毛玉

雪のようなものがそこらにふわふわと浮かんでいた。職場の敷地内でのことである。しばらくは見間違えや、めがねの汚れかと思っていたが、やがて本降りのようになり目を疑った。落ちたそれらは溶けず、埃のように地を這い、そういう現象をこの数日見続けている。
外から中の階段へ侵入したそれを間近でみることが今日やっとでき、それはたんぽぽの綿毛であることがわかった。すぐ近くの河川敷に群生していたのだろうか。種はひとつひとつ分かれていることは少なく、固まって舞っているものをよく目にしたけれども、それは単に見えやすかったからかもしれない。
また、あちらこちらでハナミズキが満開になっており、サツキも咲いているのを見た。ツツジやフジが咲いた話も聞いている。良い季節となったところだし、仕事など放って延々と散歩していたいものである。(なつき)