9/14(土)不仲であればあるほど

水と油。
父方の祖父母のことだ。2人揃って齢90を超えるにも関わらず、いまだに仲が悪い。
お互い歳の割にはとても元気で頭もまあしっかりして2人で長生きして暮らしている。理想的に見える夫婦にひとつだけ欠点があるとすれば「仲が悪いこと」なのである。

世の中の夫婦の数だけ夫婦の在り方はあるのだと思う。それにしたってこの2人はなんで一緒になったのかなと思うほど気が合わないまま夫婦を長いことしている。結婚して70年近くになるのに歩調はまるで合っていない。

お互いほんの何気ない一言が引き金になり言い合いが始まる。私や私の両親の前であってもお構いなしだ。
まったく困ったものである。

生涯未婚率が上がっているだのなんだのと言われているが、仮に結婚したとしてもあんな未来が待っている可能性もあると思うとちょっとなぁと思ってしまう。先だって思いやられる。あんなのを見ていればやっぱ結婚なんてしなくていいかもなと、かえって開き直ってのんきに一人旅にでも出ようかなという気にさえなってくる。


こう考えると、人生合わないものはとことん合わない。たとえ時間が豊富にあって一緒に長く暮らしたとしても、わかり合えないものはずっと分かり合えない。残念だけれど。祖父母の場合はさっさと別れて新しい人生を歩みましょうというにはもう遅すぎる。二進も三進もいかないのだ。

腐れ縁である。繋がりを腐敗させて悪臭を放ちながら共存しあう。そんな夫婦の在り方もあるのだ。

こうして考えてみると祖父母には「謝る」という概念はあるんだろうか。「お父さん、私が悪かったわよ」「俺が言い過ぎたわ」二人の間でそんな言葉を交わすなんてまったく想像がつかない。
今度聞いてみたい気もするがこちらにまで火の粉が飛んできては面倒なので対岸で眺めていようと思います。


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