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[ー閉ざされた世界ー]第20話

[(過去)荒谷と岩谷 〜決別〜]
(登場人物)
荒谷宏明
岩谷赤也
黒川丈太郎
東俊明
日野隆太郎(ひのりゅうたろう)
ミカエル(声)

場面:東口アジトの岩谷がよくいる部屋。
岩谷は、1人思いに更けている。

岩谷「はぁ〜〜(ゆっくり座り、また深くため息を吐く)荒谷……今、1人で何考えてんだよ………どこで間違ったんだよ。」

岩谷は、目を閉じる。
場面:少し昔の世界。
2人が、それぞれの方向から歩いてくる。

荒谷「お?」
岩谷「あ!」
荒谷「見回り終わったのか…」
岩谷「あ、今さっきな…」
荒谷「じゃあ……」
岩谷「ん?」
荒谷「今日も飲むか?」
岩谷「良いね〜おばちゃんたちの迷惑にならないように飲もうやー」
荒谷「おぅし!行くぞ。」

2人で歩き始める。荒谷が一言

荒谷「岩!…酔い潰れるなよ。」
岩谷「はぁ〜〜お前もな。」

2人は、奥へと歩いていった。
その後ろに、黒川と少し遅れて東が歩いてくる。

黒川「まただ……」
東「(少し後ろから)今夜もアイツらに付き合うか?」
黒川「…そうすっか……行くか!」

タッタタっと2人の後を追いかける。
少し時間が経ち、朝になりノソノソと荒谷が歩いてくる。

荒谷「はぁ〜〜飲み過ぎた……。」

荒谷は、ゆっくり歩きだし東区と南区のちょうど中間にきたところで、遠くから声が聞こえ聞こえた方を確認する。

荒谷「あ?あっちは…たしか西の方だったな?……何だ?(グッと目に力を入れる)少し近づいてみるか…」

荒谷は、声があった方に気配を消しながら近づく。
シュシュと少し遠くから覗き見る。
そこには、男が立っている。

荒谷「誰だ⁈(よ〜く見る)ガタイが良いな。(さらに見ていると、空が不意に明るくなる)あ⁈…」

管理者のミカエルの声だけが聞こえる。

ミカエル「…さんおめでとうございま〜す!」
荒谷「ん?名前…なんて言った…くそ聞こえねぇ」
日野「誰だお前!」
ミカエル「アタシを知らないのぅ〜〜アタシは、ここの管理者何だけど!」
日野「管理?そんな奴がいるのかよ……で、何の用だ⁈」
ミカエル「ん?………(かなり間があり)あ!日野さん!あなたは、ここだの土地を一部得る権利を得ました。」
日野「はぁ、土地?…どういうこっちゃ」
ミカエル「(急にテンションが上がり)ということで!土地獲得のために最後のゲームで〜す。(声だけだが指を鳴らす音が聞こえる。)」

ゴゴゴっと地面が盛り上がり山のようになる。

日野「⁈……山作りやがった。で?何すんだ。」
ミカエル「日野さんこの山を登って下さ〜い。頂上には……領主になれるものがあります!それじゃあ頑張ってね〜」
日野「説明が……まぁ良い………この山か(少し見てすぐ)いい運動になる(身体に力を入れ始める)」
荒谷「あの男能力者か…」

日野の身体が、尋常じゃない姿に変わる。
荒谷は、驚愕する。

荒谷「……」
日野「よーし!すぐに終わらす……(足に力を込める)うりぁ
‼︎(グンッと走り出す)」
荒谷「あ……」

日野は、一瞬で頂上に辿り着く。

荒谷「何じゃありゃ!」
日野「(能力を解除し、空に向かって)おい!着いたぞ!どうすんだ!」
ミカエル「(声だけ)え⁈もう(小声で)早ない⁈……まぁ良いか…日野さん、おめでとうございます!あなたは、今日から領主長です。どうぞ!カードを取って、好きな所でいい感じに掲げて下さ〜い。(声が急に消える)」
日野「お⁈また説明が……(気を取り直し)此処だで良いか…(カードを掲げると)」

日野の周りの地面が、モコモコモコっと動きだす。

荒谷「あれは何だ⁈」
日野「これから、どうするかな?……まぁ〜ゆっくりやるか」
荒谷「(気配を消しながら後ろに下がり歩きだす)あれは……」

荒谷は、何か思いながら歩いて行った。
数時間後荒谷は、帰宅し1人考え事をしている。
さらに少し日が経ち、岩谷が慌てた様子で歩いてくる。

岩谷「あれ?」
東「(ひょっこりと)どうした?」
岩谷「荒谷が、どこにもいねぇんだよ。」
東「どっかにいるんじゃねぇか……」
岩谷「いや、探したけどな…」

2人の前に黒川が歩いてくる。

黒川「岩谷…」
岩谷「あぁ、黒川さん。」
東「お!お前にちょっと聞きたいだけどよ、荒谷はどこにいるか知ってるか?」
黒川「荒谷なら……ここ出てくぞ。」
岩谷「え⁈どういう…」
黒川「俺も着いていくつもりだ。(小声でボソッと)承諾を受けてねぇけど……」
東「え?どういう…話が見えねぇだけど…」
黒川「(そそくさと)てことだ、達者でな。(歩き始める)」
東「おい!(黒川の様子を見て)……」
岩谷「アイツ…まだいるな。(凄まじい勢いで入り口に走り出す)」
東「うわ
⁉︎相変わらず早!」

東は、岩谷の後を追いかける。
少し時間が経ち、入り口を出ようとする荒谷に追いつく岩谷

岩谷「おい!」
荒谷「…お前か…黒川から聞いたろ…俺はここを出ていく。」
岩谷「何でだよ。何か不満があったのか?」
荒谷「不満?……ねぇよ。」
岩谷「じゃあ……」
荒谷「…強いて言うなら……新しいことを見つけたんだよ。」
岩谷「新しい⁈どういうことだよ。」
荒谷「…お前とは敵対関係にはなりたく……ないが(少し怒気を交える)もし、邪魔するならそうなるかもな。(懐から何かを地面に落とす)じゃな。」
岩谷「あ⁈」

目の前が暗くなる。
煙幕が晴れると、目の前の荒谷はいなくなっていた。

岩谷「…アイツ……」
東「(後ろから走ってくる)岩!…荒…谷…は」
岩谷「行った。」
東「そうか…」

荒谷が、出て南区の近くを歩いている。後ろから黒川が走ってくる。

荒谷「お前か…何だ」
黒川「俺も着いて行っていいかい?」
荒谷「…勝手にしろ……」
黒川「はいよ〜あ!たぶん月山も来るとか来ないとか言ってたぞ。」
荒谷「(歩きながら)…そうか。」

2人は、南区の方向に歩いていった。
場面変更、岩谷が目を覚ます。

岩谷「はぁ〜〜」

南区悪童の所有しているドーム内。
荒谷が、1人で椅子に座っている姿がある。

荒谷「もう時期だ……(目の前の大きな檻を見ながら笑みを浮かべる。)」


次回:21話[決戦の刻〜最悪なイベント始まる〜]

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