錦ジョーカーズについての解説

錦ジョーカーズについて
文責 西川為仁(西川航平)
皆さん初めまして。西川為仁と申します。
錦ジョーカーズを使い、第38回レプトンCSベスト8(参加者81人)、39回同大会4位(87人)、40回大会ベスト8(103人)で、三大会連続で入賞することができました。
自分の考えを整理する意味も兼ねて、この度初めて解説記事を書きます。
拙い点等多々あるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。

構成
0. デッキリスト
1. ジョーカーズというデッキとその立ち位置
2. なぜバスターの超次元を使うのか?
3. ワイルドシールドクライマックス不要論とメラメラジョーカーズのススメ(おすすめです)
4. 各カード解説
5. 各デッキとの相性や戦い方

0、 デッキリスト
構築は以下の通りです。
4 ジョジョジョジョーカーズ
2 メラメラジョーカーズ
4 ヤッタレマン
4 パーリ騎士
4 キングザスロットン/7777777
4 ポクチンちん
1 ゼロの裏技ニヤリーゲット
4 ガヨウ神
4 ジョットガンジョラゴン
4 バイナラドア
4 アイアンマンハッタン
1 燃えるデットソード

超次元ゾーン
1 勝利のガイアールカイザー
1 勝利のリュウセイカイザー
1 勝利のプリンプリン
1 ガイアールカイザー
1 激相撲ツッパリキシ
1 紅蓮の怒り鬼龍院刃
1 アクアアタックBAGOOONパンツァー
1 光器セイントアヴェ・マリア

一般的なジョラゴンジョーカーズとの違いは、ワイルドシールドクライマックスがメラメラジョーカーズになっている点です。
これはかなり大きな違いだと思うので、後で詳しく解説します。

1、 ジョーカーズというデッキとその立ち位置
ジョーカーズの大きな魅力は、その器用さだと思います。
マナも伸ばせる、手札も増やせる、トリガーもなかなかに強力で、一気に攻め込むこともできるしループもできる。これだけのことができる他のデッキは無いのではないでしょうか。
また、極端に不利なデッキがほぼ存在しないというのも素晴らしい点です。
轟轟轟ブランドは厳しいですが、トリガー次第では大分戦えます。

2、なぜバスターの超次元を使うのか?
このデッキにおいてブラフはこちらが後攻の場合にしか機能しません。
(例外的に7777777をマナに埋めた場合には相手もこちらのデッキ判断を先延ばしにするかもしれませんが、相手がブランドであるか否かがわかっていない状態で7777777をチャージするのはリスクを伴う行為です。)
このブラフには、相手に先攻を取られた時に、やられると困る動きからメタクリーチャーを優先する動きに誘導するという効果があります。

・対バスター
このデッキにとってはオニカマスをプレイされるよりもグレンニャーを出される方が困ります。(バスターをプレイされる確率、それについてくる厄介な多色クリーチャーを引かれる確率、ジョーカーズの天敵GWDを引かれる確率が上がるため。オニカマスも厄介ではあるのですが、こちらの攻めにおいてはキングザスロットンを絡める動き以外には支障がないこと、7777777で除去できる確率が高いことを考えると、2ターン目にプレイされたくないのはグレンニャーの方です)
グレンニャーは多色なので、1ターン目にマナに置かなければ2ターン目にオニカマス召喚に間に合いません。なので、他に水のカードがない(あるいは置きたいカードがない)場合にグレンニャーを置かせてオニカマスを誘い出すことができます。(というより主目的はグレンニャーをマナに置かせることですが)

・対ジョーカーズ
最初のマナ置き及びジョジョジョジョーカーズで回収するカードに影響を与えます。
本来ならばパーリ騎士や他のカードを取るべきところをポクチンちんにさせられれば占めたものです。
先日問題提起されたジョジョジョジョーカーズを1ターン目に打つのか否かであった通り、確かにプレイするのを待った方がいいケースもあるのですが、打たざるを得ない場合(打った方がいい)というのもあります。その場合に判断を間違わせることができる可能性があります。多くのデッキにとって3ターンバスターが脅威であるのと同様ジョーカーズにとってもバスターに走られるか否かは死活問題です。シノビもメメントもない分、脅威度は高いかもしれません。
なお、相手をジョーカーズに限れば超次元はサソリムカデでもいいのですが、それでは前述のグレンニャーを置かせることはできないので、総合的に考えるとバスターの超次元の方がいいのかなと思います。

