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NHKマイルカップ 2022 危険な人気馬

人気上位馬4頭の考察から



セリフォス
父ダイワメジャーの東京芝1600mの成績は勝率9% 複勝率20%とあまり数値は高くない。ただしNHKマイルCとしては過去多くの好走馬を出しており12年カレンブラックヒル、16年メジャーエンブレム、19年アドマイヤマーズなど3頭の優勝馬を輩出。また13年は8番人気のフラムドグロワールが3着、17年は6番人気ボンセルヴィーソなど人気薄も激走など相性は良い。また好走した大半は母系が欧州血統を保持したタイプが多いのも特徴で、セリフォスも母父は欧州型ナスルーラ系のLe Havre
ル アーヴル)で該当。
前走朝日杯FSは5番手を追走。直線では一旦先頭に立つもゴール前でドウデュースに差され惜しくも2着。のちに弥生賞2着、皐月賞3着の実績を上げる馬に僅差の競馬で評価を落とす内容ではない。デビューから3連勝で注目を集めていたのですがデイリー杯ではファルコンSを制すプルパレイ、新潟2歳SではすぷりんぐS2着のアライバルに競り勝つなど中身の濃いレースをしており1600m以下においては世代トップの実力と見ています。今回は朝日杯から直行でのローテがカギになりますが、調教では青葉賞2着のロードレゼルに先着するなど好調。これまでのレースを見ても休み明けからでも動けるタイプで本番でも力を出せる状況にあると思います。またダイワメジャー産駒は総じてスピードを持続するタイプが多いのですがセリフォスは新潟2歳Sで上がり32秒台を叩き出すなど末脚の切れるタイプ。直線勝負にも対応できるのは強み。東京の長い直線に変わることはプラスになると見てます。不安点としては中内田厩舎の3歳以上のG1では結果がでてないこと。これまで厩舎として3勝してますが全て2歳G1。18年は4万人気のパクスアメリカーナが6着、昨年も1番人気に推されたグレナディアガーズが3着に敗れるなど結果が出ていない。鞍上に福永騎手を確保できたのは大きいだけに厩舎としての一押しが欲しいところ。

ダノンスコーピオン
父ロードカナロアの同条件の成績は勝率9%と低い数値ですが、複勝率に関しては29%と30%近い数値を叩き出しているので好走する可能性はありそうですね。欧州型ミスプロ系×欧州型ノーザンダンサー系の配合は18年3着のレッドヴェイロンと同配合。母父に欧州型ノーザンダンサー系のタイプが2年連続で連対と好調。昨年もダノンスコーピオンと同じく母系がサドラーズウェルズ系のシュネルマイスターが勝利しており配合、または好調血統を保持しているのは血統としては大きなプラスになる。
前走アーリントンCはスタートは良かったんですが手綱を引いていたので中団より後ろで競馬。末脚が武器のダノンスコーピオンの良さを引き出すために抑える競馬に徹したのではないでしょうか。直線に入って囲まれる不利もあったのですが上手く捌いて残り2ハロンに入る前にゴーサインを出すと一気に伸びて逃げ粘りを図ろうとしていたタイセイディヴバインを差し切って勝利。これまでに戦ってきたメンバーに比べると小粒ではあったのでここ力が一枚上手だったと思います。3歳になって2戦使っているんですが2歳の頃に比べると状態はまだ戻ってないなという印象。前回の状態ではG1の舞台では厳しいと思うので、中2週という短い期間でどこまで状態を上げてくるのかがポイントでしょう。
朝日杯で皐月賞3着のドウデュースと僅差の3着、萩SではホープフルSの勝ち馬キラーアビリティに勝利するなど能力はG1級のレベルにあると思います。気になるのは関東圏への輸送。初の輸送となった共同通信杯では休み明けとはいえ伸びを欠き敗退。阪神コースで常に安定して上がり2位以内の末脚は不発に終わるなど不可解な敗戦。再び東京競馬場への輸送に耐えることができるのか?

