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そのやり方いいね。そして、僕のやり方も教えます。

今年の「南畑美術散歩」が開幕した。

オンライン開催で、これから11月30日(月曜日)まで、南畑に住む作家さんのインタビューを中心に公開していく。

今日はその中のお一人、彫刻工房竹中の竹中先生が小学校で授業をするというのでお邪魔してきた。

五年生のみんなが、彫刻刀で木を削って「物掛け」をつくるという授業。

素晴らしかった。
いろいろと素晴らしかったのだけれど、一番心に残ったのは、先生の子どもたちとのかかわり方だ。

「うまくいってるね」
「遅れてる人、焦らなくていいようー」
「手が疲れてきたね、だいじょうぶ?」
「もうちょっと、もうちょこっと、がんばってみよう!」
「オッケイ!合格!」

子どもたちにかける一言一言が、あったかい。
子どもたちの意思を尊重していることが、いつでも感じられる。

硬い節があったりして子どもの力では削りにくいときには

「やってもいい?」

と必ず聞いてから手を加える。誰に対しても必ず、きもちを聞いてから直す。それが徹底されていた。

子どもたちは「敬意」を表されているのだ、と僕は思った。
そのことが何よりも大きな財産になると思えた。

今日のタイトルにしたのも、そんな竹中先生のひとこと。

「そのやり方いいね。そして僕のやり方を教えます」

うまく木が削れない子どもたちにかけていた言葉だ。

こういうのって、教えられただけではなかなかできない。
姿勢として染み付いていないと嘘くさくなってしまう。

今日、目の前で見せられた「80代の先輩が10代の後輩に敬意を表している姿」は、その場にいた子どもたちだけでなく、僕にもやさしい衝撃となった。

先に添付したインタビューをしたときから「こういう大人になれたら」と思っていたのだけれど、ますますその思いが強くなった。

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