・対ドルマゲドン
殆どの場合初手で多色カードを置かれると思いますが、多色が無かったりドルーター等あまりマナに置きたくない多色しかない場合に機能します。ブラックアウトを手札にキープして、本来マナに置かないほうがいいカードを埋めてくれる可能性があります。ブラックアウトが厄介なのはキングザスロットンを使った時だけで、それもこちらがケアすることができるので脅威度はそこまで高くありません。

大体このくらいでしょうか。また、ハンデスに対してもバスター同様多色を置かせてオニカマスのプレイを優先させることができます。

3、 ワイルドシールドクライマックス不要論とメラメラジョーカーズのススメ

最近上位入賞しているジョーカーズデッキの構築を見ると、ほとんどがワイルドシールドクライマックスを採用しています。テンプレートとなっているといっていいでしょう。
しかしこのカード、そこまで採用する価値のあるものでしょうか。
ジョラゴンを破壊から守れるうえに、相手クリーチャーを破壊できる。
なるほど確かに強いカードです。
ジョラゴンがいる時に手札に無いと使えませんが、ジョラゴンが出ているということはおそらくガヨウ神で手札が増えていることが多いでしょうし、肝心な時に無い!ということにはなりにくい筈です。
ではそもそも、このカードはどんな相手に対して使うのでしょうか。

・赤青、ラッカバスター
このデッキに破壊系のトリガーはありません。ジョラゴンが攻撃した返しにバスターがジョラゴンめがけて攻撃してくることよりも、シールド、プレイヤーを狙って攻めてくることの方が圧倒的に多いのではないでしょうか。ジョラゴンで攻撃時に捨てて最低限の仕事もできますが、それはこのカードでなくともいいでしょう。必要ない(あったとしても薄い)相手だと思います。

・ジョーカーズ
相手のジョラゴンが相打ちを取りに来ることはレアケースだと思います。
必要ありません。

・デスザーク
この相手には活躍しますね。2回除去を撃つのはなかなかハードルが高いです。1度目の除去でパワーが上がっているので、2回目の破壊をドゥシーザ+デスザークバトルで行うこともできません。確かに強いです。ですが私は、メラメラジョーカーズでも十分な働きができると思います。メラメラジョーカーズについては後述します。

・オバマダンテ(チェンジザダンテ)
ミラダンテの殴り返しには有効ですが、そもそもこのデッキに対してジョラゴン単騎で攻撃してはいけません。また、バイケンで手札に戻されることも十分考えられるのでこのカードはまず機能せず、まずこれを使うような状況に持ち込ませてはいけません。

・ドルマゲドン
このデッキに対してはそこそこ強いのですが、実はデーモンハンドくらいしかこれで対策できるものがありません。卍獄ハンドに対してはこのカードが2枚必要になるのであまり機能しません。(味方を1体守れるとも言えますが)キザムは、マンハッタン効果で出たものならバイナラで消せますし、それ以外で出たものなら(特に残り2枚からトリガーしたら)そもそもジョラゴンを破壊してこないはずです。デッドゾーンの殴り返しには使えるのですが、2枚重ねられると抗う術がないこと等考えると、やはりどうしても欲しい、とは言えないカードではないでしょうか。

・ゴクガロイザー
使いません。ゴクガロイザーの除去ならバイナラドアでいいでしょう。わざわざこのカードである理由が見出せません。

・ブライゼシュート、デリート、ハンデス
それぞれハードラック、テック団の除去を無効化できるので強いです。しかしそもそもこれらのデッキがあまり多くないので、これを以て採用決定をするかというと否と言わざるを得ません。

・ではなぜ、メラメラジョーカーズなのか??
もしかすると、このカードについて知らない方もいるかもしれません。
私も、他の人がCSで使っているのを見たことはありません。
なのでまずはその効果から見てみましょう。

メラメラジョーカーズ

種類 呪文 文明 火 種族 ジョーカーズ 
 
コスト1
*ジョーカーズを1枚、自分の手札から捨ててもよい。そうしたら、カードを2枚引く。 

とてもシンプルな、ジョーカーズ専用の手札入れ替えカードです。
皆さんお分かりの通り、捨てる効果なのでジョラゴンとの相性は非常にいいです。
このカードで何ができるかというと、ジョラゴンを1ターンに2体並べることができるようになります。ジョラゴンを出した余りの1マナで(もしくは余るように余分にクリーチャーを戻して)これを唱えます。そして、キングザスロットンを捨ててください。

