勝負

人生に、勝負が多い。 

25歳で、かなり多くの勝負を抱えていることに気づいた。

現在、芸人の活動をしている傍ら、会社員として勤めているのだが、いつの間にか、勝負で両手が一杯になっていた。

まず、お笑いでは毎月のようにバトルライブがある。

それ以外にも賞レースや、オーディションがあり、勝ち、負け、昇格、降格、進出、落選、通過などさまざまな結果を生み出している。

もちろん、勝負は悪いものではなく、得るものも大きい。

実際、ハチカイでも勝ったことで大きなチャンスを得たことは何度もあるし、そんな場を用意してくれている運営の人々には心から感謝している。

一方職場では、全国の社員の成績がランキング形式で出される。

ここでは営業成績という数値で明確な順位が割り出されていく。

詳しくは説明できないが、順位は単に「物を売った数」だけではなく、さまざまなカテゴリーが存在し、社員としての総合能力みたいなものを評価される。

当然、高い順位であれば待遇は良くなるし、低い順位であれば白い目で見られてしまう。

人生、勝負で溢れている。

初めてライブに出た19歳から今まで、ずっと何か、勝負の渦中にいる。

商談を終えたあと、電車の中でネタを調整しながらバトルライブへ向かう。

「負けても経験になるから!」という考えがどうしても嫌いで、毎日ムキになっている。

勝負のない人生なんて存在するんだろうか、僕には想像つかない。

4月28日、ツーマンの稽古を終えて、荻野さんと電車で帰っていた。

荻野さんとは、大学生の頃からずっと戦っている。

大学芸会でも、NOROSHIでも、HIKIGANEでも、KOCでも、若武者でも、ずっと戦ってきた。

山手線の中で「人生、勝負が多くないですか?」と聞いてみた。
荻野さんは「確かにね」と共感してくれた。

特に荻野さんがそう感じてくれてたことに安心した。
勝負に疲れるという感覚がある、僕も荻野さんも戦闘狂ではない。

さて、この先、勝負の山から解放される日は来るんだろうか。

全ての勝負から解放されて、柔らかい風が吹く丘の上、荻野さんと雲を眺めながらホットミルクを飲む日。

どうだろう。

みなさんは、勝負をどれくらい抱えてますか。

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