YouTube広告からストリートライブを連想した話

YouTube Premiumの年間プランに入っています。

決して安くはないプランですが、バックグラウンド再生の機能がかなり重宝しているのでとても有意義なお買い物だと思っています。

そしてもうひとつの売りとして「広告なし」という点があると思います。

毎度毎度広告が出ずにどんな動画でもストレートでいくのは大変ありがたい。

冒頭の広告はともかく、間に入ってくるやつは一度流れが途絶えるので動画によっては確かにちょっとツライ。

そんなわけでYouTubeに関しては1年間まったく広告と無縁の時間を過ごしてきました。

そんな中、今日ある動画をふと開いてみたら広告が始まりました。

どうやら年間プランが終了したようです。
(自動更新じゃなかったのね)

ここで普通はさくっとまた年間プランに入り直すのが自然な流れだとは思うんですが、1年間YouTubeの広告と遠ざかっているのですなわち1年間TouTube上でどんな広告が流れているのか見ていないことになります。

なぜかそこに興味を持ってしまったので、数時間ほど敢えて普通にいろんな動画を広告ありの状態で見てみました。

そんな中、そういえば前もそうだったなと改めて気付いたことがあるんです。

ピンと来る方も多いかと思うんですが、たまに2分とか3分とかの広告ありますよね。長い時は5分くらいあるような。

やたらガチめのドラマとか映画仕立てのやつ。

始まってしばらくしても一体なんのコンテンツの広告なのか分からないやつ。

あれをね、最後まで見てしまう場合があります。

飛ばしたら次またその広告(というよりもはや映像作品)と巡り会えるか分からないので。

で、最後まで見てしまう広告動画の場合は途中から何の宣伝かなんてどうでもよくて、単純に物語の結末が知りたいという一点で見てます。

たまにストーリーが素敵すぎて最後に宣伝したいコンテンツが出てきた時に、逆にコンテンツに対してマイナスな印象すら感じてしまう場合も。

あんな素敵なストーリーだったのに宣伝したい商品それかい!みたいな。

ただ、3分とか5分とかの広告(もはや映像作品)を最後まで完走する率はそこまで高くなくて、途中の1分過ぎくらいで「もういいや」と飛ばす時もあれば開始3秒前後で飛ばす時もあります。

1分過ぎくらいでスキップする場合はシンプルに「続きが気にならなかった程度」ということでしょう。

映画館や舞台やライブ会場だったらば途中でだれてもなんとか最後まで居ようとは思えますが、指一本でスキップできる場合は審判は一瞬です。

で、開始3秒前後の場合。

YouTubeの動画を開く時は何かしら目的があって開くわけで、基本的に広告はスキップする前提です。

ですが、開始3秒(いや1〜2秒かもしれない)くらいでグッと指が踏みとどまる時があります。

ちょっと見てみようとなる瞬間。

飛ばす前提なのに少し気になってしまって足を止めてしまう瞬間(指だけど)。

5秒でさくっと終わるような広告ならともかく、YouTube上でのああいう長尺広告を完璧にプロフェッショナルとして創られてる方はその数秒のツカミにとことんこだわり抜いてるんじゃないかと思います。

そしてこの感覚は自分たちの仕事で言うとストリートライブに似てるなと思いました。

通りゆく皆さんは帰路なのか出勤なのか遊びに行くのかは分かりませんが、何かしら目的地に向かって歩いている前提。

目的地=動画、広告=演奏といった感じ。

その足をグッと引き留めさせることができるかどうか。

そして最後まで聴いてもらえるかどうか。
(1分くらいで広告スキップさせない)

チケットを買ってハコに来る「お客さん」はたとえ途中でダレたとしても最後まで一応は居てくれますが、ストリートなんてのは瞬間足止めに成功してもちょっとでもダレたらそそくさとまた去られます。
(そりゃそもそも向かってる目的地があるんですから)

ちなみに僕がやってるバンドがストリートに明け暮れてた頃は、一切のしゃべりを入れずにノンストップで曲をやり続けてました(5曲くらいやって小休憩挟みながら)。

今でもよくストリートライブに出くわしたら足を止めてみるんですが、だいたい皆さん1曲ないし2曲終わるごとに自分(たち)の宣伝のためにおしゃべりを挟むんです。しかしあの瞬間に足止めスイッチが切れてその場を去る人ってけっこう多い印象なんです。

もしかしたらそこでもう1〜2曲ダメ押ししたらCD買ってたんじゃないかなって雰囲気の。

あと、単純に機会損失。

毎秒ごとに次から次と新しい人が通りかかってくるわけですから、いつどこを切り取っても常に自分たちの曲が鳴り続けている状況を作っておきたかったという部分。

決して安くないCDが毎回見知らぬ人たちに数十枚売れてたんで、作戦として一定の効果はあったんだと思います。

こうやって掘り下げていくとストリートライブとYouTubeの長尺広告は本質は全然違うような気もしますが…

別目的の線上でのイレギュラーでしかないポジションがメインを掴み取る…という点では大切な部分は一緒なんだろうなと改めて考えさせられた広告タイムでした。

そういう意味ではもうしばらくプレミアム再加入を踏みとどまってみようかなと思う今日の僕なのでした。

でした。


[P.S.]
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