いや、そう都合よくジョラゴン当たらないだろ、という方もいるかもしれません。
その通りです。1度のスロットンでジョラゴンがヒットする確率は22.42%です。
ですが、1度でジョラゴンが出ないといけないのでしょうか?
スロットンがめくれてももう1度トライできます。ガヨウ神を出して、手札からスロットンを捨ててもいいでしょう。マンハッタンでも同じことができます。
(トリガーを踏むリスクがあるので他の2枚よりは歓迎できませんが。しかしシールドを減らしてアタッカーが増えているので、悪いとも言い切れません)
ジョラゴンを出すためには、ジョラゴンを出さなくてもいいのです(哲学)
ジョラゴンorスロットンorガヨウ神orマンハッタン(計14枚、場にいるジョラゴンと捨てたスロットンは除くため)が出る確率は76.01%です。こう考えると、かなり高い確率といえるのではないでしょうか。

次のターンでジョラゴン2体は飛んでこないだろうと高を括っている相手に奇襲攻撃を仕掛けることができます。(特にこれはオバマダンテ相手に有効です)
デスザークに対してクライマックスでなくていいと述べたのは、このカードを起点としてマンハッタン→バイナラドアの動きができるためです。デスザークを除去しつつ、次のターンの無月の門を封じる。これで今いるジョラゴンが破壊されても、次のターンに出すジョラゴンは何の制約も受けずに攻撃することができます。(もちろんマンハッタンの前にガヨウ神で手札を増やすことも可能です)
バスター相手も、ジョラゴンが2体立てば、マンハッタンの前にガヨウ神(2回捨てられるため)から展開、除去、とかなり有利に試合を運べます。
このカードが腐る相手というのは、まずいないと思います。
問題は火文明が少ないということですが、主にこれを使うのはジョラゴンを出した後のことなので、ほとんど気になりません。

・パーリ騎士を活かすために
私がテンプレート構築に対して疑問に思っていることとして、皆さんパーリ騎士4枚採用しているんだな、ということです。
自然ジョーカーズでもないんだから、パーリ騎士4枚は当たり前だろう、と思う方もいらっしゃるでしょう。私もパーリ騎士4枚はジョラゴンジョーカーズにおいて絶対だと思います。ですがそれは、あくまで墓地に送るカードがあってこその話です。
3ターン目にパーリ騎士を有効利用できる可能性(マナを増やせる可能性)は、一般的な構築において結構低いです。

2ターン目までにジョジョジョジョーカーズを引く可能性が49.26%です。(6枚中1枚あればよい)
ジョジョジョジョーカーズを撃ったうえで、3ターン目までにパーリ騎士を引く可能性は35%です。(3ターン目までに触れられる7枚+4枚―1枚(ジョジョジョジョーカーズ)の10枚の中になければなりません)(先攻の場合)
正確には、2ターン目ヤッタレマン+ニヤリーゲットや相手のブレイクがあるので、もう少し可能性は上がりますが。
それでもこれは心許ない数字です。
なので私は、初動にジョジョジョジョーカーズだけでなくメラメラジョーカーズも採用しました。
メラメラジョーカーズと火文明のカードを2ターン目までに引く確率は20%。
それでも50%には届かないのですが、いくらか動きが安定するようにはなります。
前述した展開の助けにもなるということを考えると、このメラメラジョーカーズというカードは非常に強力だと言えます。

4、各カード解説
・ジョジョジョジョーカーズ×4
状況に応じてジョーカーズを持ってこれる、言わずと知れた極めて優秀なカードです。
パーリ騎士を有効利用するためにもこのカードをプレイすることは重要です。
ヤッタレマンが手札にあり、3ターン目にこれを撃った上でパーリ騎士、ポクチンちんを出せる場合は、使わないという選択もあります。
自分が先攻の時はそういうプレイもあるということを覚えておいてください。
また、このカードを使わないことでヤッタレマンへの除去をためらわせることもあります。
(墓地が増えるとパーリ騎士が機能してしまうため)
4枚投入以外考えられないカードです。

・メラメラジョーカーズ×2
序盤の手札入れ替え、墓地肥やし、ジョラゴンと合わせた展開サポートと、重要な役割を果たします。詳しくは前述したので、ここでは省略させていただきます。

