見出し画像

結局、間接的に鼓舞してくれるのは「別次元で頑張る」主人公なのだと。


幼稚園児の頃、僕は仮面ライダーBLACKにのめり込んでいました。

毎週日曜日、朝10時になったらテレビの前で鎮座して怪獣から人々を守るために頑張る仮面ライダーBLACKを応援し続けました。

そんな仮面ライダーBLACKには『シャドームーン』という最強の敵が存在していました。

最終回間際のシャドームーンとの決戦はとにかく一進一退で、テレビの向こうで半泣きになりながら「頑張れ!頑張れ!」と応援していた記憶がハッキリとあります。

しかし死闘の結果、精魂尽き果てて横たわる仮面ライダーBLACKにシャドームーンが上から腹部に思いっきりサーベルを突き刺されて、BLACKは殺されてしまいました(未だにトラウマレベルでそのシーンは脳裏にこびりついています)。

僕は弟と大号泣をした記憶があります。

ですがそのあと海底で奇跡の復活を遂げ、シャドームーン(ならびにゴルゴムっていう悪の組織)をやっつけるのです。

文字通り命懸けの戦いを制し、その時にとてつもない勇気と希望をもらった気がします。
「俺もBLACKみたいに頑張るぞ!」みたいな。
(※生き返るっていうご都合主義的なところは当時はまあピュアだったので)


小学校になると孫悟空という主人公が現れます。

ピッコロにベジータにフリーザに人造人間にセルに….とにかく次から次と怖い怖い敵が現れます。

その都度その都度すったもんだありながらも紆余曲折ありながらも、悟空(ならびにその仲間)は結果的にしっかりと勝ち続けます。

そこでもやはり勇気だったり血湧き肉躍る感覚を日常に授かるわけです悟空から。

なんだったら「俺いま界王拳使ったから無敵」とか言って、自分が悟空になったつもりでものすごく気が強くなったりもしたものです。


中学になると西村少年はプロレス(全日本)にハマりました。
三沢光晴、川田利明、小橋健太、、、たくさんの主人公が現れました。

憎き外国人レスラーやヒールレスラー(悪役)と身を削りながら全身傷だらけになりながら、時に負けたりもしつつそれでもまた立ち向かい続ける姿に、これまたやはり勇気だったり鼓舞みたいな気持ちをもらいました。

「三沢だって頑張ってんだ。なんだよこれくらい!」と何度も思ったし「川田と小橋の試合に比べたらこんなもん全然大したことないだろう」と自分を何度も鼓舞しました。
(本当に死んじゃうよって試合ばっかりしてたし結果的に三沢さんは2009年にリング上で亡くなってしまいました)

挫けそうになった時は、もうテープが擦り切れるくらい何度も見た録画してある試合を繰り返し繰り返し見ました。

ゴングの瞬間からカウント3までの全ての流れを完璧に記憶しているんだけども、毎回初めて見るかのような熱さで見ました。

そしてまた「よっしゃ!頑張ろう!」となるわけです。
(あとはダウンタウンにひたすら笑わせてもらってたよ中学の頃は)


高校になると割と音楽(バンド)に傾倒して、そこはもう主人公とかヒーローとかいうよりも勉強とか直接的な影響という部類に入ってたのでちょっと違う感覚なんですが…

なんせ子供の頃から常に別次元の場所にいつだって主人公みたいな存在が居て、その人たちが頑張ってるからこそ自分も頑張ろうと相対的に鼓舞してきた歴史があります。

というか人なんて大体そういうもんだと思います。

本当に純粋にたった一人の性根のみで「よし頑張ろう」と思える人なんて居るんでしょうか。

だいたい「あいつも頑張ってんだから」とか「あの人(たち)のために頑張る」とか、何かしらの対象があることで頑張れる生き物なんだろうと思います。

で、仮面ライダーBLACKにしろ孫悟空にしろ三沢・川田・小橋にしろ、これ全て別次元の話です。

僕はシャドームーンと戦う目標なんて立ててませんでしたし、フリーザやセルと戦うために生きてたわけでもありませんし、プロレスラーになって外国人レスラーをやっつける夢を持ったこともありません。

「○○だって頑張ってんだから俺も!」と思える時はだいたい別次元で戦ってる存在だったりします。自分の頑張るべき状況にとって比較対象に到底ならない実に非現実的な。

※ちなみにウルトラマンはゼットンという怪獣に倒されちゃったのですが、その"ウルトラマンの仇を取るために格闘技を始めた"という前田日明みたいな、同じ次元で考えるぶっ飛んだ人も一定数いらっしゃいます

これが実にリアルな比較対象になってしまうとどちらかというと「悔しい」とか「嫉妬」とか「負けねえぞ」みたいなメラメラとか、そっちになるんだと思いますが、前述した通りあまりにも比較対象としてほど遠いからこそ「◯◯が頑張ってんだから自分も」という類の力を貰えるという話であります(少なくとも僕の場合は)。


2024年早々、おもいっきり被災して実に半月に渡って避難所生活を強いられ、水は未だに通らないなかなかの日々を送り続けてきました。

特に最初の数日は本当に本当にエグい環境で、物資・食料もロクに行き渡らなければ(誰が悪いとかじゃなくてそうなるに決まってる状況だった)、暖も取れずで水も出ないからトイレも悲惨で、そんな中震度4だの5だのが乱発で来る。輪をかけて真冬の雪国の寒さがのしかかってくる。

