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肋間筋の筋紡錘を介した反射

肋間筋は胸郭の上部と下部で神経反射において逆に作用することが知られています。まず基本的な反射について簡単に説明します。

筋紡錘について

筋紡錘は骨格筋内に量と密度の違いはあれ、必ず存在しています。筋紡錘内には筋繊維が存在しており、錘内筋という。
その錘内筋には感覚神経終末が存在しており、筋紡錘が伸長された時に活動する。
この活動によって錘外筋の収縮力が変化したりと重要な役割があります。
詳細についてはまた別のページで記載しようと思います。


緊張性振動反射 tonic vibration reflex:TVR

1964年にスウェーデンのHagbarthらによって初めて明らかにされた緊張性振動反射TVRがあります。
振動刺激を与えると筋紡錘が反応し、筋肉が収縮する反射活動を言います。
理学療法として拮抗筋に振動刺激を与え、拮抗抑制を狙って筋収縮を抑える利用の仕方もされています。
この辺の生理学についてはまた別の機会に説明します。

肋間筋とTVR

肋間筋に針電極を取り付け、筋放電を記録すると、安静呼吸下において、上位肋間は吸息時に筋放電を記録し、下位第7〜10肋間前腋窩部から中腋窩部においては呼息時に筋放電が記録されました。
つまり、上位肋間は吸息に関与し、下位肋間は呼息に働きやすいということです。

吸息時に上位肋間を、呼息時に下位肋間を振動刺激すると、吸息運動、呼息運動、共に高まり、一回換気量が増大することがわかり、筋放電の結果と一致しました。

呼吸困難感と肋間筋

呼吸困難感の発生メカニズムとして1962年にCambellとHowellは「長さー張力不均衡説」を唱えています。
これが上記のTVRの逆の現象だったのです。
吸息時に呼息肋間筋筋紡錘を刺激し、呼息時に吸息肋間筋を刺激すると呼吸困難感が生じます。
吸息時に吸息肋間筋を刺激、呼息時に呼息肋間筋を刺激すると呼吸困難感が改善することが多いため、CambellとHowellのメカニズムは有力となっています。


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