・ヤッタレマン×4
ジョーカーズの展開を助けるコスト軽減クリーチャー。
この能力は一番隊シリーズと同じものですが、ジョーカーズにおいてはさらにその強さを発揮します。
切り札であるジョットガンジョラゴンとの相性が極めて良いためです。
ヤッタレマンを2枚使うとジョラゴンの召喚コストを-1することができます。
これにパーリ騎士、追加のヤッタレマンが加わるとさらにコストは下がります。
勿論、ジョラゴンの召還以外でもガヨウ神等のコストを下げたりと、活躍します。
4枚入れましょう。

・パーリ騎士×4
前述の通り、このリストにおいてはこのカードは4枚確定です。
ある意味このリストはパーリ騎士4枚投入に整合性を与えるものとも言えます。
しかしテンプレート構築に準じるのであれば、3枚にして他のカードを採用してもいいかもしれません。

・ポクチンちん×4
踏み倒し対策カードであり(バスター、ダンテ、ブランド、朱雀)、相手の墓地を空にするカードであり(センチピード、墓地ソース、朱雀)、ライブラリアウトを防ぐカードであり、ループのために必要なカードです。
この1枚が果たす役割はあまりに大きく、そして多岐にわたります。
先攻3ターン目のバスターに対しては無力ですが、それでも余りある活躍をします。

シャッフル効果ですが、よく考えてプレイヤーを選びましょう。(特にどちらにも墓地がない場合)墓地がないなら、どっちでもいい、と思うかもしれませんがそれは少し違います。
その試合中、ジョジョジョジョーカーズを使っていませんか?使っているならば、デッキの底3枚はわかるはずです。そのカードは引きたいカードですか?ボトムにあってほしいカードでしょうか?あるいは相手がオボロカゲロウをプレイしていませんでしたか?
そういったデッキの底の情報も加味してプレイヤーを選びましょう。
4枚確定です。

・キングザスロットン/7777777×4
クリーチャー面も呪文面もどちらも非常に強力です。
キングザスロットンはジョラゴンからマンハッタン→スロットンと使用することでダイレクトアタックまで持っていけます。
また、前述したメラメラジョーカーズと合わせて1ターンでジョラゴンを2体出すことができます。
このカードを単体で使っても、強力な後続を呼ぶことができ、優秀です。
7777777は強力なトリガー付き除去です。
轟轟轟ブランドに対しては小型を一掃でき、朱雀のヴォガイガ、ヴォ―ミラをまとめて山札の底に送るなど、確実ではない代わりに、一度に複数のクリーチャーを処理できます。
しかし何も考えずに撃っていいものではなく、相手のデッキタイプや公開領域の情報を加味して、よく考えた上で使いましょう。
墓地がない、(墓地からマナに置きたくないカードしかない)場合によっては空撃ち、あるいは効果が薄い場面でも撃ってパーリ騎士のマナ加速に役立てるということもできます。
これらの働きを1枚でこなします。4枚以外ありません。

・ゼロの裏技ニヤリーゲット×1
言わずと知れたジョーカーズの理不尽なドローソース。
殿堂入りしているのも当然の強さで、入れない道理はない……と、思考停止するには早いです。
上位入賞している一部のジョーカーズのリストには、ニヤリーゲットが入っていません。
こんな強力なカードをなぜ入れないのか?
これにはキングザスロットンが関わっています。スロットンの後続を呼ぶための条件は、めくった三枚すべてがジョーカーズであること。
もはやジョーカーズ専用サポートのようなこのカードは、しかし残念なことにジョーカーズ呪文ではありません。なので3枚の中にニヤリーゲットがあれば連鎖、展開は止まってしまうわけです。これを嫌って採用しない方もいるのでしょう。
しかもこのデッキはメラメラジョーカーズからの展開を1つのプランとしているため、スロットンでニヤリーゲットがめくれることによるダメージは他のジョーカーズよりも大きいです。
しかしニヤリーゲットの力は強力無比。採用するか否かはよくよく考えたいところです。
ニヤリーゲットで1枚も手札に加えられない確率が0.2%、1枚手札に加える確率が5.41%、2枚が34.66%、3枚が59.7%で、期待値としては2.535枚手札に加わることになります。
対してスロットン効果でこのカードがめくれる可能性は7.7%。
この数字をどうとるかは人それぞれだと思います。
私はメリットが大きいと判断し、採用しています。
他の方のプレイを見ていると、1度使ったこのカードを早い段階でパーリ騎士でマナに置くことが多いように思います。ポクチンちんで山札に戻すと、スロットンで捲れると面倒、ということかもしれませんが、また引ければ再びこのカードを使うことができるわけです。
マナに置くべきか墓地に残すべきか、状況に応じて柔軟に考えてみてください。

