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【~パラリンピックを満席に~】NPO法人代表白井長興氏の熱い思い

来年東京オリンピックが開かれ、日本では期待と盛り上がりを見せている。特にラグビーは、この数年で1番盛り上がりを見せている種目の一つであるといえる。

しかし、オリンピックにより注目を集めているのは種目だけではない。その1つとして「障害」にもスポットが当たり始めている。東京パラリンピックが開催されることで、メディア等を通じて人々が障害について考えるきっかけは増えている。

内閣府は、2017年の障害者の概数に関し以下のように述べている。『身体障害者(身体障害児を含む。以下同じ。)436万人、知的障害者(知的障害児を含む。以下同じ。)108万2千人、精神障害者419万3千人となっている』と述べている。合計すると963万人。日本の全人口のおよそ8%弱が何かしらの障害を持っていることになる。もはや障害は他人事や遠い存在ではないのである。まだ診断をされていない人を含めると、この数は更に増えるだろう。

そんな障害に対し、当事者からの視点で支援をしている人物を紹介しようと思う。

今回紹介するのは
NPO法人シェイクハートプロジェクトで代表を務めている白井長興氏である。

シェイクハートプロジェクトは障害者と健常者が触れ合えるイベントを作ることを目的として、2015年に設立された。その後、音楽イベントやダイバーシティイベントの運営、サポートをしている。

代表である白井氏自身も障害を抱えている。
白井氏は15歳の時、プールへの飛び込みへ失敗し脊髄損傷し、車椅子生活を余儀なくされた。長く見通しの見えないリハビリ生活や不安から、障害を受け入れることには時間がかかったようであった。その後、ホームヘルパー事業所で管理者に任命され、その後外資系金融のIT部兼ダイバーシティ推進グループのメンバーとして従事。

これらの経験を活かし、日本にはどの様なダイバーシティの導入が適しているか、日々模索しながらダイバーシティについて等の講演や、イベント企画・運営、バリアフリーについてのコンサルタントなど、多方面でその想いを繋いでいる。



9月、名古屋で開催されたAIDS文化フォーラムにて白井氏が講演を行うとのことなので、密着した。密着して分かったことが、白井氏は熱い性格で、ダイバーシティに向けて非常に真摯に取り組んでいることが明らかになった。

AIDS文化フォーラムとは、その名の通り「HIV/AIDSの感染拡大防止」を目的として行われているイベントである。
今回名古屋での開催は3回目であり、白井氏は差別について講演を行った。


白井氏は自身が東京2020組織委員会に所属していることに触れながら、「パラリンピックを満席にすることが目標」であると強く語っていた。また、夢を諦めないことの重要性についても話していた。

現在、障害を抱えた方にとって生きづらい状況は続いている。就職や日常生活、様々な点で、障害が壁になってしまうことは多い。改善してほしいとの声も多く挙がっているが、中々進まないのが現状だ。

外務省の障害者雇用の人数が160人から80人に減らされたことは記憶に新しいが、政府が障害者雇用の規範となることが求められる。

そのような中、日本全体を取り組んだ行事であるパラリンピックを東京2020組織委員会が盛り上げることは、障害者やその家族にとって喜ばしいことであるといえる。


講演が終了した後、数多くの参加者が多く喜びの表情を浮かべながら白井氏の元へ話しかけに行った場面が印象に残っている。

白井氏の熱い心や、誠実さは障害者健常者問わず多くの人へ安心と勇気を与えているようであった。来年はオリンピック以上にパラリンピックが盛り上がることが期待出来そうである。

【参考文献】
・内閣府HP
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r01hakusho/zenbun/siryo_02.html

・NPO法人シェイクハートプロジェクトHP
http://shake-heart.jp/about/

・Readyfor HP
https://readyfor.jp/projects/DigiReha/announcements/65002

・aliver HP
https://www.aliver-s.com/shirai

・AIDS文化フォーラムHP
http://abf.nagoya

・NHKニュース(2019.11.29)
義務達成難しい” 外務省の障害者雇用 人数減らす方針
https://www.google.com/amp/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20191129/amp/k10012196191000.html