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1年の”おすす”を落として、心新たに新年を迎える「御煤払」

西本願寺では新年を迎えるにあたり、毎年12月20日に御煤払(おすすはらい)を行っています。国宝の阿弥陀堂や御影堂などに溜まった1年のほこりを払う様子は、京都の年末の風物詩となっています。

御煤払(おすすはらい)とは?

西本願寺の第8代蓮如上人(1415〜1499)の時代から500年以上も行われている伝統行事です。90cmほどある煤竹(すすだけ)と呼ばれる棒で畳を叩き、埃(煤・すす)を舞い上がらせ、すかさず210cm×115cm、重さが約2kgの大きなうちわで扇ぎ出します。

門信徒(信者のこと)をはじめ、西本願寺の門前町のお店の方、 職員・勤式(ごんしき)研究生(お勤めの勉強をしている僧侶)の他、多くの一般の参加者の方が参加されます。毎年500人ほどが参加する人気の行事です。

御煤払の日は午前5時20分に開門し、5時30分から朝のお勤め(晨朝勤行・じんじょうごんぎょう)を行います。そして、朝のお勤め終了後、7時頃から1時間ほど、御煤払を行います。仏具を外に出し、障子も全て外してから清掃を始め、およそ30分ほど行います。

「皆さんが参拝に来られて手を合わせていく中で積もっていく煤だから、『御煤(おすす)』と敬って言うようになったと聞いたことがあります。参加者が一列になって、一斉に畳を叩きながら進む様子は圧巻です。静寂の中に、畳を叩く音だけが聞こえてくる。この空気感は御煤払ならではですね」(西本願寺 参拝教化部・伊東 俊裕さん)

「障子も全て外して行うので、朝日が途中からお堂の中に差し込んできます。舞い上がった埃に光が反射して、キラキラ光るんですよ。埃ですが、不思議ときれいだなと感じます。それと同時に『塵も積もれば山となる』という言葉を身をもって感じる日でもあります。これからも毎日毎日、お堂を丁寧に清掃しなくてはと気が引き締まります」(西本願寺 式務部・高柳 智徳さん)

お寺のお堂を清掃する、とても貴重な機会。お堂の煤を払いながら、すっきりとした気持ちで新年を迎えたいですね。

御煤払に参加するには

日時:2023(令和5)年12月20日(水) 午前7時頃より
※朝のおつとめ(晨朝)から参加される方は、午前5時30分より
※朝のおつとめは自由参拝

参加費:無料

受付:当日、龍虎殿1階ロビーにて直接お申込みください。
※午前5時20分に開門いたします。6時30分頃までに受付をお済ませください。
※朝のおつとめに参加される方は、先に受付をお済ませいただき、ご参拝ください。

服装:衣服の汚れや動きやすさ、防寒を考慮した服装でご参加ください。

問い合わせ先
本願寺 参拝教化部
電話:075-371-5181(代)  
FAX:075-371-7601

境内図

記念品
参加された皆様には、毎年記念品のタオルを配布しています。今年は西本願寺のブランドマーク完成に伴い、デザインを一新しました。西本願寺の阿弥陀堂と御影堂の二つのお堂と境内の大イチョウの葉をモチーフにしたデザインが描かれています。

<御煤払・紹介動画>