・ガヨウ神×4
ジョラゴンと相性最高のドローソース。召喚して使っても十分強いです。
ジョラゴン2体の下ではこのカードをマンハッタンより先に捨てることで呪文トリガーが割り込む前にもろもろの効果処理ができることを覚えておいてください。
ニヤリーゲットとこのカード以外にドローソースはないので、(デットソードもドローできますが使えるのはたいていジョラゴンが出た後のことです)相手に手札破壊がありそうな場合は特に、あまり軽々にマナにはおかないほうがいいです。
4枚です。

・ジョットガンジョラゴン×4
このデッキの切り札です。
ガヨウ神と合わせて大幅に手札を増やすもよし。マンハッタンで勝負を決めに行くもよし。
スロットンで展開するもよし、複数並べてループしてもよしと、非常に強力なカードです。
状況に応じて仲間の力を使い分け、勝利を目指しましょう。
このリストにはメラメラジョーカーズという優秀なサポートカードもあるので、ぜひ一緒に使ってみてください。
ループの際には複数体必要になることを考えると、4枚採用必須です。

・バイナラドア×4
相手クリーチャーをデッキの底に葬る超強力なトリガークリーチャー。
おまけにドロー効果もついており、ミラダンテⅫの影響もうけません。
クリーチャーとして場に残るため、ジョラゴンの召喚コストを下げられるのも見逃してはいけません。
実に素晴らしいカードなのですが、ジョーカーズ以外に使えないよう設定したと思われる場とマナにジョーカーズが計3枚必要という条件が、轟轟轟相手には満たせないことがあります。
その点は注意を。

・アイアンマンハッタン×4
ジョラゴンの攻撃力を飛躍的に上昇させるカード。
クリーチャーを1体しか出せないということはバスターが出てこない、(もとからドラゴンがいる場合は除く)デスザークが出ない、チェンジザから超次元呪文が使えない、ゴクガロイザーとスコーラーを同一ターンに出せない……など、実に多くのデッキに突き刺さります。
捨てる効果がついておりジョラゴンとの相性は抜群です。
捨てる前に呪文トリガーでジョラゴンが除去された場合は、ジョーカーズの出た時効果は使えませんが、手札を捨てることでマンハッタンの制限はかけることができます。
クリーチャートリガーに対しては先にこちらの捨てる効果が使えるので、忘れないようにしてください。(クロックをバイナラドアで飛ばす、ということもできます)
ジョラゴンが複数体いれば、このカードを用いてデットソードループを行うことができます。
成功した場合、相手は反撃の手段を失うので、相手によっては積極的にしかけてみてください。
ループの為にはこのカードが複数必要なので、不用意にマナに置きすぎないようにしてください。メラメラジョーカーズを撃つためにはこのカードが必要なことも踏まえると、4枚確定です。

・燃えるデットソード×1
相手は場、マナ、手札を失い、自分は3枚ドローする。
アドバンテージの塊です。何も考えずにジョラゴンから使っても、活躍することが多いです。
この使い方ももちろん強いのですが、真に恐ろしいのはループにおいてで、相手の手札、マナ、場がすべて消し飛びます。メラメラジョーカーズの採用により、ジョラゴンが複数体並びやすくなっているので、狙ってみてください。オバマダンテに対してはこのループのおかげで非常に高い勝率をほこります。
楯落ちを考えると2枚入れたくもなるのですが、ループするにしても1枚で事足りること、ジョラゴンで使う以外にはほとんど使えないことを加味すると1枚に落ち着きました。

5、 各デッキに対して(勝率はあくまで体感です)
・赤青バスター/ トリコロールバスター
やや不利(40%程度)
先攻3ターンバスターに抗う術がほぼありません。
1ターン目ジョジョジョジョーカーズorメラメラジョーカーズ、2ターン目ヤッタレマン→3ターン目ヤッタレパーリ騎士ジョラゴン召喚、くらいでしょうか。
バイナラドアがトリガーすれば要求値は下がります。
この動きですが、天敵GWDの存在もあるので、相手のマナ置きや何をプレイたか、自分の手札を踏まえた上でヤッタレマンを早い段階で出すか決めてください。
ポクチンちんをGWDで処理されるのは仕方ないのですが、その際にヤッタレマンまで持っていかれてしまい、ドローされてしまうというのは好ましくありません。(バルチュリスやバスター等引かれる確率は少しでも下げたいところです)
何もないところからヤッタレヤッタレパーリ騎士で、5マナでジョラゴンを出すことができるので、そちらのプランも頭に置いておいてください。

