スクラム開発の流れ

今の会社でのスクラム開発の取り組みを見ていて、チーム問わずに使えるアジャイルな仕事の進め方のヒントがいっぱいあるな、と思って一般的な流れをまとめてみた。

スクラムはどちらかというと短期的な超高速回転に向いた改善フレームワークなので、中長期的な事業戦略とセットに用いると強力な武器になる。

1、プロダクトオーナー(PO)を決める
2、チームをつくる
3、スクラムマスターを決める
4、プロダクトバックログをつくる
5、チケットの優先順位をつける
6、チケットについてリファインメントする
7、チケット完了にかかる時間を見積もる
8、スプリントバックログをつくる(プランニング)
9、タスクの見える化をする
10、デイリースタンドアップ
11、スプリントレビューをする
12、レトロスペクティブをする
13、次のスプリントに向けてリファインメント以降を繰り返す

1、プロダクトオーナー(PO)を決める

・POは、これから何を達成するかビジョンを明確にする人
・POは偉いわけではない。ビジョンを定めたり、仕事の優先順位をつけたりする役割。POとメンバーに上限関係があり
・POはその仕事に精通しているとよい

2、チームをつくる

・目的達成のために必要なスキルをもったメンバーを集める・メンバーはチーム専任が望ましい(ベロシティ計算のため)
・チームは議論しやすいように3〜9名がよい
・専門性のある人材が引っ張りだこの場合、専門人材のプールをつくるのも一案としてある

3、スクラムマスターを決める

・「生産性を落としているものは何か?」を問い続け、より効率的に動けるチームをつくる役割
・メンバーに厳しくFBしたり、本音でメンバーに意見を出してもらうため、信頼が厚い人がよい
・MTGのコールやファシリテーターを務める

4、プロダクトバックログをつくる

・目的達成のためのタスクの全体像のこと
・必要なタスクをチーム内外で洗い出す。サイズをS・M・Lかフィボナッチ数列で分けるのが一般的
・スプリントが回るなか、painやjust ideaベースで生まれる新しいタスクは、POが追加・管理する

5、チケットの優先順位をつける

・洗い出したチケットに優先順位をつける。優先度が一番高いor低いものが出た都度でその背景をメンバー間で目線合わせをする
・一番リスクが高く検証が必要なもの、費用対効果の高いもの、なくてはならないもの、などを判断軸に優先度をつける

6、チケットについてリファインメントする

・チケットについて、それぞれの目的(what)、理由(why)、実行すること(how)を議論する。この議論がないと、メンバーはDowrになってしまう
・レビューのとき、計画通りに進行したかを確認できるように完了の定義を決めておく

7、チケット完了にかかる時間を見積もる

・各チケットの所要予測時間を、メンバー間で目線合わせ。S・M・Lやフィボナッチ数列を用いる。ずれが大きい項目は、その理由を言い合う
・サイズの大きなチケットは分解し、スプリント内で完結できるくらい小さくならないか検討

8、スプリントバックログをつくる(プランニング)

・スプリント期間を決める。1〜4週間が標準
・初めはメンバーのベロシティが見積もれないので、どのサイズをやるかを決め、毎スプリントのベロシティをメモし、ベロシティ予測を精緻にする
・誰がどのタスクをとるのかを決める

9、タスクの見える化をする

・進捗を見える化しておくことで、この後出てくるデイリースタンドアップに役立つ。具体的には、未着手(To Do)/作業中(Doing)/レビュー待ち(Review)/継続中(Keep)/完了(Done)を置き、その中でタスクを書いた付箋を移動させる

10、デイリースタンドアップ

・毎朝15分の時間をとって、「昨日何をしたか」「今日は何をするか」「仕事する上での妨げになっているものはないか」を議論する
・問題が出てきた場合には、その場では議論せずに、関係者だけを集め、別で議論の場を設ける

11、スプリントレビューをする

・DoDまでしっかりと終えたものについてのみ、チーム内外にてレビューを行う
・差し戻しの可能性も大いにあるので、それについてはまた別チケットとして作成をして、持ち帰る。差し戻された原因については、次のレトロスペクティブで議論する

12、レトロスペクティブをする

・チームの生産性を下げている要素を洗い出し改善をするための時間。今スプリントを○△×で振返る
・本音で話すため信頼関係が欠かせない。問題が見つかった場合には、「犯人探し」ではなく、「プロセス改善」に焦点をあてる

13、次のスプリントに向けてリファインメント以降を繰り返す

・POは更新されたプロダクトバックログの優先順位を付け直す
・新しいチケットでリファインメントしていないものはチームで行っておく
・他、その7以降を繰り返す