7/16

正午と、午後4時に人に会った。人と会う約束は用件の如何を問わず1日に2件が上限だと感じた。そのくらい人と会わない生活を続けてきたのだと思うと、もはや感慨深くさえある。

久しぶりの晴れ間。洗濯を干しに干して、久方ぶりに乾燥機にかけてもいまいち乾きづらい肌掛けまで洗えてとても満足した。湿気も少なく、アジアではないかのような気候で過ごしやすい。しかし予報によれば明日は雨だというのだから油断ならない。

『日々雑記』、昭和天皇崩御の頃に書かれた項を読む。この時の記憶は現在38歳の私にもくっきりとある。母が、テレビをつけてはため息まじりに「ビデオがあればよかったのだけど」とつぶやいていた。私はその時に「ビデオ」というものの存在を初めて認識した。

それからほどなくして私の小学校入学に合わせて引っ越しをし、それとほぼ同時期にビデオ(正確にはビデオデッキ)もわが家にやってきた。最初の方は5歳年下の妹と『アンパンマン』ばかり観ていたのを今でもよく覚えている。『アンパンマン』が元々特別好きだったわけではないが、自分たちの好きな時にそれを再生できることがあまりにも魅力的だったので、同作は私の中で長らく高い地位を占めていた。