トリガー呪文であるドンドン吸い込むナウを採用する型が吹いてきたのも向かい風です。
序盤に出したヤッタレマンなどを戻しながらジョラゴンを出した際に、吸い込むで戻されると次のターンの動きが弱くなってしまい、さらに次の相手のターンにバスターで走られる、というケースが増えました。

・オバマダンテ
極めて有利で、ほとんど負けることはありません。(85~90%)
トリガー付き除去呪文が入っていないので、安定してループを決めることができます。
デットソードがシールドに行ってしまった場合は、キングザスロットンで大量のアタッカーを作り、シノビを貫通しての勝利を目指します。
先攻を取られた上でのライフギフトチェンジザ、超次元呪文は流石に厳しいですが、逆に言うとそこまでの上振れが起きない限りはほぼ勝てるといっていいでしょう。
注意点として、相手が猿飛バイケンを行える状態(5マナある状態)で、ジョラゴン1体で突撃するのはやめましょう。返しにミラダンテにチェンジ、ジョラゴンは破壊され、召喚制限……と大惨事に陥ります。
手札そこまで多くないし……と思ってはいけません。ミラダンテが無ければ相手はジョラゴンの攻撃を通すでしょう。そこでフェアリーシャワーがトリガーしたら、白米男爵でマナから回収されたら、ディメンジョンゲートを踏んだら、そもそもその2枚にミラダンテがあったら。リスクがあまりにも高いです。相手のマナが4枚以下、あるいは5マナしかなく手札からデットソードを捨てられるという状況以外では攻撃しないが吉です。

・朱雀
有利(60~65%)
相手の墓地を枯らすことができ、朱雀もボトムに送ることができるのでポクチンちんが活きます。ジョラゴンからのマンハッタンが入ると朱雀が出せず、ほぼゲームエンドとなるので、相手は何としてもジョラゴンの効果発動を阻止しようとしてくるはずです。
メラメラジョーカーズをキープすることも頭に置いておいてください。
7777777で4マナ魔道具を飛ばせるとかなり楽になります。
相手のマナや墓地を見て、勝算があれば撃っていきましょう。
自分のターンに現れるガリュザークにはポクチンちんが機能しないことは忘れないようにしましょう。ハンデスもあるのでむやみに手札を消費することが無いようにしましょう。

・火単轟轟轟ブランド
極めて不利(20%)
先攻を獲れないとほとんどの場合勝負にすらなりません。
相手の展開速度が極めて速くバイナラドアがトリガーとしての役目を果たさないということがざらです。おまけに轟轟轟ブランドがおまけのようにヤッタレマンを破壊してきます。
7777777で相手の小型はまとめて除去できるものの、とても苦しい試合になることは間違いありません。
ジョラゴンを立てることができれば勝利は約束されたようなものです。
諦めずに頑張りましょう。

・火光轟轟轟ブランド
かなり不利(35%)
火単ほどではないにせよ、不利なことに変わりはありません。
あちらより厄介な点としては、ミクセルがいるとそもそもジョラゴンが出せない、サプライズホールがあるので突撃したときに耐えられる可能性がある、などが挙げられます。

7777777で相手の2コスト域が一気に吹き飛ぶので、手札にキープしましょう。
ポクチンちんを出せるようであればぜひ出してください。
轟轟轟やホール呪文を無効化できます。しかし、ハエたたきがあるので過信は禁物です。
ジョラゴンが出た後ですが、サプライズホールからのブロッカーがあるので、状況と手札によってはクリーチャーの除去に回る選択もあります。

・ドルマゲドン
有利(60%)
これもポクチンちんが活躍する相手です。
ドルハカバ、デッドゾーンを墓地から離すことができ、侵略してもボトムに送れます。
さらに、能動的に撃てる相手の除去は、侵略かデーモンハンドくらいしかないので、非常に場持ちもいいです。
厄介なのは先攻タイガニトロです。何をキープするのが最善なのか、よく考えて決めましょう。
タイガニトロがいる場合でも、ガヨウ神を出すメリットはあります。ジョラゴンを引いた時に戻すことで、ジョラゴンからの動きが強力になります。ガヨウ神でニヤリーゲットを持ってきた場合は撃たないという選択肢も忘れずに。

