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「帰ったらパラッパやろう」で乗り切れる

『パラッパラッパー』 1996年 ソニー・コンピュータエンタテインメント

【概要】
どんな悩みもラップで解決!?
気弱な少年パラッパはガールフレンドのサニーをデートに誘うべく、時に道場で修行に、時に運転免許取得にと東奔西走する。様々な試練やトラブルを、ラップバトルでクールにキュートに立ち回る、リズムアクションゲームの草分け的作品である。
6つのステージ、ショートストーリーで構成され、各ステージに現れる“先生“とのラップバトルは、タイミングよくボタンを押していくというもの。
お手本通りにボタンを押せば一応クリアはできるが、高評価「cool」達成する為には、お手本にはないアドリブを入れる必要があり、難易度は高い。
キャラクターはペラペラの紙人形のようでありシュールな造形だが、カラフルでとても愛らしいデザイン。アニメ化するほど人気も高い。ゲームの肝となる楽曲は、どれもつい口ずさみたくなるほどノリが良く、バリエーションも豊富で評価が高い。

【感想】
ゲーム好きには、仕事や学校がダルいなぁって時に「帰ったらあのゲームをやろう」でなんとか乗り切れるタイトルがいくつかあると思う。筆者にとって、その選択肢の一つに本作「パラッパラッパー」が挙げられる。
発売当初、音ゲーやリズムゲームなんて他にほとんどなかったかと思う。筆者自身、それまでアクションゲームやRPGしかやったことがなく、なぜ本作を手に取ったのか、よく覚えてはいない。ただ、プレイする前に「これはそもそもゲームなのだろうか」という疑問を抱いていたことだけは覚えている。ふつう子どもがゲームかどうか分からないものに手をつけるだろうか。この頃からだろう「いっちょかみ」の悪癖が出始めていたのは。

いざ電源を入れる。
まずいきなりオープニングのアニメーションで流れる「The Jet Baby」のイントロに心を掴まれた。「これはどうやら格好いいやつだぞ」と。
正直ゲームはわりと難しかった。というかボタンを押すタイミングがシビアで、未だに正解がよくわかっていない。特に後半ステージの難易度はなかなかのもので、ニワトリ先生はいったい何個卵を産んだことだろう。
それでも、ノリの良い楽曲を全力で歌い踊るパラッパたちにつられ、自然と体が動く。ゲームで体が動いたのは「F-ZERO」以来だ。
気づけば全ステージ「cool」でクリアするまで何度もコントローラーを握っていた。

時は流れ2017年、PlayStation4に「パラッパラッパー」が帰ってきた。グラフィックが良くなってはいたが、基本的に当時のままであった。それでいい。
オッサンになってもオープニングの「The Jet Baby」にワクワクしたし、ステージ6「Parappa’s Live RAP With MC King Kong Mushi」はアガるけど大団円的なさみしさも健在だった。
仕事で精魂尽き果てて、ペラッペラになって帰ってきても、ペラッペラな彼らはいつも全力のパフォーマンスを見せてくれる。あの体型でどこにそんな体力があるのだろう。
ゲームのいいところは電源を入れたら「Show must go on」常に、変わらず、そこで演じ続けてくれることだ。

浮世の憂さも悲しみも、一時忘れさせてくれる「パラッパラッパー」は偉大だ。PlayStation4版はダウンロード版もパッケージ版も販売中。今すぐプレイしよう。サントラもいいよ!

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