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[ー閉ざされた世界ー]第19話

[黒川丈太郎VS権藤仁]
(登場人物)
黒川丈太郎
権藤仁
東俊明
荒谷宏明
管理者ミカエル

場面:工場の外
同じ位の覇気を纏う黒川と権藤が睨み合う。

黒川「(シュシュと小型ナイフを構え、力を込める)あなたには色々と教わってますが、手加減できませんぜ。」
権藤「やる気だな…こっちもやるからには手加減はしねぇ(周りを瞬時に確認する)《武器になりそうなのは……ねぇな…なら、》(拳を前に出す)この拳が俺を守る矛になる。」
黒川「変わりませんね……(グッと力を込めながら)行きますよ!(権藤に突撃する。)」
権藤「(構えながら)来い!」

両者がぶつかり、黒川のナイフの連撃が始まる。
権藤は、両腕で防御する。
権藤の身体は擦り傷を負っていく。

黒川「(連撃の手を止め、瞬時に後ろに下がる)傷だらけになりましたね。」
権藤「(グンッと向かいながら)こんな傷…ただのかすり傷だ…(拳に力を入れる)次は俺だ!」
黒川「は⁈早っ!《防御する。》」
権藤「(瞬間的に近くに寄り)拳骨…殴乱!」
黒川「⁈」

黒川が何かを感じ取り、2本のナイフを顔の前でクロスしガードの構えになる。
権藤が、凄まじい勢いで殴り始める。

黒川「(打たれながら)《やば!拳が…重いな〜折れた骨が……だけどな…》俺は、其処だにいる奴らと一緒にすんなよ!(攻撃を受けながら1本のナイフを縦にし力を込める。)千手針‼︎(黒川の地面から針が現れる)」
権藤「(攻撃の手を瞬時に止め)おっと!(後ろに下がる)」
黒川「(手を止めず)地獄針
‼︎(2人の周りに無数の針を生やしだす。)」
権藤「おい…俺は針を刺しに来たわけじゃねぇぞ。(目の前に生えた針を拳の風圧で薙ぎ倒し、グンッと前に出る)」
黒川「あ、早!……まずい(両腕を前に出し)針の防御壁
‼︎
権藤「防御するのは、詠んでた。だが…どんな壁でもこの拳は……止まんねぇ
‼︎………拳石(ロック)‼︎
黒川「く!」

権藤は、防御壁をドゴドゴっと破壊し、黒川の身体に近づき破壊する勢いのままに打ち込まれるが、手ごたえがない。

権藤「ん⁈」
黒川「くぅ!《あっぶねぇ!腹に力が入れてなかったら……》」
権藤「(間髪入れず、懐に入る)……ならこれはどうだ…(さらに、拳に力を込め、黒川に一撃を込める)フン
‼︎
黒川「どわ!(吹き飛ぶが、何とか踏ん張り立つ)はぁ…(ナイフを構える)地獄…(スンッと前に出る)突き
‼︎
権藤「《単調…何か別に》
⁉︎

黒川の周りから追撃するように針が飛び出る。
その攻撃を擦り傷を付けながら避ける。

黒川「…避けますねー」
権藤「(徐に話しだす)お前らは、能力を持ちながら何故、弱き者を虐げる…共に助け合い過ごそうとは思わんのか?」
黒川「助け合う?ふふふ…この世界で助け合いなど……無用だ…それに、能力を持たない人間は虐げられ生きていくしかないんですよ。」
権藤「はぁ〜(グッと全身に力を込める)…お前の目を覚まさせる。」
黒川「何を言って…《ん?何だ…雰囲気が…覇気が……》」
権藤「ふーーぅぅぅ(静かにスタートを切り、黒川の近くに寄る)」
黒川「《うぉ⁈早っ!まずい!防…御…っ!》」