・サソリムカデ
極めて有利(80~90%)
ポクチンちんが最も活きる対戦です。
相手が肥やした墓地を一瞬でリセットできます。
この状態なら戒王の封を踏んだとしても何らダメージはありません。
しかし、相手のマナが6に届くという状態でサイバーチューンを踏んでしまうと、返しのターンにループに入られる可能性があるのでむやみに小突くのはおすすめしません。

ジョラゴンでの攻撃ならリスクは低いです。
ジョラゴンでマンハッタンを使って相手のトリガーが発動しても、増えた墓地はポクチンちんを捨てることでリセットでき、出てきたサソリはバイナラドアで除去できるので。

しかし、一番安定してるのはやはりデットソードループです。ジョラゴン2体を立てるのはそこま難しく無い筈なので、ぜひ狙ってみてください。

・ゴクガロイザー(12月4日改稿)
微不利~五分(45~50%)
ほぼ互角だとは思うのですが、ギフトやラララライフ等でロイザーがこちらが対処できないほど早期に出てくる可能性があることを考えるとやや不利といえるかもしれません。
(こちらも相当運が良ければ3ターン目ジョラゴンができるのですが)

ジョラゴンで決めに行ったときに吸い込むでジョラゴンを戻されるとマンハッタン効果で捨てた後の効果が使えなくなり、他に数体クリーチャーを並べないとフィニッシュまで持っていけない、ということは覚えておいてください。
充分なマナがある、ガヨウ神で事前に手札を増やしヤッタレヤッタレパーリ騎士などから次のターンもジョラゴンを出せる、という場合はそこまで気にしなくていいのですが、元々出ているヤッタレマンやポクチンちんを戻して無理をしてジョラゴンを出し、バウンスされた次のターンにジョラゴンが出せないという場合(あるいはそこから勝負を決めるためのスロットンや相手を縛るためのマンハッタンがない場合)、増えた手札、マナを利用され敗色濃厚となります。
ちなみに、マンハッタンの最初の3枚のブレイクで吸い込むナウがトリガーする確率は27.74%です。(5枚すべてのうちに吸い込むナウがある確率は42.71%)
スロットンもあるし突撃してしまえ、という考えも間違っているとは言えませんね。

ジョラゴンを出すまではこちらから相手の妨害をすることはできないので、自分の動きを
少しでも強められるようなプレイをしましょう。
ジョラゴンを出した後の動きですが、マンハッタンは勝負を決めに行く以外でも使う可能性があります。
相手の場にゴクガロイザーがいない場合2体目のロイザーやスコーラーを出せなくできますし、ステップルがいなければラララライフのタダ撃ちを防げるためです。(オチャッピィがあるのでこちらは確実とは言えないかもしれませんが)
ただ当然手札が増えたりトリガーでブーストされるというデメリットもあるので、そこは相手の状況を見ながら判断してください。
*ご指摘を受け、ゴクガロイザーに対する部分を改稿しました。

*追記 皆さんから指摘を受けた部分や質問された部分についてお答えします。
12月4日
・「ワイルドシールドクライマックスの方が強い、テンプレの方が強いに決まっている」

これは別にデュエマに限った話ではありませんが、テンプレ構築というのはそれだけである程度(かなりといってもいいかもしれません)信頼できます。
それはなぜか?多くの人が使い、弱いものは淘汰され、消えていくか改良され強くなるからです。
なので、往々にしてその環境での最適解、もしくはベターなものとなっています。

しかしそれがいつもあっているとは限りませんし、もっと良くすることはできないかなと考えるのもこのゲームの楽しみの1つではないかと思うわけです。
勿論ワイルドシールドクライマックスにも強みはあります。
メラメラジョーカーズじゃなくてクライマックスだったら勝ってたのに、私にももちろんそういう対戦はありました。
しかし比較検討した際に私はメラメラジョーカーズの方が強いと結論を出しました。
(これから環境が変化しその結論が変わる可能性は十分にあります)

比較検討してやはりワイルドシールドクライマックスの方が強いと判断したなら、あなたのその結論にとやかく言う権利は誰にもありません。

この記事があなたのデッキ構築の一助となれば幸いです。

・「メラメラジョーカーズからのマンハッタンで墳墓ケアとはどういうことか」

ジョラゴンを2体立てた状態でマンハッタン効果を使い、墳墓がトリガーするとどちらも破壊されてしまい、ループどころか1つもジョーカーズの効果を使えません。
しかし、メラメラジョーカーズでマンハッタンを捨て先にブレイクすることで、たとえ墳墓がトリガーしてもジョラゴンは破壊されず、その後に2体目のジョラゴンを出せば悠々とループに入ることができます。
相手のデッキに墳墓が入っているかもという場合には覚えておいてほしいテクニックです。

