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[ー閉ざされた世界ー]第12話

[〜決着〜 木田VS田村](後編)
(登場人物)
医者
ヒロキ
田村英次
木田類
咲希(木田の幼馴染)

少し時間を遡り、東区本部・病室。
医師と一緒にヒロキが入る。

医師「田村さん…調子はどうですか〜?……あれ?」
ヒロキ「え?どうしました?(様子を見て)あれ?田村…さん……どこに?」
医師「(慌てた様子で)岩谷さんに伝えてきますね。」

医師は、小走りで岩谷の所に向かった。
ヒロキは、病室の辺りを見渡していると

ヒロキ「ん?(地面に落ちた何か拾う)茶色…羽根?(徐に匂いを嗅ぐ)…(開いた窓を見て)ここから出て行ったんだな。」

ヒロキは、チラッとドア側に振り返り、近くにある紙にササっと書いて小さく会釈する。

ヒロキ「……無理はしないで下さいよ。」

窓からサッと出る。走りながら持っている羽根を匂って足に少し能力を使って音もなく走り出した。
場面が変わり、木田の個人アジト。
少々荒れた感じになっている真ん中でお互い武器を構えながらまぁまぁ傷をつけあい睨み合っている。

田村「はぁ〜はぁ〜お前……やる奴だね〜〜また傷だらけになっちゃったよ。」
木田「はぁ〜〜…俺もだわ〜認めたくねぇけど……」
田村「(息を整え、懐から)一旦整えるか?(煙玉のようなモノを地面に)」
木田「くぅ⁈」

両者共に少し離れた。

木田「また、逃げるか!」
田村「逃げる…かよ!(ナイフを一本凄まじいスピードで木田に当てる。)」
木田「おっと!(スンッと避ける)逃げてねぇか…そっちがそう来るなら…おらよ!」

2本のアイスピックの先から色の濁った鋭い水を飛ばした。

田村「(瞬間的に)おいおい…濁り過ぎてね⁈(ギリギリで避ける)」
木田「(馬鹿にした感じで)ギリギリだな〜よく避けた〜そんじゃ、さらに本気出すかな。」

木田は、足に力を込め、足元側が変わる。

田村「ふん、もう一つあるよな。」

木田は、能力を発動後上に飛び上がった

田村「おっと…」
木田「くらえや!(頭上からアイスピックを向けながら)」
田村「く!(ナイフを構える。)やり合うか〜〜」

両者共に連撃し始める。
また少し落ち着き、互いに見合うと田村が質問をする。

田村「そういえばよ、お前能力何なん?ちなみに俺は見ての通りフクロウだ。」
木田「急に何だ?…まぁ良い、一つだけ教えてやるよ…それは…」
田村「ん?(足元が濡れている)おい、攻撃かい!」
木田「くらえや!水針千
‼︎

地面から鋭利な水の槍が田村を襲う。
田村は、急いで急上昇して難を逃れる。

田村「あっぶねぇ〜!……水系なのは分かったが何だ?」
木田「コーティング…」
田村「(姿を見て)お?何だ…頭が長ぇ…なんか見たことあるようでないようで。何だっけ?」
木田「(コーティング後に)さらに付与…これは、俺的にサポート何だけどな。」

木田の姿が、濃い紫色になる。

田村「濃い色だな(チラッと足元を見て)カエルだよな。後は?」
木田「(ニヤニヤしながら)カエルは、正解だ……もう一つは……知る前にお前はこの世界と俺の前から退場だ!」
田村「言うねぇ〜でも、そう簡単には行かねぇけど(一本のナイフに力を込める)ナイフ…付与オッケ。次は……(田村がさらに力を込めると、体が変化させる。)」
木田「おぉ!互いに変化したな。」

田村は、人獣化した。
その姿を見た木田が再び水を張り始める。

木田「変化した後で悪いが……毒水田園‼︎

無数の水の槍が、大量の蛇のように四方八方から田村を襲いだす。田村が、シュン‼︎シュン‼︎と避けるが、少し腹の一部を掠った。

田村「くぅ!…かすり…傷だ!」
木田「ふん!強がりか。まぁ、時期にお前の身体を蝕むことになる。」
田村「は?蝕む?……あぁ〜毒ね…てことは、カエルの種類的に毒性のあるやつだな。」
木田「あぁ〜でも、正解したところでお前は終わりに近づいてるぜ。後……やっぱり死ぬ前に教えといてやる(田村に向かって何かをかける。)水ドーム!」
田村「技名⁈そのままじゃねぇかよ。これなら避けれるな(落ちてくる水のドームを避けながらナイフを構える)次は俺からだ!(低空でドームを切り裂いて、木田に突撃する)」
木田「く!早ぇな!これは、かわせねぇか。」