権藤は、凄まじい勢いのラッシュが始める。黒川は、なす術なく打たれ始める。

黒川「《…何って速さだ……避けられねぇ…》ぐ!」
権藤「(打ち続けながら)《この距離から…絶対離さねぇ!》はーー」
黒川「(打ち込まれながら)《離れ…離れねぇ…と》ぐは!」
権藤「《……!》(さらに、グッと力を込める)はぁ〜!……インパクト(衝撃)
‼︎(黒川の腹にドスンと当たる。)」
黒川「ぐ!」
権藤「(さらに力を入れ)おりゃ
‼︎(吹き飛ばすかのように押し込んだ。)」
黒川「あぁぁ!(後ろに勢いよく飛ばされ仰向けに倒れる。)」

権藤の覇気が通常にもどり、黒川の近くに行く。

権藤「はぁ〜はぁ〜……」
黒川「(ゆっくりと立ち上がる)…ぐふ!」
権藤「……」
黒川「《くそ、立ち上がるだけで精一杯かよ……俺もまだまだだな………》や、やりますね……今も…まだ腹が痺れてますよ…。」
権藤「(静かに話しだす)それにしては、少しずつだが回復してるな…」
黒川「(腹をゆっくり摩りながら)何で分かるんですか?まぁ、良いや…これぐらいはすぐですよ……でもね、骨はまだくっつけられてないんですよ…」
権藤「それは知らねぇが……俺は、この拳に伝えたいことをお前の身体に叩き込んだ…少々荒行だったがお前は、どうだ?」
黒川「どう?って……今チャンスですよ…トドメ刺さねぇと……また回復したらあなた方を襲いに行きますよ。」
権藤「はぁ〜また来るなら……今日以上にどついてやるよ。」
黒川「……ふん、厳しいな〜(少し考え、ゆっくり仰向けに倒れる)はぁ〜〜この状態じゃ荒谷の所に戻れねぇな………」
権藤「(少し間があり、ゆっくり来た方向に振り向いて歩いていく)俺は、行くぞ。」
黒川「………負け…ました。」
権藤「(振り返らず立ち止まり)異論はねぇな?」
黒川「……無いですよ…」
権藤「…(再び黙って歩きだす。)」

場面変更:別の場所(南区の大きなドーム前)
何かを待っている荒谷が立っている。

荒谷「黒川……お前殺られたのか?………」

権藤が、いなくなってから近くの工場の爆破音を聞きながら仰向けでボーとしている。黒川が、ボソッと

黒川「…まだ、駄目だな……(身体に少しだけ力を入れ)ニードル・ドーム(地面から柔らかくなった針が黒川の身体を覆う)これで、少しは静かに休める。」

場面が変わり、権藤がゆっくり歩いていると、東が走ってくる。

東「あ!権藤さん!」
権藤「おぉ…東さんか。」
東「どうしたんですか?こんな傷だらけで」
権藤「……別にかすり傷ですよ…それより、少し肩を貸してもらいますか?」
東「いくらでも貸しますよ。」

肩を貸してゆっくり歩きだす。
権藤が、ボソッと話す。

権藤「さっき、黒川との勝負に勝ったよ。」
東「え⁈黒川に⁈」
権藤「ただ…生きてるぞ。」
東「え⁈生きてる⁈」
権藤「…まぁ、生きてるが…もうアイツは大丈夫です。」
東「え⁈どう…」
権藤「……帰ったら説明しますね。」
東「は、はい。」

東は、軽くパニックになりながらもアジトまでの道を歩いて行った。
さらに場面が変わり、世界とは違う場所。
管理者ミカエルが不敵な笑みを浮かべている。

ミカエル「ふ〜〜ん♪……とうとう1人になっちゃったね…荒谷宏明くん…クスン…(ケロッとなり)もう時期だね♪……それと………」

ミカエルが、何か大量の何かを見て世界の様子を再びニヤニヤしながら見ている。


次回:特別編[竹藪の中の集落]


「またちょっと長くなりました。
次回は、少〜し平和な回を書きます。」

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