読書メモ: 心理的安全性のつくりかた

読むモチベーション

大きな成果を出せるチームとは、どういったチームなのか?ということをずっと考えている。
その一つのキーワードとして、"心理的安全性"。
Googleの社内調査でも心理的安全性が高いチームは効率的であるらしい。
リーダーとして、心理的安全性をどのように生み出せばいいのか、を考える上で参考にしたい。

感想(読みながら考えたこと)

心理的「非」安全で受ける罰の例が面白い。
罰と言っても、減給やクビといったものだけでなく、「まわりにネガティブに思われるかも」というのも罰の一つ。私はこれを何となくは分かっていたように思うが、明確には意識していなかった。面白い。
エドモンドソン教授の「無知」、「無能」、「邪魔」、「否定的」という4つの分類は分かりやすい。そういった評価をチームメンバーからされるかもしれない、と思ってしまうチームは心理的安全性がない、ということか。つまり、何か他の人の発言に対して、上記の4つの感情をもったり、そういう評価をしたら、心理的安全性を阻害しているといえそう。

「チームの学習が促進される」というのが、心理的安全性のメリットとして書かれている。
確かに、それはそう、と私も思うけど、明示的ではなかったな。心理的安全性だったら、なんとなくパフォーマンスが上がる、程度の感覚だった。これは良い観点。なんで?というところをしっかり読みたい。
これと「学習サイクルを高速に回す」ということを組み合わせたら、効果が大きそう。PdMとして学習サイクルを早くすることは明示的に意識して取り組んでいるが、「チームの学習」という観点が私には乏しかった。

リーダーが「まぁこれくらいでいいか」といった仕事を見過ごしては行けない。
これは、何となく分かる。ストレッチな目標設定をして、途中で難しいと思っても、粘り強く試行錯誤を行う必要がある。これと心理的安全性はどう関係あるの? 「ヌルい」の逆として出てきたのかな? なるほど、チームのポジションニングを心理的安全性と仕事の基準の2軸で分類すると、左上が「学習する職場」ということになるのか。

日本版の因子は役に立ちそう。
確かに日本とUSは、職場環境や制度などが大きく異なりそうだから、そのまま因子を持ってくるより独自のものを考えたのは良さそう。
「空気を読む」ことを求められる組織は良くないよね。みんなが盛り上がっているときに、反対意見を言いづらい。
「経験レベル差」により、「話しやすさ」が削がれるというパターンはよく分かる。例えば、私と新卒だと、業務知識だけでなく、社内事情などの知識にも差がでるから、そういった領域で反対意見をいうのは辛そう。じゃあ、どうすればいいのか?

営業エースがパワハラ問題を起こしても、口頭注意だけでお咎めなしだったら、売上を上げていれば良いと周りは思う。
これは他の本でも読んだな。そうなんだよね。こういう場合ってどうすれば良いんだろうな。このような組織の歴史があるうえで、「売上を上げれば何でも良い」という考えを変えるにはどうすれば良いんだろう? 「行動分析」や「言語行動」が役に立つのか。
組織には慣性の法則が働く、というのはよく分かる。違うやり方を取り入れるのはかなり難しい。そういう意味では、トップが変われば、やり方も変わる今の組織のやり方はすごい。基本、「説明責任が果たせる範囲で自由にやっていいよ」というのは、ある程度ワークしそう。

リーダーとリーダシップは違う。
それはそう。私がリーダーをしている組織では、よく「リーダーシップを期待している」ということを伝えている。そのために下記の本をメンバーに勧めている(場合によってはプレゼントしている)

心理的柔軟なリーダーシップが、心理的安全には重要だとしても、かなり難しい。
4つのリーダーシップの型を適宜使い分けるというのは難易度高いと私は思う。特に私はサーヴァント・リーダーシップはあまり好きじゃない。と思いつつ、ひょっとして、私は「サーヴァントリーダーシップ」を誤解しているのかもしれない。今度、ちゃんとした本を読もう。

行動にフォーカスするのは良さそう。
心とか性格ではなく、行動に注目する。「プレゼンに自信がない」といったときに、「自信を持て」ではなく、「大きな声で話す」など、自信があるように見える行動を行う、というように行動にフォーカスを当てる。ただ、行動も状況や立場に応じて、役に立つかは変わる。
心理的柔軟なリーダーシップも、行動にフォーカスを当てるとできるものなのかな? 

4つの因子の「話しやすさ」、「助け合い」、「挑戦」、「新規歓迎」というのは今後意識したい。
これらに紐づく行動を増やすことが、リーダーの仕事。この定義はわかりやすい。カルチャーとか組織構造とかを変えるのは難しいが、これらの行動を増やすのは個人でもしやすいし、メンバーもリーダーシップが発揮しやすいと思う。
変えられるものに取り組むことはできそう。変えられないものは変えられないものとして、受け入れつつ、他にフォーカスを持っていく。

あー私ができないやつだ。嫌な気持ちをコントロールするのではなく、受け入れる。
嫌なことがあると、まぁお酒をいっぱい飲むよね。退屈なときや物足りないときに暴食したらり。
こういうことを繰り返して行っている人がチームに多いと、悪い影響がでるのか。まじか。
受け入れ方がいまいちわからない。専門の本を読むしかなさそう。

大切なことへ向かい、変えられるものに取り組む
そのためには、「大切なことを言語化」「そのための具体的な行動」に取り組む必要がある。

行動分析をすることによって、望ましい行動を増やす、望ましくない行動を減らすことができる。
増やしたい行動は、
① 話しやすさ: 話す・聞く
② 助け合い: 助けを求める・助ける
③ 挑戦: 挑戦する・歓迎する、機会を与える・機会を掴む
④ 新規歓迎: 個性を発揮する・個性を歓迎する・適切な配置をする

そのために、「きっかけ → 行動 → みかえり」を分析する。

まずは試行錯誤しないと、個別の事例がうまく理解できない。
今まで「フラットな組織」を意識していが、ここまで明示的に「心理的安全性」の作り方を意識していなかった。まずは、望ましい行動を増やすためにできることを行う、嫌な気持ちを受け入れる、ところから始める。




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