フリスビーの上達。
最近、毎日のように公園に行っては、フリスビーを投げている。
フリスビーというのは、言ってしまえばただのプラスチック製の円盤だ。それをただ投げるだけなのに面白い。何度も何度も、奥さんと二人、疲れるまで投げる。
最初はぜんぜん下手だった。僕らが投げたフリスビーはくるっと裏返ってしまったり、ヘナヘナと揺れて落ちたりしていた。
でも何投かに一回、ふわっと風に乗って真っ直ぐ進むことがあった。さらにそのうち何投かに一回キャッチできると「おお!」と気持ちが高揚した。
だめだった時のがっかり感とうまくいった時の快感。これがクセになる。しょっぱいものを食べた後に甘いものを食べたくなる、みたいな感じで。
勤勉な僕は「フリスビー 投げ方」で検索して、うまくいく方法を調べはじめた。
一方、奥さんは何にもしない。それどころか最初は利き手じゃない左手で投げていた(面白いんだけど、奥さんは右と左の区別が苦手だ)。
で、今日。僕は先のサイトにあった
フリスビーは、前に押し出すのではなく、後ろから引っ張る意識で投げるのが良いです。
のコツをつかんだ。
面白いぐらい、真っ直ぐ飛ぶ。ひっくり返って落ちることはほぼなくなった。すごい充実感。夢中になって何度も投げた。
フリスビーが上手に投げられたところで、特に何の意味もない。人に教えることもお金を稼ぐことも別にしないし。
だけど、こんなにもうれしい。
僕らは久しぶりに「遊ぶ」という感覚を思い出していた。
「音楽もこんなふうに "遊べ" たらいいのになあ」と思った。いろんな経験を積み重ねたことで、僕の音楽はぜんぜんフリスビーっぽくなく、快感も薄れ、すっかり煮詰まってしまっていたのだ。
でも、フリスビーが上達した今日。久しぶりに新しい先生に出会うことができた。話を聞いているだけで心がホッとするすてきな先生だ。
そのことがなんだかうれしい。そして、先生が繰り出す課題をフリスビーを追う犬のように楽しんで追いかける自分の姿がありありと想像できて、いまからウズウズしている。
明日も晴れたらフリスビーを投げるんだろうな。
そしてレッスン楽しみだな。
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