あそびの心をしらない

百日紅の花が風に吹かれて、枝をしならせている。太陽をいっぱい浴びようとしているのか、枝先にばかり集まっていてなんとも重そうだ。耐え難い暑さの中、その名の通りとても長い間咲き続けるのにも関わらず、たっぷりとした花々が鮮やかな色を保ち続ける様に強さを感じる。なんだか背筋がしゃんとしてくる。

今年はいかにも夏らしい、高く青い空に恵まれている。それでも京都の夏によくあった、気の遠くなりそうな程白い空気に触れることは未だなく、湿度の問題なのだろうかと考える。関東の夏はこの猛暑でも、強い風がしっかり吹き、まとわりつくような湿気はどこかへ払われていく。蝉の声が重なり合って地響きのようになることもない。ありがたさの反面、なんだか物足りないような気もする。風や車の走る音のほうが大きいくらいだ。

いつの日か長い旅をして、いろいろな土地の夏の違いを楽しんでみたい。


あそびの心をしらない - 水中図鑑

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