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バターの個体差を歓迎する『Butters』のクラフトバターケーキ。

こんにちは、HiOLIの代表 西尾です。
今年2020年4月8日より『HiO ICE CREAM』 の姉妹ブランドとして、クラフトバタースイーツの『Butters』をスタートします。前回のnoteでは、『Butters』で大切にしている言葉「NEW TRADITIONAL CRAFT」について書かせていただきましたが、今回は主役である「バター」について書こうと思います。

バターとバターの副産物に焦点を当てる

『Butters』は、バターとバターを作るうえで発生する脱脂乳やバターミルクといった副産物が主役のお菓子を作っていきます。

どうしてバターとバターの副産物に着目したか。きっかけは、HiO ICE CREAMのメニュー開発でした。フレーバーのひとつにバター使ったアイスを考え、バターはどうやってできるのか、そもそもバター不足ってなんでだろう?というところに興味を持ち、調べていきました。

数年前にバター不足で価格が高騰しているとニュースになりました。ご存知の方も多いかと思いますが、バター不足は「牛をもっと飼育してたくさん牛乳を作れば良い」などという単純な問題ではないようです。

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バターの作る原料は生乳で、生乳から加工される加工品のひとつです。生乳から飲料としての牛乳やチーズなどの加工品を作るため、すべてをバターとして加工するわけにはいきません。

バター作りを簡単に説明すると、生乳を遠心分離し乳脂肪分35~40%のクリームに分離し(この時点で乳脂肪分がなくなった脱脂乳が産まれます)、5度前後のタンクで8~12時間のエージングを経ます。エージングしたクリームを激しく撹拌することで大豆程度の大きさのバター粒とそれ以外のバターミルクと呼ばれる液体分に分けられ、バター粒を練り上げられバターとして完成します。

この脱脂乳やバターミルクが副産物で、1kgのバターを作るのに脱脂乳だけで20kg超という割合で大量の副産物が発生します。

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HiO ICE CREAMを立ち上げる際、全国40箇所を超える酪農家を回りましたが、ある牧場を訪問した際、牛の出産に立ち会う機会がありました。母牛が必死に出産している姿、産まれた子牛が立ち上がるまで後ろからサポートしている姿を見る中で、僕たちが普段飲んでいる牛乳は大切な子牛のためのミルクを分けてもらっているという意識が芽生えました。

そして、バターを使ったアイスクリームやお菓子を作る上で、バターだけでなく副産物も含めて一緒においしく使い切れないだろうかと思うようになりました。

世界的に見ると人口増加とともにバターが不足していく可能性がある中で、微力かもしれませんが副産物もおいしく使うお菓子を作れば、バターを作り続けることができ、結果的に次の世代にも自然の恵みをつなげることができるのではと考えています。

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個体差を良しとすること

僕たちは大量生産・大量消費ではなく、需要と向き合いながらできる範囲で手作りの良さを少しずつ量産化する『中量生産・中量消費』を目指しています。また、手作りによる個体差が商品に現れることは仕方ないことであり、ひとつの”アジ”にもなるので良しとしています。

日本のみならず世界各地で様々なバターが作られていますが、香りがとても豊かだったり、コクがあったり、味の濃さ・薄さがあったり、それぞれに特徴があります。大量生産を行うためには、様々な種類・産地のバターを買い集め、商品を作ることになります。混ぜて使うよさもありますが、個々の特徴は楽しめません。

僕たちはバターの産地の特徴や個体差を歓迎し、素材本来の良さを引き出した商品を作ります。『Craft Butter Cake(クラフトバターケーキ)』はイギリス・ジャージー島のジャージーバターを使用していますが、ジャージー島の搾乳できる牛が約3,000頭で、その牛たちから作れるバターの製造量には限界があります。いつかジャージー島以外のバターで、Craft Butter Cakeを作る日がくるかもしれません。その時は、同じ製法でも微妙に異なる風味や味となるはずですので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

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Craft Butter Cakeで使用するジャージーバターは、イギリス・ジャージー島で血統管理されているジャージー牛の原種から作られたバターです。個体差を良しとする僕たちのお菓子にとって、主役であるバターは味を左右する最も大切なもの。2月に産地を訪れ、香り豊かで濃いバターができた理由を探りに行きました。ジャージー島の話は、また次回に書かせていただきます。

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大切な人に何を伝えていくのか

「次の世代に残していくお菓子を作りたい」という気持ちから、クラフトスイーツカンパニーのHiOLIを立ち上げました。僕自身、子どもが生まれたことをきっかけに、食に対する意識が変わり、どこの産地でどのような生産者さんがどういった想いで野菜や果物、素材を作っているのか、その生産背景や信念みたいなものに興味を持つようにになりました。

自家需要はもちろんのこと、大切な人への手土産や贈り物に使われることが多いお菓子なので、購入する人と召し上がる方が必ずしも一致せず、大人同士の贈り物の先にはお子さんがいるケースがあろうかと思います。

お菓子を作る上で、できるだけ人工的な添加物には頼らず天然由来の物を使用し、次の時代を担う世代に向けて自信をもって素材そのものの味残してあげられるモノづくりを追及していきたいと考えています。

■Butters期間限定店のご紹介

Buttersは、2020年4月8日(水)より大丸東京店にて販売開始いたします。皆さまのお越しをお待ちしております。

場所:大丸東京店 1F特設会場(MVPスイーツ)
    (〒100-6701 東京都千代田区丸の内1-9-1)

期間:4月8日(水)~14日(火)、5月27日(水)~6月9日(火)
販売商品:クラフトバターケーキ

WEBサイト :https://butters.farm
Instgram :https://www.instagram.com/craft_butters
Twitter: https://twitter.com/craft_butters

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