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ゲームとことば#30「末はピカソか、ビートルズ。」

スーパーファミコン用ソフト「マリオペイント」の任天堂公式ガイドブックに書かれていたコピー。
小学生時代マリオペイントによって大いに「落書き欲」を刺激された私は、このガイドブックによってさらに歯止めが利かなくなるのであった。
センスあふれる構成でゲーム攻略以外の部分でも楽しませてくれたAPEの任天堂公式ガイドブックは、表題のマリオペイントを始め、ゼルダやマリオなど今でも「隅から隅まで読みたくなるシリーズ」として心に残っている。

マリオペイントについて書かれたこの本では、本作を使って描かれた秀逸なイラストが載っており、私はそのままマリオペイントで再現するなどして遊んでいた。
確か田中邦衛の似顔絵かなんかがあって、そのまま頑張って再現したのをよく覚えている。

本作は絵だけでなく簡単な音楽やアニメーションも作ることができ、創造力をあらゆる面から刺激してくれた最高のおもちゃだった。
正直私は音楽のセンスも絵のセンスも皆無で、どちらもいまだに備わっていない。
真っ白な画用紙を渡されると手がピタッと止まってしまうタイプの人間だ。
しかし「ありもの」というか、何か素材があれば組み合わせて何かしらこねくり回すのは好きで、このマリオペイントではゲーム内で用意された「スタンプ」をめちゃくちゃに組み合わせて遊んでいたものだ。
例えば下のようなヨッシーのスタンプがある。

ヨッシーのスタンプは頭と体が分かれていて、組み合わせて使うようにできている。

実際はドットなのだが、ヨッシーは頭と体のスタンプが1つずつ分かれて用意されている。
普通はこれをピッタリ上下にくっつけて使うのだが、私は下記のように新しく首のスタンプをドットで作り、ろくろ首のようなヨッシーを作って遊んでいた。


左の首のスタンプを作り、先ほどのヨッシーの頭と体の間にくっつけて使うとキモい。

キモいヨッシーが完成した。

スタンプを何個も重ねて使うことでさらにヨッシーの首は長くできるので、ひたすらに首が長いヨッシーを作ったものだ。
そして一人でゲラゲラと笑っていたのである。
さらに「カーブした首」も作り、まるでプラレールのようにグネグネと首を伸ばしていく。
画面一杯が気持ち悪いほどよく伸びたヨッシーの首で覆いつくされる。

遊びかたは人それぞれとはいえ、何が楽しかったのか、今となってはよくわからない。
マリオペイントは懐が深いゲームなのだ。
とはいえ、ハエ叩きゲームもタイトル画面の仕掛けも、みんな心に残っている。
本当に贅沢なおもちゃだった。

ピカソにもビートルズにもなれなかった私は、いったい何になれたのだろう?
まだ何かになれるのだろうか?

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