・「ゴクガサイクル対面に書いてある吸い込むでマンハッタンがケアされるとはどういうことか」
すみません、私の説明が悪かったです。
吸い込むでジョラゴンを戻されるとマンハッタンでカードを捨ててもその追加効果は発生しない(捨てた後のジョーカーズの効果が使えない、召喚制限は発動します)ということを書きたかったのですが、見直してみるとゴクガロイザー対面の記事があまりに酷かったので改稿しました。
もしよろしければ読んでいただけると幸いです。

・「ワイルドシールドクライマックスにはチェンジザやゴクガロイザーを殴らずに処理できるという役割もあるのではないか」
まず、チェンジザに関してお答えします。
チェンジザが何をしてくると厄介かというと超次元呪文で展開してきたりミラダンテⅫに革命チェンジしてきたり、ということだと思います。
これに対してはポクチンちんを出しておくとかなり抑制できます。
主流の白青緑であれば除去呪文は殆どありません。(ヘブンデエンドレーサが入っている構築もありはするのですが)なので、何としてでも処理しなければならないというほどの脅威ではないのかと思います。また、元よりかなり有利な相手なのでその相手に対する勝率をさらに上げるよりは他のデッキへの勝率を上げたい、であれば腐りにくいメラメラジョーカーズに軍配が上がるのかと思います。

ドロマーダンテであれば、チェンジザが出てくるのは6ターン目です。その状況でワイルドシールドクライマックスの代わりにメラメラジョーカーズがあればループを十分狙えるターン数です。それならばあえてワイルドシールドクライマックスを採用する必要はないのかと考えます。

ゴクガロイザーについて
これはチェンジザとは話が違います。放置しておいてよいクリーチャーではありません。
ではまず、ゴクガロイザーがどのくらいのターンで出てくるのか。
あのデッキはブースト手段が非常に多いです。4ターン目にゴクガロイザーが出てくると仮定して構わないでしょう。

こちらが後攻の場合、4ターン目にクライマックスを出さなければなりません。
ジョジョジョジョーカーズ、ヤッタレマン、パーリ騎士からつなぐかヤッタレヤッタレから出す必要があります。
本記事でも述べたとおり、メラメラジョーカーズをクライマックスにするとパーリ騎士は活かしづらいです。(先攻でジョジョジョジョーカーズを使い3ターン目にパーリ騎士を活かせる確率が35%)
後攻なんだからもう少し確率は上がるのではないか。
残念ながらそうはなりません。ヤッタレマンが2ターン目に必要となるので確率はさらに下がるのです。
ヤッタレヤッタレプランも同様です。
そしてその上で、ワイルドシールドクライマックスを引かなければならない。(当然火マナも必要です)
もちろん、うまくいく試合もあるでしょう。(ロイザーが出てくるのが5ターン目ということも当然あるでしょうし)
ですが、間に合わない試合、役に立たない試合もそれ以上にある。
そこを考えるとこの対面においてもいまいちクライマックスは活かせないのではないかと思うのです。

また、ワイルドシールドクライマックスが出せるということは、6マナ使って召喚する場合を除いてジョラゴンが出せるわけです。
ならジョラゴンを出してメラメラジョーカーズを撃った方がいいのではないでしょうか。
(ワイルドシールドクライマックスとメラメラジョーカーズの枠についての話なので、クライマックスが引けている場面ならメラメラジョーカーズが手札にあると仮定して議論を進めています。メラメラはジョジョジョジョーカーズで持ってこれないので完全な同値というわけではありませんが。
ヤッタレパーリ騎士にしろヤッタレヤッタレの場合にしろ、ジョラゴンはクライマックスより1マナ少なく出せるのでメラメラを撃つマナの余裕はあります)

除去カードを引き込めないというリスクは伴うものの、ジョラゴンからガヨウ神などで手札を増やしつつバイナラやデットソードの除去を見越して攻める方がメリットは大きいと思います。
(これは個人のリスク選好度などに依存するため一概には言えませんが、私はそちらのプランが好きです。ロイザー相手に攻め込むなんて、と考える人はクライマックスでもいいかもしれません。しかしそれを差し引いても、他のデッキのことを考えるとメラメラの方がいいのではないかと考えます)

・終わりに
本記事は以上になります。
何か一つでも参考になれば幸いです。
意見や感想、質問などあればぜひお聞かせください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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