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婦人科検診のため居住エリアで最も大きい病院へ行く。病棟ではなく健診センターのみの利用だから、病院ぎらいの私でも今日はさほど気が重くない。

受付を終えて待合に入ると、椅子の上にソニー製の白いCDラジカセが置いてあった。クラシック音楽が流されている。今日はモーツァルトのバイオリン協奏曲第3番、らしい(Shazam調べ。クラシック音楽は音量の波が大きいから読み取りに時間を要した)。

名前を呼ばれ、中に入る。淡々と検査をされるのみかと思いきや、年配の女性医師が今日検査を受ける病気についての詳しい説明と、健康的な生活を送るためのアドバイスをしてくれる。後者の内容には彼女の価値観が色濃く反映されていて、そのことが興味深い。亜麻仁油っておいしいのだろうか。

予想より痛くはなくかと言って全く痛みがないわけではない、という結果で今日の私の大仕事が終わった。渡されたカルテを手に受付へ向かおうと廊下を歩き出してすぐ、職員の方に呼び止められる。「あ、そうか」と小さくつぶやいてから、「受付の椅子に座ってお待ちくださいね」と言われる。

さっきの人の顔に一瞬疑問符が浮かんだように感じたのはなぜだろう。そう考えながら着席し、なんとなく周りを見渡してみたら、私の疑問は氷解した。今日着てきた焦げ茶色の襟なしブラウスとベージュのチノパンツという組み合わせが、ここの検査着(複数の検査を受ける人が着るものらしい)の見た目にそっくりなのだ。

なるほどという気持ちと、服飾センスに対する自信の揺らぎとを抱えながら受付にて千円を支払う。領収書とともに渡された伊藤園おーいお茶280ミリリットル(サービス品)をありがたく受け取る。

エレベーターで1階まで下り、売店へ。病院への行き方を調べた時、Googleのクチコミに院内売店の焼きたてメロンパン(130円)が美味しいと書いてあったのを見かけていたから、それを試しに買って帰った。