピアノの音を彩るひとつの色になるのでございます。
多分。


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