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歯医者の帰り、道の角でいかにも可愛らしいトイプードル(とその飼い主のマダム)とすれ違う。向こうの方からやってくる、お孫さんらしき小学生の坊やを待っている様子。挨拶をしてみたが、特に反応なし。それにしても可愛かったなと思いながら歩き出すと、背後から、なんとも言えない捻り出すような「クィャャャャャャヒャン」という声が聞こえてきた。振り返ってみると、強風に吹かれてクルクルの毛で覆われた耳が互い違いの方向に浮かび上がっていた。

薬局に立ち寄り、ポイントをプライベートブランドの漂白剤と交換。家までの道すがら、今度はおばあさんが家の前の柵に干していたマット数枚を取り込んでいるのに遭遇する。目が合ったので、こんにちは!と挨拶してみると、こんちは、風が出てきて寒いねえ、との返答。寒いですよねえ、と返しながら立ち去る。

そういえば、今日は姿が見えなかったが、こちらのお宅にはシーズーやマルチーズといった昭和生まれには少し懐かしい種類の犬が幾匹かおられるのだった。数週間前にこの家の前を通った際、通りに面した出窓のスペースに3匹ほどがぎゅうぎゅう詰めの状態で、外にいる不審者(私)に勢いよく吠え立てていた。おばあさんの頭上に『猛犬に注意』の白いプラスチック製の板が貼り付けてあるのに気が付いて、そのことを思い出した。