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あと少しで死ぬ。ということが、わたしにはリアルに感じられない。人間はいつか死ぬもの。それ…
完璧な一日なんて存在しない。世界が終わる時でもそうなのだから、きっと人間の方に理由がある…
道に生えている植物は、何の理由もなく生きている。なぜか、空に向かって背を伸ばす。光がおい…
あした、退院するということで看護師さんが色々な説明をする。入院費はどこから払うとか、部屋…
寝る前は明日を想像できない。今日と同じような日が続いているような気がする。それがどこまで…
わたしの育った町を泳ぐ。太陽の光が肌の細胞のように、網目もようになってアスファルトに、家…
「ほんとはさ、もう働かなくていいんだ。」 奈良田さんは、だるそうに言った。ため息の混じった聞き取りにくい声だった。聞く人の考えを引きつけて、周りの人を静かにさせる。本人は無自覚だろう。 「働かなくていいって、昔ちょっと流行ってなかった?」 横で聴いていたメイちゃんが、話を広げる。確かにわたしが大学生の時、そんな考えが流行っていたことがあった。大学を卒業した後の選択肢として、「働かない」ことを選ぶ。生活給付金制度を利用すれば、働かなくても生活はできる。遊ぶことはできないか