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なぜ遺伝子組換え(GM)不使用表示を禁止するのか?

書籍 ルネサンスvol.13

食がもたらす❝病❞ ~日本の食 安全神話崩壊~


p42~43 安田節子さんは以下のように綴っておられます。


私たち自身がよりよい食生活を選択することが、リスクの多い今の時代においてはますます重要になっている。ところが、消費者のそんな努力をあざ笑うかのように、 政策の後退は続いている。食品表示 の規制緩和だ。


まず、遺伝子組み換え(GM)不使用表示が2023年4月からできなくなる。EUを始め多くの国々はGMを拒否している。一方、日本はGM認可数世界一だ。日本の消費者たちは、「GM不使用」表示の食品を選ぶことで防衛してきた。


もともと非GM食品表示であっても、米国からの輸入作物では5%未満のGMの混入は避けられないとの主張を受け、日本は「混入率5%未満」なら「GM不使用」の表示をしてもよいということにしてきた。ところが2018年、消費者庁は混入率0%でなければ表示はできないと厳格化した。


米国からの分別品は「5%未満G M混入」のままなので、米国産作物を使っていたら「GM不使用」の表示はできなくなる。そうなれば、価格が高騰しやすく供給が不安定にな りがちな非GM作物をわざわざ使用せず、GM作物を使う企業が増えるだろう。消費者に知らず知らずのうちにGM食品を受け入れさせるため に、非GM表示をできなくする圧力があったと思われる。


なお、日本ではGM栽培は行われていないため、国産100%なら「GM不使用」と表示できる。消費者は 国産100%を選び、GM生産させない日本であり続けたい。

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