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No.271 「仕事に楽しさを見つけなきゃ」

羽田空港の利用が日常に戻った。コロナ禍前、空港内にある靴磨きのお店をしばしば利用した。先日久しぶりに靴を磨いてもらおうとお店に向かった。

お店の前には若い店員さんがいて、「靴磨きですか。今なら待ち時間なくご利用になれます。ご利用料金は、ーー円です」と初々しく話しかけてくれた。料金がコロナ禍前より倍以上に跳ね上がっていたので、「料金高くなりましたね」と伝えるも店員さんの初々しさが好印象だったのでお願いしようと思った。その矢先、後ろからベテラン店員らしき人が、「経営者が変わったんでこの料金です」と口を挟んできた。その口調と表情たるや苦々しさに満ち溢れ、「サッサと帰れ!」と言わんばかりの応対。

きっと同じような会話を何度もさせられているのだろう。料金高騰についての揶揄が繰り返され、辟易しているに違いない。気持ちは分からないでもない。しかし、これでは仕事に費やす時間が勿体無い。どうせ時間を費やすなら楽しみを見つけなきゃ。

空港に人が戻り利用客が増えるのは想定内。その際、料金高騰に対して嫌味の一つや二つを言われるのも想定内。これらの想定を踏まえ、どうお客に利用してもらえるか知恵を絞る。これって面白くないかな〜。

初々しい若い店員さんにもそのヒントがある。満面の『笑顔』と爽やかな『口調』だ。笑顔と口調だけでも気持ちは大いに傾く。ベテランなら加えてリップサービスといきたい。
「料金が上がった分、心を込めて磨きます」
「物価上昇と共に腕も上げています」
「まずは一度だけでも進化を実感してください」
などなど。
お客の心を引き寄せる言動を考え実行に移す。これが仕事の醍醐味ってもんじゃないかな。

初々しい店員さんは、利用しようという僕の心を見抜いていた。なので、ベテラン店員が口を挟んだ瞬間に、「余計なことをしないで」と心の声が漏れ聞こえた。

こんな上司の下で働く環境はかわいそう。いや、賢さが漲っていたのできっと反面教師としているに違いない。

仕事は楽しみを見つけなきゃね。


2023年5月

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