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しん、とした気持ち。

『南畑美術散歩』が終わってしまったからだろうか、妙にしんとした気持ちでいる。

静かで、穏やかで、しかし何も動かない。
話しかける奥さんの声もうわの空だし、なにかしようにも気力が起こらない。

僕は燃え尽きているのだろうか?
いや、しかし、めらめらとからだの奥の方で火が揺らめいているのは分かる。

圧倒的な未来がおとずれるとき、人の意識はそれについていけず、こんなふうに待機状態になるのかもしれない。ただ穏やかにしている身体と、奥の方の炎だけがそれを知っていて、自分だけが取り残されているような。

9月の移住以来、嵐のように働いた3ヶ月。
その熱量と叫び声が遠くのどこかに木霊して、返す波が立つゴゴゴゴという轟音が、どこかから聞こえてくるような、そんな静謐の中にいる。

耳をすませば、確かにきこえるのに、まだ見えないその音が。

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