正暦寺と東大寺
奈良と言えば『日本酒発祥の地』
ちなみに兵庫県伊丹市には『清酒発祥の碑』があり、穴粟市も播磨国風土記の記述から、島根県は出雲神話からそれぞれ『日本酒発祥の地』となっている。
それぞれの土地に想像の枠を超えた裏付けの説得力と揺るぎない誇りが存在する。
それら歴史の積み重ねた澱が日本酒の今日を創造したというのは確かだった。
実際に菩提山町の正暦寺にある『日本酒発祥の碑』を見て心震える思いがした。
それで充分なのだ。
翌日、喜多酒造『御代菊』のご当主夫妻と東大寺(奈良の大仏さまでお馴染み)にお供させて頂いた。
きたる3月12日は、かの有名な『お水取り』があり喜多さんに恐る恐るその概要を聴いてみる。
そもそも全国神様サミットの会談に若狭の神だけが、釣りにハマって大遅刻をやらかし、集まった神様達からブーブー文句を言われた。
反省した若狭の神がお詫びのしるしに福井若狭から東大寺に毎年霊水を届けるのだそうだ。
その霊水を選抜された東大寺お坊さんチームが五穀豊穣、天下太平を祈願しながら三週間の荒業で身を清め、複雑な手順を踏んで出迎える。
これが1269年途絶える事なく続いている旨の解説に『へー』とか『ほー』とか『へーほー』としか言葉が出てこず、なんだか与作を唄っている感じになってる自分が恐ろしくアホに思えた。
その後、喜多さん夫妻と柿の葉寿司と『御代菊 水もと仕込み』の奈良三昧。
結局『ありがたい』の一言で切り抜ける事ができる観光客で僕は良かった。本当によかった!
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