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リーガ・エスパニョーラ 2019-20シーズン 第3節 ビジャレアル対レアル・マドリー レビュー「選手交代は早すぎず遅すぎず」

リーガ・エスパニョーラ 2019-20シーズン 第3節 ビジャレアル対レアル・マドリーは、2-2の引き分けでした。

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3人をどう交代させるか

この試合のポイントは、ビジャレアルの選手交代です。

試合開始直後から、ビジャレアルは特定の選手にミスが多く、ボールを相手陣内に運べないでいました。特定の選手とは、チャックエズ、エカンビ、そして、カソルラです。ただ、チャックエズとエカンビと、カソルラのミスは質が違いました。

チャックエズとエカンビは、ボールを受けるときに相手を外すアクションが少ないのでボールを受ける回数も少なかったと感じました。ボールを受けても、相手陣内にボールを運ぶアクションが少なく、ボールを運ぶアクションのミスも少ないと感じました。

ただ、チャックエズの場合は、レアル・マドリーのメンディに警戒されていたのも要因なのですが、「凄いプレーをしよう」という意識が強すぎて、チームのなかで力が発揮できていないとも感じます。2018-19シーズンとアフリカ・ネーションズカップでの活躍で、チャックエズはリーガ・エスパニョーラ注目の若手選手になりました。彼のプレーを観ていると、野心を強く持ち「オレのプレーを見ろ!」と強烈に自己主張しているのですが、今のところは自己主張は空回りしていると思います。

ただ、プロであれば、自己主張はないよりマシです。チャックエズのプレーは、自己主張は強いですが、自分の力でチームを勝たせたいという意志も感じます。この意志は、ビジャレアルの他の選手からはあまり感じられないので、期待しています。

チャックエズやエカンビとは異なり、カソルラの場合は相手を外してボールを頻繁に受けていたのですが、カソルラに対してはカゼミーロが注意を払っているだけでなく、ヨビッチやベンゼマが必要に応じて挟み撃ちにしてきました。開幕して3試合経ちますが、どのチームもカソルラに対するマークが厳しい。カソルラの力がフルに発揮できていないのも、ビジャレアルが勝ちきれない要因でもあります。

チャックエズやエカンビは上手くいかない場合は、修正する力はありませんので、カジェハ監督は2人を早々に諦め、後半10分と17分に交代させました。なお、後半17分に交代出場したアンギッサは、中央エリアの守備の強度を高め、前半からレアル・マドリーに攻略されていた中央エリアの修正に大きく貢献しました。そして、アンギッサが中央のMFに入ったあと、カソルラがFWと同じ位置でプレーするようになります。

ただ、今日のカソルラはポジションを変更してもパフォーマンスが上がってこなかったので、後半29分にバッカと交代。交代出場したバッカが作り出したチャンスがきっかけで、2-1とビジャレアルは勝ち越しに成功しました。

3人を交代させるのが早すぎた

ただ、問題だったのは、2-1にするまでに交代選手を3人使ってしまったことです。試合開始からのビジャレアルの問題は、3人の選手のミスが多いだけでなく、カソルラとイボーラという中央のMFがレアル・マドリーのパス交換のテンポに対して、少しだけアクションが遅れるので、スペースを与えてしまうことでもありました。だから、中央のエリアから修正を行えば良いと思ったのですが、カジェハ監督の判断はチャックエズの交代によるサイドMFの変更。僕は順番が違うんじゃないかなぁ、と思いました。

たしかに、後半7分に左DFのキンティージャがイエローカードをもらっていたので、サイドのMFを入れかえて、守備を立て直そうとしたのかもしれません。しかし、サイドより問題になっていたのは中央のMFのプレーだったので、僕は中央を修正したほうがよかったのに、と思いました。この試合のカソルラのプレーからすると、中央ではなくサイドでプレーさせた方が、よいプレーをしてくれたような気がします。

そして、後半30分までに3人の選手交代を使ってしまったため、2-1になった後に、レアル・マドリーが手を打ってきたときに、対応する術を思いついても、選手交代が使えず、レアル・マドリーの攻撃をまともに受けるだけになってしまいました。このタイミングで、サイドの守備をテコ入れできていれば、違う試合展開になっていたのではないか。そんなことを考えました。

選手交代が上手い監督は試合中のチームの問題が的確に把握できている

カジェハという監督は、選手交代が上手くありません。交代する選手が間違っていたり、順番が間違っていたり、タイミングが間違っていたりと、選手交代で試合を落としたことが、2018-19シーズンも何試合もありました

選手交代は「使わなくてもいい」選択肢なので、ギリギリまで残しておくのが定石です。なにより、1-1と均衡が取れていたので、自分たちからカードを先に切って、ゲームを動かしにいくのではなく、均衡を保ちつつ、ギリギリまでカードを残しておくことが臨まれたのですが、カジェハの選択肢は違いました。僕は「ないなぁ」と思いながら試合を観ていました。

選手交代はすべての選手を交代できるわけではないので、1つの交代で、複数の問題を解決できるのが理想です。この試合は、3人のプレーが良くなかったので、3人を代えるのは分かるのですが、代える順番とタイミングがポイントだったと思います。

選手交代が上手い監督は、試合中のチームの問題を的確に把握できている監督です。カジェハの選手交代のまずさは、試合中の問題を把握出来ていない可能性がある。そんなことを考えた試合でした。

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リーガ・エスパニョーラ 2019-20シーズン 第3節 ビジャレアル対レアル・マドリー レビュー「選手交代は早すぎず遅すぎず」

西原雄一

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