離婚出来なかった両親から始まるファザコン終了の話
前回、父への愚痴のような怨みのようなことを書いたが
私はファザコンだった
几帳面で寡黙で黙々とよく働き愚痴を言わず
怒ったこともない優しい父だと思っていた
逆に母はすぐ怒り怒鳴り、頑固で理不尽な人間だった
幼い頃は、母が嫌いだった
私も見える景色が変わり、母も父も環境が変化すると
まず母の扱いがわかってくる
爆弾を踏まない方法を心得てくると会話ができる
父とは変わらず良好だった
私が上京し、ほぼ会わなくなる
たまにしか会わないのでケンカも減るしお互い許せるようになる
いい距離感だったと思う
ずっと私は父を慕っていた
数年前の母の死まで
母は父が嫌いだった
詳しい理由は知らないが浮気ではない
幼い頃から、離婚したらどっちがいい?と母に何度も聞かれるのが嫌だった
毎回、父と答え母を困らせていた
そして12歳頃に本格的に同じことを問われた
私は本当に離婚するんだと初めてその質問で泣き答えられなかった
母はショックな顔で部屋を出ていき、それ以来その話はなかったことになった
私は離婚しないんだと喜んでいたが、母はずっと苦しんでいたかもしれない
私が上京後、父と母は軽い別居をしていた
終末に会うだけ、お互い仕事にプライベートに充実しているように思えた
好きに生きてくれていた
母が癌になり
父はずっと付き添いをした
母が死に
しばらく経ち、父への思いが変化していることに気付く
些細な事で、父が腹立つのである
今まで気にならなかったことが気になり
イライラしている自分がいる
まるで昔の母のように父のことが嫌になっている
反抗期とは全然違う
今まで見なかったことが見えるようになった気がした
だからと言って父とケンカをするわけではない
ちょっと嫌だと伝える程度
母が嫌だったことが分かるようになった
母の念が私に入り込んだような気がする
父という人間がよく見えるようになった
尊敬するとこは変わらないがファザコンではなくなった
不思議な感覚もある
今、母がいたら一緒に愚痴大会をしていただろう
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