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【全文無料・読み物】規制後環境の展望[ワンピースカード]

みなさんこんにちは。
にらと申します。

先日開催された世界大会にて4/1よりい施行される新たな禁止改定が発表されました。

新たに禁止となったカードは以下の3つ。


1、リーダー・サカズキ

第5弾で収録されて以降、常に環境のトップに君臨し続けていたデッキ。
コストマイナス+KOに頼らない除去によって圧倒的な着地狩り性能を誇り、現在の除去環境を作り出した張本人です。

黒+青のカードプールかつ、毎ターンの手札入れ替えによる構築自由度の高さからメインデッキの規制では止まらなさそうではあったので非常に妥当な規制だったと思います。

今回の禁止改定で環境に最も大きな影響を与える部分になります。


2、排撃

アマルと合わせて黄色のリーサル性能を飛躍的に上昇させていたカードです。

リーサル用の札でありながら中盤では除去として機能し、トリガーも1ドローで別カードに置換出来るため手札で腐りにくい点で非常に優れていました。

7マムの効果選択に与える影響も大きく、排撃収録以前は盾2枚でも焼却効果を選択できていたところが排撃+アマルケアで回復効果を選択せざるを得ないという場面が少なからずありました。

黄色のデッキは本来排撃を発動させなくても勝てる試合も多く影響度は低いと思われるかもしれませんが排撃が”存在しない”ことで相手のプレイ選択が変容する為、厳しい戦いを強いられることになるでしょう。

特に最近のカタクリやエネルはアグロのようなプランを取ることも多くありましたが、リーサル性能を大きく落とした事で大型の投げ合いの試合展開を取らざるを得なくなります


3、大噴火

現状黒が最も環境を支配している色であり、大噴火はその基板の1つです。

黒を満遍なくナーフするためのものではありますが、7弾で調整版とも言える嵐脚が収録されておりある程度リペアも可能な為環境に与える影響度は少ないでしょう。


今回はこれによってサカズキ環境がどう変容していくのかについて語っていきたいと思います。
ご存知の通り私にはデッキ構築のセンスが皆無ですので、例によって読み物系noteになっています。

環境考察の糧にしていただき、ご自身で環境に適した最良のデッキを構築してください。
そして是非その構築をパクらせていただければと思います。


徹底的な正義からの解放

解放のドラムが聞こえる…!


サカズキの盤面処理能力はこれまで登場したどんなデッキよりも圧倒的なものでした。

コスト通りのキャラを返すことができるのはもちろんのこと、レイジュのジャッジによる展開のような踏み倒しでさえ手札次第ではおおよそ返すことができてしまうレベルです。

サカズキがその気になれば相手の盤面を更地にすることなど造作もないのです。

(“氷河時代“を構えながら)

除去能力がカンストしたデッキが環境の頂点に君臨することで、強力な効果を発揮するまでにタイムラグのあるカードは軒並み淘汰されました。

その代表格が9ゾロ。

9ゾロはパラレルよりシクのイメージが強い

アタックまで漕ぎ着けることができれば16000で3回攻撃することができるカード。
カウンターでの受けを成立させない最高レベルのフィニッシャーです。

しかしサカズキが支配環境するではゾロでのリーサルなど絵に描いた餅。
返しのターンで処理されてしまうのが関の山です。

故にサカズキ環境で有効なのは登場時に大きな仕事ができるカード。
登場時効果や速攻系のカードがこれに当たります。

今回の禁止改定によって除去デッキの頂点に君臨するサカズキが使用不可になった事で、盤面に残って初めて強力なカードらにスポットライトが当たるようになりました。



※余談 8キッドについて

日本一決定戦で頂点に輝いた月うさぎ氏が使用していた緑ウタや、巷で流行していた要塞ヤマトには8キッドが採用されていました。

8キッドは相手の攻撃を吸って初めて有効なカードであるため、サカズキが支配する除去の時代には適していないカードであるように思えます。

しかし一方で緑ウタ・要塞ヤマトともに実績を残しているデッキであり、「環境に刺さっていた」という結論が妥当であることも事実です。

これについて少し触れさせていただきます。

いくら環境サカズキが最強のデッキだからと言ってサカズキの分布が100%になるわけではありません。

サカズキの使用率が上がれば上がるほどそのメタとなりうるデッキも環境への通りが良くなり、メタではないデッキも全体としてサカズキに一定の勝率が出るような構築に寄っていきます。

除去能力のカンストしているサカズキに耐久レースを仕掛けても盤面処理+モリアの展開力に圧殺されてしまう為、サカズキに勝率を出すためには攻撃性能を高めるしかありません

(とはいえサカズキが強力すぎて安定して”勝てる”というレベルに達したかは不明ですが…)

例えば赤ゾロを見てみましょう。

以前の赤ゾロは白ひげ海賊団系のカードやゴードン、JET銃などを用いて盤面を形成しながら柔軟に相手の動きに対応するようなデッキでした。

しかしサカズキを前に盤面展開で勝負を挑もうとしても勝てるわけもなく、この環境では安定性を犠牲に一点突破の火力を高める麦わら軸への変更が必要となりました。

序盤から速攻のカードやマグラなどのバフカードをpickし、早期にライフ0まで削った上で”悪魔風脚”でブロッカーも貫通してリーサルを取るというゲームプランはサカズキの多い環境では非常に有効でありメタデッキとしての地位を確立しています。

