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[ー閉ざされた世界ー]第7話

[東区防衛部緊急会議]
(登場人物)
岩谷赤也
東俊明
権藤仁
田村英次
木下基木(きのしたもとき)
ヒロキ
板屋

スタスタとアジトを出る板屋。それを、追いかける岩谷 

岩谷「じゃあ気をつけてな。」
板屋「あぁ〜死なない程度に調査してくるわ〜〜」
岩谷「あぁ〜」
板屋「何か分かったら直接か…無線で伝えるわぁ〜〜」

板屋は、ノソノソと歩いていった。板屋を見送って岩谷は、アジトの皆がいる部屋に入っていく。

岩谷「みんな聞いてくれ……知ってると思うが、アジトが南に襲撃された。」

岩谷の一言で、会議室の雰囲気が重たく変わる。
岩谷が、話を続ける。

岩谷「しかも、襲撃班の筆頭に荒谷がいた。それと……襲撃をしてきた人たちは奴らが抱えているであろう…奴隷化された者たちが行かされていた。俺は、その人たちを……」
田村「リーダー〜それは言わんで良いって。俺もその場に居ながら助けられなかっただから。」
岩谷「田村…すまない。」

少し場の雰囲気が暗くなる。そこに、ゆっくりとヒロキが手を挙げる。

ヒロキ「あのぅ〜」
岩谷「おぅ、どうした?」
田村「(岩谷に)誰だ?」
東「(田村の問いに答える)最近ここに入ったヒロキだ。」
田村「へぇ〜〜そうなのか宜しく。」
ヒロキ「あ、宜しくお願いします。」
岩谷「そんで、何か質問だろう?」
ヒロキ「あ、はい……その…荒谷っていう人は誰ですか?」

少し重たい空気が流れたが、岩谷が話し始める。

岩谷「ヒロキには話しとかないとな……荒谷は…もとは俺たちと一緒に居た仲間だったんだ。」
ヒロキ「え?(チラッと東を見ると頷いている。)どういうことですか?そんな人がなぜうちを襲いに来たんですか?」

東が、徐に口を開いた。

東「襲撃するのは、今回だけじゃないんだよ。荒谷率いる[悪童(あくどう)]とは長い間争いが絶えないんだよな。」
岩谷「(怒気がこもる)ただ…今回あいつがしたことは許されないことだ。(少し間があり)…南区……悪童と全面的に大喧嘩をする。」
権藤「等々…ですか…」
田村「まじか……喧嘩…か…まぁ〜あちらさんから先に手を出してきたんなら……手荒ですけど…仕方ないっすね。」
東「……」
木下「岩さん第1・2支部に連絡しときますね。」
岩谷「あぁ、頼む。」
木下「そうと決まれば…(別室に向かう)」
岩谷「……ひとまず相手の出方を見るが、ヒロキ、俺、権藤さん、東…」
東「(遮るように)俺は、前線で良いよ。」
岩谷「いや、何でだ。」
東「お前がアジトに入ればみんな安心だろう。」
岩谷「だけど…」
東「毎回そうしてたろ。今回もだ。」
岩谷「……分かった。それじゃあひとまず…アジト護衛を権藤さん、ヒロキ、基木、田村、俺……俺は、場合によっては前線に出る。もし、さらに悪化しそうならその時はいつでも出れるようにしてくれ。」
権藤「分かりました。」
田村「うっす。あ、田村にも伝えておきます。」
ヒロキ「…はい。」

少し間があり。岩谷が一言。

岩谷「みんな……無理はするなよ。」

決意を新たに南と東の大喧嘩が始まる。


次回:第8話[東区防衛第1支部襲来。]

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