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日曜日。ひさしぶりに厚切りステーキのお店で昼食をとり、腹ごなしに歩行者天国をたのしむ。

じぶんとこの街との心理的距離は、日に日に開いてゆきつつある。見慣れた大通りの風景も、いまは少しちがって見えるかもしれない。そんなことを考えてみたりしたものの、実際は特になんの変化もなかった(少なくとも、きょうのところは)。

開店時刻の14時になる少し前にショッピングセンターへ到着したら、白い頭巾をかぶった飲食店の女の子が歌を口ずさみながら歩き過ぎていった。まだ客もまばらな静かな廊下に、美声がよく響く。開店前のこの場所には音響効果が期待できると知っていて、それをたのしんでいるような雰囲気があった。

どこにいようとも、その場の空気をじぶんのものにできる。わたしはそんなひとがとても好きなので、遭遇できて妙にうれしくなってしまった。