天皇賞春2022の危険な人気馬
人気上位馬の考察
◯ディープボンド
キズナ産駒としてはディープボンドが昨年初めて天皇賞春で2着に好走。その父ディープインパクトは天皇賞春と相性がよく6頭が好走。19年フィエールマンから3年連続で勝ち馬を出すなど好調。昨年は阪神開催も影響力は変わらずワールドプレミアが勝利し3着にはカレンブーケドールが3着に好走。2着のディープボンドまで含めるとディープインパクト系産駒が馬券内を独占。サンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系の相性もよく過去10年で5頭勝利。昨年は同配合は2頭が好走。同馬も母父はノーザンダンサー系のキングヘイローのため該当。
前走阪神大賞典は有馬記念1着の実績もあり1.2倍の圧倒的な支持に応え勝利。天皇賞春への叩き台としての出走の成果状態面あまりよくなかったのですが、それでも2着に3/4馬身離しての勝利。力の違いを見せつけたレースだった。去年まではズブい感じのいかにもステイヤーなタイプだったのですが凱旋門賞から帰ってきて馬が一変し瞬発力もアップ。前走の阪神大賞典も上がり3位を記録し差し切り勝ち。去年は4コーナーに入っても反応が悪く直線勝負でワールドプレミアにキレ負けで敗戦とズブいところを見せていたのですがですが、今年は直線勝負になったとしても対抗できる力はある。2500m以上のレースでは2-2-0-1。敗れた菊花賞も4着と長距離においての安定感はメンバー1。昨年は有馬記念で現役最強馬だったエフフォーリアと接戦を演じ長距離ではトップの実力。ライバルだったワールドプレミアも引退、ここでは負けられないだろう。今年は重賞で1番人気の敗戦が目立ちますがディープボンドなら悪い流れを断ち切ってくれるかもしれません。
◯タイトルホルダー
父ドゥラメンテは欧州型ミスプロ系の産駒。阪神コースの相性は良く勝率13% 複勝率31%と高い数値。中山、札幌、福島で高い数値を叩き出しており小回りの条件が得意な産駒が多いのかもしれません。もう1つ注目したい特徴が距離延長の時に好走する傾向。とくに500m以上の距離延長では勝率13%を超える成績。昨年も2200mのセントライト記念後に3000mの菊花賞を制覇。前回は2500mの日経賞から700mの距離延長での参戦のため期待できる。距離としては1800mから2200mで活躍馬を出す傾向ですが半姉のメロディーレーン(父オルフェーヴル)も3000mの古都S、菊花賞も牡馬に交じって5着に入るなど長距離で活躍しているので母系よりスタミナを受け継いでいる可能性は高い。
前走日経賞は菊花賞と同様に逃げの競馬。スローペースに落とし直線では後続馬に迫らせるも最後まで先頭は譲らず逃げ切り勝ち。最後は詰められる場面もあり僅差の勝利だけに不安も感じたんですが調教師のレース後に「最終追い切りでは手前を替えなかったり、芯が無い感じの動きだったが地力でなんとか勝ち切ってくれた」とコメントを残しているので本調子ではなかった。前回からどれだけ状態を上げてくるかのが鍵になりそう。このレースは菊花賞で3着以内の経験のある馬が過去10年9頭の勝ち馬を輩出。タイトルホルダーも昨年は菊花賞で1着の経験があるため該当。データで判断するとしては抑えたい1頭。
◯テーオーロイヤル
父リオンディーズもドゥラメンテ同様に欧州型ミスプロ系の種牡馬。現役時代は1600mの朝日杯を制すも皐月賞、ダービーでは5着に敗退(皐月賞は降着)と敗れているのでスピードタイプにイメージではありますが、母はオークスを制したシーザリオ、半兄は菊花賞馬エピファネイアや皐月賞馬サートゥルナーリアがいるなどスタミナを保持。気性に問題がありながらも中距離でも結果を残していたのでリオンディーズも潜在的なスタミナは保持したのかもしれません。産駒成績は父のスピードとスタミナを伝える万能タイプ。短距離から長距離まで幅広いタイプが生まれている傾向。テーオーロイヤルは父のスタミナを受け継ぎ、デビュー時は1600mのレースで勝てないレースが続くも距離延長で開花しOP入り
開催が進み馬場の悪化が進む阪神競馬場ですが、母メイショウオウヒ、兄メイショウハリオもマーチSを制すなどダートで活躍するダート血統。好走例は良馬場に集中してますが馬場悪化でも対応できる可能性はある。
前走ダイヤモンドSは道中4番手を追走。4コーナーでも手応えがよくポジションを上げ先頭に立つと後続を完封する強い勝ち方だった。走ったメンバーには阪神大賞典2着、天皇賞春1着の実績があったトーセンカンビーナもいた中での勝利だけに価値のある1戦だった。今回はメンバーレベルが一気に上がるのですが、それよりも気になるのは斤量が4kg増える点。前走54kgと斤量の恩恵もありましたし過去のデータではダイヤモンドSより斤量が増えた馬の成績は0-0-0-11と今だに好走例がないというマイナスデータも気になるところ。合わせて鞍上の菱田騎手が阪神3200mを初騎乗と人馬とも初物尽くし。長距離戦を勝利したとはいえ東京3400mとは違う展開になりますから上手く騎乗できるのかという不安もあります。
◯アイアンバローズ
父オルフェーヴルはステイゴールド系の種牡馬。天皇賞春とステイゴールド系の相性は良く、レイボーライン、ゴールドシップ、連覇を果たしたフェノーメノと3頭の優勝馬を輩出。近年でも20年11番人気と低評価だったスティッフェリオが2着に好走。オルフェーヴルは2012年に11着に破れてますが体調不良が原因で状態がよければ勝利していたかもしれません。同馬はステイゴールド系に欧州型ノーザンダンサー系の組み合わせは13年、14年と連覇を達成したフェノーメノと同配合。
前走阪神大賞典は3番手を追走する先行策。直線では粘ったものの後ろから来たディープボンドに差されて2着。スタート後は中段で競馬も1周回ったところで気性面の悪さが出てしまい前にいくという展開になり脚を使ってしまった事が最後の伸びを欠いた原因かもしれません。それでも粘り切って2着に好走できたので負けて強しの内容だったのではないでしょうか。ここ2戦は先行策で結果を残してますがアイアンバローズの武器は切れる脚。中段で脚をためての直線勝負に持ち込めれば勝ち切るだけの力は十分にある。前走も差し勝負に持ち込みたかったんだと思うんですが気性が邪魔をしてしまい先行策。本番でどれだけ落ち着いて競馬できるかがカギでしょう。鞍上は2012年14番人気と低評価だったビートブラックを勝利に導きアッと驚かせた石橋騎手。それ以降天皇賞春での好走例はないんですが、騎乗したのがビートブラックと14年10歳馬で17番人気のジャガーメイルとこの2回だけで、あとは騎乗機会は無し。これまでの成績をみても短距離よりも長距離の方が芝、ダート問わず好成績を残すタイプだけに期待できる。
フリーランスの競馬予想家。37歳からYouTubeに主戦場を移しJRAの重賞の解説配信活動を開始。血統をと過去走から馬の特徴を判断し予想。現在は週明けは「人気上位馬の考察と危険な人気馬」週末は最終予想をアップ。お仕事の相談はtwitterのメッセージまでお願いします。
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