田村は、木田の腹にナイフを刺して横に滑るように木田の懐にいき、腹をなぐ。

木田「うぉ〜〜ぉ‼︎(斬られた部分を押さえながら)」
田村「……ん?」

木田の斬られた部分がシューと傷口部分を守るように塞がっていく。

田村「!…塞がった⁈いや傷は治ってないな。」
木田「(摩りながら)痛って!…応急処置だ!」
田村「何だ?(少し考え)やっと分かった。もう一個は……クリオネか?」
木田「あぁ〜その通り…お前を殺った後に傷は塞げば良い。それと……お前は面白い奴だ…100%以上の力で葬ってやるよ。《くそ…前の傷が開いちまってるからな全力で終わらす。》」

木田は、さらにグッと力を入れ、クリオネの能力で身体全体を覆いながら鎧のような容姿になる。
それを、見て田村もさらに気合いを入れ持ってるナイフに力を込め、もう一本のナイフの方向に向かって小さい分銅の付いた糸を投げ飛ばし結んだ。

田村「すごいな〜気合い入ってんな。そんじゃ、互いに傷モノ同士一発で決めようや。」
木田「そのつもりだわ〜(覇気の籠ったアイスピックを構える)」
田村「良いね〜良い気合いだな。(田村も構える)」

双方睨み合い、近くにある缶が不意に落ちた瞬間両者が動き出す。
木田は、2つのアイスピックをクロスにし田村の攻撃しに行く。田村は、一本のナイフで応戦。

木田「…俺の武器はアイスピックだけじゃねぇぞ!(地面に水を張り)毒水針千‼︎(鋭い水の槍が田村を襲う。)」
田村「…こんなもん効くか!(翼で頭上に飛ぶ)くぅ!また(槍の一部が身体に掠る。)くぅーー(ナイフに)相棒
‼︎やるぞ〜オウル…ラッシュ‼︎(ナイフの刃の部分を垂直にし突撃)」
木田「そんな攻撃、防げる。」

ガキン‼︎と2つの武器がぶつかる。木田のアイスピックは、一本残り。田村はナイフが刃元が真っ二つになる。

木田「よっしゃ〜1本残ったら十分だ!(アイスピックを利き手に持ち変えて力を込めながら)付与!……俺の勝ちだ‼︎
田村「へ
‼︎(紐を思い切り引っ張る)来い……」

シュルシュルと紐に繋がったナイフが木田の方向に向かってくる。

木田「は⁈ナイフ⁈」
田村「(目の前に来たナイフを紐を上手く使い手繰らせて手に取った)油断したな?……付与!……クラッシュ
‼︎
木田「…⁈」

田村の一撃は、木田の身体を斜めに切り裂く。
木田は、切り裂かれ言葉にできないまま後ろに倒れた。

木田「グァ!…ハァ〜…ハァ〜」
田村「よっしゃ…ギリギリだった〜」
木田「ハァ……《深いな…死ぬなこれ……地獄だろうな確実に…うん?何だ……》」

不思議な空間に木田がいる。そこに、木田を呼ぶ声する。

?「木田類‼︎
木田「え?……何で」
?「何でって…何?」
木田「…何でいるんだよ?」
咲希「分かんない……何か分かんないけどずっとここにいるの。」
木田「どういうことだよ。」
咲希「だから、分かんない。」

木田は、少し考え……自分なりに結論をまとめていたら咲希が話しかけてきた。

咲希「類…」
木田「うん?何だよ!」
咲希「(照れながら)一緒に居てくれる?」
木田「……」
咲希「ねぇ?聞いてた?照れるからもう言わないよ。」
木田「《まぁ…もういいか……ゆっくりするか。》」
咲希「聞いてる?」

咲希の言葉を遮るように

木田「聞いてたわ!……一緒にいてやるから静かな所に行くぞ。(スタスタ歩き出す)」
咲希「(慌てて)あぁ〜〜待って!(追いかける。)」

不思議な空間は消えて、倒れて消えかかっている木田とそれを見ている田村
田村は、何かに気づく

田村「こいつ……何で……笑ってんだ?……想う人に会ったの…かよ…(倒れる)《やべぇ…毒が今更効いてきたか…俺も死ぬのか》」
ヒロキ「(タッタッタと走ってくる)え⁈田村さん⁈倒れてる…大丈夫ですか?……大丈夫じゃないですよね」
田村「《お!まだ生きれる…か》」
ヒロキ「(近くに寄り背中に背負う)すぐに戻りますね。」
田村「(小声で)聞こえてるか?そこに囚われている人たちがいる…」
ヒロキ「え?分かりました。すぐに」

ヒロキは、背負いながら囚われている人たちの場所に行き話をして助け出し、東のアジトまで歩いて行った。


次回:第13話[土居VS木下]



「書き終えた……長くなりました。」

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