そんな時にあの頃のBLACKのように、孫悟空のように、三沢・川田・小橋のように、奇しくも震災とほぼほぼ同じタイミングでとんでもない戦場に身を置いたのがキングコングの西野さんであります。

細かいことを僕がわざわざここで書くのは違うと思うので細かいことは思いっきり割愛しますが(すいません)、ざっくり言うと遠く離れたニューヨークはブロードウェイで外国人(余所者)としてありとあらゆる困難、理不尽、次から次へとひっきりなしにやってくる難敵と元日から立ち向かい続ける姿を僕は避難所2日目くらいから見続けていました(文字で)。

西野さんのオンラインサロンではその日々のあれこれが事細かに共有されていたので、日々それを追っているうちにそれは「厳しさは理解してたつもりだったけど思ってた以上にとんでもない戦いしてるなこの人」とリアルに実感させられるものでした。

時期を同じくして僕は固い床に毛布を敷いて寝るだとか、一日数回のばあちゃんのトイレ介助だとか、毎日何回も襲ってくる余震だとか、何日間も着替えができないお風呂に入れないだとか、他人の排泄物の上からトイレをするだとか…

そして何よりピアノを何日もまったく触れないだとか(なんやかんやこれが一番きつかった!!!)…

とにかく初めてのことが何個も一気に襲ってきて、今にして思えばさすがにちょっと心折れかけたというか「いつまで続くんだろか〜」とちょっとしんどい気持ちになったような気もします。

そんな時にあの頃のBLACKのように、孫悟空のように、三沢・川田・小橋のように、西野さんがとんでもねえ戦いを日々繰り広げているのを見てやっぱり「いやこの人がこんな思いして頑張ってんだから俺もこれくらい乗り越えなきゃさ〜」みたいな気持ちになったのはやっぱり事実あって。

硬い床で横になりながらふと「なんか昔三沢とかの試合観て同じようなこと思ったな〜」としみじみ実感した夜があったんです。
(確かそんなような内容のサロン記事を書かれてた日だったかも)

「震災の避難所生活(ならびに介助)を乗り越える」というのと「ニューヨークのブロードウェイで日本から来た余所者が自分(たち)の作品でギャフンと言わす」では同じお皿に乗せること事態が実に不毛な全くの別次元の話。

だからこそとってもフラットに「西野さんだってこんな思いしながらもこうやって前向きに頑張ってんだから」と素直に思えたところはあると思います。

繰り返しますが、BLACKも悟空も三沢・川田・小橋もやっぱり全然別次元の話なんだもの。

ぶっちゃけこれが、日頃からかなり近いところで切磋琢磨してたような鍵盤仲間がそんな規模の挑戦をしてるのを、ただただ避難所で眺める立場だったら「あいつも頑張ってるから俺も頑張ろう!」みたいな綺麗な気持ちじゃなくて「一体俺はこんなとこで何してんだい…」みたいな気持ちにもしかしたらなってたかもしれない(分からんけど)。

自分では到底考え及ばないような規格外の挑戦をしている人が仲間内に居て、輪をかけてそれが全然別次元だった場合、「あの人も頑張ってんだから俺も頑張ろう」とかなり素直に思えるという話。

なんとなく言わんとしてることが伝われば嬉しいです。


昨日の記事での人脈だ地域コミュニティーだの話もそうなんですが、こんな感じであの時間を経たからこそ改めて気付いた感覚だったり出来事だったりというのはやっぱりたくさんあるので、こうやって改めて文字に起こして刻んでいる今日この頃です。

そういえば…

「自分よりはるかに大変な環境に居る西村さんが日々それだけ前向きにやってるんだから、水も出てお風呂も入れる自分はもっと頑張らなきゃ」みたいなテイストのコメントとかをたくさんお見受けした記憶があります。

ということで避難所という別次元の場で頑張る僕を見て「自分も頑張らなきゃ」と思ってもらえたのだとしたら、僕はその方にとっての三沢になれてるわけですね。

よかったよかった。
って話でした。

あ、最後にひとつだけ。


避難所でさすがにちょっと堪えてきたなってタイミングで遠く離れた地から鼓舞してくれたキングコング西野さんが、そんな最中!わざわざ僕のために立ち上げてくれたクラウドファンディングこそが…



僕が日頃、折を見てコツコツ宣伝しているこれなんであります。
(2400人超!ありがとうございます!)

今日もいい感じに宣伝に着地できたところで。

引き続き僕も誰かのBLACKだったり孫悟空だったり三沢・川田・小橋(さすがに打つのめんどくなってきた)になれるように頑張ります。

アディオス。



メンバーシップ「オンラインアトリエ」では無料記事とは別でメンバーシップ限定記事を毎日更新したり、1日1曲ピアノ演奏をアップしたりしております。
自分の作品創りのプロセス、最新の進捗状況(音源)の共有だったり日々の活動の中でのあれこれのかなりコアな部分を掘り下げてますので、よろしければ覗いてみてください。

活動の継続と発展のためにサポートいただけたらめちゃくちゃ喜びます🎹