[ー閉ざされた世界ー]第7話
[西区下層エリア代表幹部:宮城八雲]
(登場人物)
板屋
宮城八雲(みやぎやくも)
妹分:宮咲公香(みやさききみか)
場面:西区内をかなり進み、目の前に周りは有刺鉄線が引かれ検問所のようになっている場所に着いた。
板屋は、検問から見えない位置に隠れながら
板屋「ここか……いや(グゥッと視野を拡げ見渡し)ここは、入り口か……もっと先があるな…さて、どうするかな?(周りを見渡しながら)有刺鉄線…入り口はあそこだけか…周りには人がいる…まぁ、まずは(片手に力を入れる)ミニサソリ(手のひらに小さなサソリを生成した)まずはこいつで表面だけ(スタスタ歩き、有刺鉄線の5歩ぐらいで立ち止まり)こいつならたぶん…通る」
ミニサソリが、有刺鉄線の隙間をスイっと通る。
板屋「よし…(後ろに下がりながら)後は、(片目を瞑り)初見調査開始。」
ミニサソリが、スタスタと歩き出す。サソリの、目線を板屋は見ている。
板屋は、観察しながら自分の中で確認する。
板屋「《この調査は、1に権藤さんを殺った奴を見つけることだが、この西区の内情をできる限り調査する。それにしても……(ミニサソリと連動しながら)荒れてる…住んでいる人たちもどこか……》もう少し奥に行ってみるか?」
ミニサソリを、周り気にしながら進ませていると目の前に少し立派な検問所が遠くに見えた。
板屋「(片目を瞑りながら)ほぉ〜《あれは…あそこから別の場所に行けるか……記憶。》お?誰か歩いてくる」
宮咲「ふぅ〜(手に持った拡声器で)みっなさ〜ん〜!もう時期あなた達の支払いが迫ってますよ〜〜。(少し息を整え)遅れたら…色々怖いよーー!」
奥から気怠そうに宮城が歩いてくる。
宮城「あんたアバウトだね!それと、公香〜〜私は、そんなに怖いかい?」
宮咲「(あわあわしながら)いえいえ!八雲姉のことじゃないよ💦」
宮城「じゃあ、木嶋…さん?」
宮咲「(もっとあわあわしながら)木嶋さんでもないですよ。(すごい小声で)そんなこと言ったら殺される」
宮城「(落ち着きながら宮咲から拡声器を手に取り)とはいえ支払いが遅れるとなると……あんた達の命何て紙切れ位何だから……遅れるんじゃないよ。」
宮咲「(拡声器無しで)はい、幹部である宮城八雲さんからのお言葉!ちゃんと聞いたね!……後日支払いに来なさいよ〜〜(少し間があり)以上…終わり!」
宮城と宮咲が話を終えた後、その場にいる人たちはまた慌ただしく動き出す。
板屋「(片目を瞑りながら)《あの2人…1人は、かなり奥に潜ませてるが…覇気がある感じだな……」
宮城「公香…聞いた?……川平さんがかなりの傷を負って帰ってきたんだよ。」
宮咲「はい、周りが慌ただかったので聞きました。」
宮城「(あっけらかんに)まぁ、生きて帰ってくるだから…運だけは良いよね。」
板屋「(サソリ越しに)生きて帰った?まさか、ソイツが⁈いや、まだだ……」
宮城「じゃあ、公香…ここは、任すよ…ワタシは、幹部会に行くから。」
宮咲「はい!分かりました。」
宮城が、立ち去る時チラッと地面を見る。
宮城「《ん?……サソリ⁈》ふん!(腕に少し力を込め、ミニサソリを掴む)はぁ⁈何だ……」
宮咲「どうしました?」
宮城「(背を向けたまま)すまないね〜公香……幹部会少し遅れると伝えてきな」
宮咲「え…(何かを察し)分かりました。(スタスタと早歩きで行く)」
宮城「さて…《これができそうなのが……外か》(シュン!シュン!と検問所近くまで行く。)」
検問所外に出た後、辺りを見渡しゆっくり歩きだした…板屋は被っているモノを少し深々と被り直す。
板屋「やば…!」
宮城「(少し遠目に立ち止まる)オジサン……誰?ここだ辺の者じゃないよね?」
板屋「《まず……まぁ、想定は(懐から何かを目の前に落とした)してる。》」
宮城「!」
2人の辺りが白い煙に覆われる。
宮城は、至って冷静に回りの煙を払う。
宮城「(背中から羽根を生やしている)ふぅ〜(グッと板屋を睨みつける)だから、誰……オジサン…まず、そのフード外して顔見せな。」
板屋「それは、ちょっと…それに俺〜まだまだ若いつもりなんだけどな〜〜ん⁈(何かに気づく)」
宮城「(静かに近づき)外さないなら……無理矢理でも…剥がす!(腕に何かを纏わせながら襲いかかる)フン!」
板屋「うぉ!危な!くぅ〜〜(後ろに大きく下がる)」
宮城「(大きく空振りする)外すか……オジサンちょっとはやるね。(構えながら息をゆっくり吸い始める)スゥーー」
板屋「《来るか……少しでも情報を取りたいが……無理かな?》」
宮城「(グンッと目の前に)お前は…誰だ!顔見せろ‼︎(何かを纏わせた拳を襲いかかる。)」
板屋「うぉ!(ギリギリ避ける)……拳が凶器みたいだ…ん?おっとー(頬に薄く傷ついている。)薄〜く当たってた〜」
宮城「その勢いで、顔も見せなよ……(再び構え)スゥーー(またグッと板屋の前に来る)ハァァーー(掌底を当てようとする。)」
板屋「おっとーー!また急だな〜(懐から苦無を取る)腕切れたらごめんよ!」
両者の攻撃が当たる。板屋は、苦無が当たった感覚がないことに気づき、後ろに下がる。
板屋「ほぅ〜やっぱり纏わせてるよね〜〜《ちょっと時間がかかるか…?》そんじゃあ!一旦…逃げるが何とかってことで(懐から煙玉をポロッと落とす。)」
宮城「また煙……(羽根を羽ばたかせ、煙を晴らした。)ん?逃げるにしては早いな……(辺りを見渡す)まだ…遠くには行ってないか…?まぁ、良いか……一応幹部会で話すか…何かありそう……。」
宮城が、シュンと街の方に飛び去っていく。
居なくなったのを見て、獣化した板屋が瓦礫の隙間から出てきた。
板屋「ふぅ〜行ったか……(自分の姿を見ながら)獣化…久しぶりになるな……まぁ、これから潜入開始だ。(辺りを見て、有刺鉄線がほつれた部分を見つけ)お!ここから行けるじゃん。」
板屋は、偶然ほつれた部分からゆっくりと入り込んだ。
続
次回:8話[定例の西区幹部会]
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