赤ゾロほど顕著ではないにせよ、カタクリやエネルも耐久系のカードを減らして7マム・アマル・リジェクトなどの攻撃寄りのカードを多くピックするようになりました


つまり除去能力の高いデッキが環境のトップにいる一方で、他のデッキは攻撃性能に偏重させている環境だったわけです。

ただ高い打点で攻撃しようとするデッキに対しては8キッドはめっぽう強く、単体で詰ませてしまうほどの性能があります。

故に除去が支配する環境でも8キッドは非常に強力だったわけです。

さらにヤマトはリーダーのダブルアタック、緑ウタは”私が最強”によりサカズキに対しては8キッドをプレイせずに勝ちを狙うことが可能になっています。

8キッドに依存するデッキはサカズキ環境では不適でしたが、サブプランとしての8キッドが勝ち馬デッキとなっていたのはこういう理由があったのです。



終わらない”黒”環境

最強の戦術 “除去”+”展開”

これまでの環境を振り返り終わったところで、早速これからの環境について考えてみましょう。

まず、サカズキが消えたとしても除去というギミックが消えるわけではありません

そもそもワンピースカードは突然の1ターンキルなどはできず、盤面の強さがそのまま試合展開に直結するゲーム性

相手の盤面を処理しながらキャラを出すというのは最大限の盤面差を生じさせることができる行為であり、それが強いのは自明の理です。

リーダーサカズキや大噴火が禁止になったとはいえ、黒色固有の”コストを下げてKOする”というギミックそのものが消えるわけではないのです。

9ゾロが環境で暴れるのはもっと先の話になりそうですね…

万能神8モリア

このカードの禁止を予想した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

現状の高コスト系のカードの中で最大の性能を誇っていると言っても過言でない1枚です。

8コストで14コスト分の展開を行うことができる時点で弱いわけはないのですが、モリアの最大の強みは動きの多彩さにあります。

アイスエイジ+ヘルメッポ+ルッチで相手の盤面を処理することもできれば、4レベッカ+低コストサーチカードでリソース補充することも可能です。

これにより展開を長所とするデッキに対しては処理を、黄エネルのような耐久に重きを置くデッキに対してはリソースでの勝負をするといったように相手に合わせて役割を変容させることができます

この選択肢の幅が黒を環境トップに押し上げている要因の一つであることは間違いなく、8モリアを使用できる黒が環境から転落するとは考えにくいでしょう。


余談ですが、個人的には8モリアが強すぎるのは大体このカードのせいなんじゃないかと思ってます。

イラストが良すぎる

このカード1枚でできることがあまりにも多すぎます。
サカズキもこのカードがなければもっとずっと脆いデッキだったに違いありません。

個人的禁止カード筆頭ですが、SPの値段があまりに高いことから突然禁止にすることはできなかっただけなんじゃないですかね…


除去耐性

基本的にこのゲームの除去はKOによって行われます。
黒も例外ではなく、基本的には効果によるKOに依存しているのでKO耐性は黒のメタとして運用可能です。

では現在使われている最も強力な除去耐性持ちカードを見てみましょう。

そうです、あろうことか黒色で刷られてしまっているのです。

緑6コストのホーキンスなども新たに登場してはいるものの、単体で”このデッキは黒に強い”と言えるようになるほどゲームプランに影響するカードではない為”除去耐性”という切り口で黒を環境から落とすのはまだ難しそうです。


黒が今後抱える問題点

ここまで黒がいかにこれからも強いかについて言及しましたが、環境トップが盃から黒に変わっただけで終わるかと言えばそんなことはありません。

現状最も注目されているルッチ、今後も強いことが予想されるモリアがtier1候補筆頭であることは間違いありませんがサカズキより明確に劣っている点があります。

それは選択肢の少なさです。

新リーダーであるルッチをサカズキと比較してみましょう。

サカズキは毎ターンの手札交換によって理想に近い手札をキープできるようなデッキでした。
故に除去に関しても”大噴火”や”氷河時代””3コストヒナ”といったコストマイナス系のカードに”4コストルッチ”や”犬噛紅蓮”のような低コスト除去を併せて使うことでエコに行うことができていました。

しかしルッチは手札入れ替えの手段に乏しく、ある程度引いてきたカードで勝負していくしかありません。
従ってサカズキのようにカードの組み合わせで処理を行うことは難しく、故に”9コストステューシー”のような単体で完結したカードに頼らざるを得ないのです

これでも問題なく除去こそできてはいるのですが、除去が大味になったことで
「相手の盤面を処理しながら4レベッカでブロッカーを出しつつカウンターを回収する」
といったような複雑な芸当はできなくなっています。

これが現在の黒が持つサカズキにはなかった欠点です。


環境の展望

このように黒も万能ではなくなったことで、サカズキには通用しなかったゲームプランでも今の黒であれば通用するというパターンは少なからずあります。

突然9ゾロのような「生存すれば勝ち、できなければ負け」というようなカードが通用するようになるわけではありませんが、登場時にある程度の仕事ができて相手の除去を強要できる9ひげや10ドフラ、10ニカなどは以前よりも有効に使うことができるはずです。

赤紫ローのような速いデッキも、除去と防御を同時に行うことができずに盾5の割にサカズキより楽に勝てるということもあるかもしれません。

その反面、これまでサカズキの後塵を拝していたエネルやボニーなどの耐久寄りのデッキは除去環境が終わらないことによってtier1になるどころかこれまでよりも厳しい戦いを強いられるということもあるかもしれません。

ぜひサカズキ環境ではスポットライトが当たっていなかったカードに目を向け、新たな可能性を見出してみて下さい

新たな環境デッキが登場するのを楽しみにしています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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