インダストリア
父リオンディーズの同条件の成績は勝率3% 複勝率も14%とちょっと狙いづらい数値ですね。ただ東京コースは1800mですが1-1-0-0とまずまずの成績。インダストリアの兄はNHKマイルカップの2着ケイデンスコール。4勝中3勝が左回りの1600mということで、東京1600mに関しては種牡馬の点で判断すると不安になりますが、血統背景で判断すると期待できる。
前走弥生賞に出走。末脚を生かすために後方からの競馬で直線勝負に持ち込んだのですが、他馬よりも大外を回るロスもあり届かず2着。血統背景的に1600mから1800mがベスト距離だけにロスなく回れたとしても2000mというのは厳しかった可能性もあります。2走前も中山のジュニアCに出走し勝利は収めたんですがコーナーでは他馬に比べ少し、ぎこちない回り方だったので中山のような小回りのコースよりは東京、新潟の緩やかなカーブの方が向いているのではないかなという印象を持ちました。
左に もたれる癖があって前走の弥生記念でもチークピーシーズをつけていたんですが、直線に入った時に少し外に もたれたんですが過去走ほどでもなく、そこからまっすぐ走れていたんで悪い癖も成長と共に治ってきているのかなという感じです。癖を含めて判断すると左回りの方が向いている感じではあるので東京への馬場替わりはプラスでしょう。デビューから4戦連続で上がり最速を叩き出す末脚も魅力ですね。東京から中山、また距離が変わっても安定して繰り出する末脚は大きな武器になる。この点は兄ケイデンスコールも同様に瞬発力に優れており、本番でも上がり最速を叩き出し2着に好走。インダストリアも兄と同じ差しタイプということで期待できる。

ジャングロ
父More Than Ready(モア ザン レディ)は米国型ヘイロー系の種牡馬。日本ではサンデーサイレンスと同じ系統。現役時代は1400mのハッチソンSを制すなど短距離で活躍のためサンデー系に比べると短距離色の強い血統。母父はBroad Brushはマイナー系とあまり耳にしない系統ですが、こちらも米国血統。現役時代は重賞勝ちこそありませんが、2000mのケンタッキーダービー3着などの実績あり。配合としては1600mはギリギリという感じ。実際にジャングロ自身も1400m以下では3-2-1-0と全て馬券内に対し1600mは1-0-0-1の成績。東京の1600mは多少なりスタミナを要す条件でもあり上手く脚をためることができるかどうかがポイント。
前走NZTは前走の先行策ではなく、これまで通りの逃げの戦法。直線ではシンザン記念の勝ち馬マテンロウオリオンに迫られるも粘り込み重賞初制覇。これまで1400m以下で安定した成績で初の1600mとなったベゴニア賞では掲示板外に敗れていたので距離に不安を感じていたのですが逃げ切り勝ち。ピッチ双方なので中山コースに脚質としてもあっていた可能性はあります。抑える競馬でも好走はしてますが道中で騎手が抑えるのに苦労する場面もあったので、先行すると1600mでは厳しいと思うのですが、前走のように逃げて自分のペースで走ることができればギリギリ持つかもしれません。NHKマイルカップとして逃げ馬は過去10年で3頭が勝利しており脚質的にマイナスではないでしょう。本質はスプリンターとみているので、いかにロスなく走れるかどうか。スタートで競ってくる馬がいると厳しいかもしれないんですが、今メンバーには先行、差しタイプが多いので楽に逃げれるのではないでしょうか。

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フリーランスの競馬予想家。37歳からYouTubeに主戦場を移しJRAの重賞の解説配信活動を開始。血統をと過去走から馬の特徴を判断し予想。現在は週明けは「人気上位馬の考察と危険な人気馬」週末は最終予想をアップ。お仕事の相談はtwitterのメッセージまでお願いします。

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