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山吹色の君

 新橋演舞場へ、ヒールの靴音を響かせて向かう。177cmの君に会うのにヒールの高さは気にしなくていい。ヒールの高さを気にするのは、現場へ行くうえでの「自分ルール」のひとつ。気がついたら現場に向かう前の儀式のようになっていた。今日会いに行くのは、そんなルールがひとつもない、ただただまっさらな印象の君だ。

 今までは有楽町側からしか歩いたことがなかった演舞場への道を、Google Map片手に向かう。歩きなれない道を、「電車に乗る時間が短いから」という理由だけで歩く。コロナは私から有楽町でのウィンドウショッピングを奪った。でも、私の愉快痛快オタライフは奪えない。

 真っ白のトップスに、花柄のスカート。君の好きなタイプが「ガーリー」という文字を見て思わず苦笑いした日から1カ月弱。妹から借りたスカートは、淡い黄色が基調となっているもの。ぴったりだ、と思って選んだ。ああでもない、こうでもない、と何度も塗りなおした黄色のネイルもばっちり。

 初めまして。

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