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【コラム】暮らしに寄りそう仏教の言葉⑦「学生(がくせい)」

私たちの暮らしの中には、実はたくさんの仏教用語が溶け込んでいます。
その言葉たちの本来の意味を紐解いていきましょう。

今回ご紹介する言葉は「学生(がくせい)」です。最近では働きながら、または退職後に学校に入学し、学生として学びを深める方も多くいらっしゃるようです。

仏教では、「ガクショウ」と読み、「学匠」とも書きます。もとは寺院に寄寓(きぐう・仮住まい)し、仏教以外の学問を学ぶ者に名づけられたようですが、日本仏教界では、仏教を学ぶ者に用いています。
(中略)
親鸞聖人は堂僧であったと伝えられています。常行堂(じょうぎょうどう)に奉仕しながら、常行三昧(じょうぎょうざんまい)を修める不断念仏僧(ふだんねんぶつそう)だったようです。

『くらしの仏教語豆事典(上)』(本願寺出版社/著:辻本敬順)より引用

堂僧…比叡山の常行堂(常行三昧)で不断念仏をもっぱら修める役を担う僧侶
不断念仏…7日間、昼夜不断に念仏を唱えること

<お坊さんから一言>

学生の時はテストや宿題などがあるため、毎日が勉強です。その時は大変だなと思っていても、自分が苦労して得た知識や考え方は、自分自身を助けてくれたりするものです。社会人になると忙しさを言い訳に、勉強から遠ざかってしまうものですが、新しい知識や考え方に触れることで、きっと新たな側面から物事を考えることが出来るようになるはずです。テストや宿題がない大人になっても「学生(学び生きる人)」でありたいものです。