阪神は“失敗”したのか?
開幕して早くも一週間以上経ちましたね。
今年は開幕からどこもスイープで決着するカードが多くて驚いてます。しかもホーム側だけならまだしもビジターが3連勝するケースも多く見られ、いつもこんなんだったかなあと。
そんな中で特に話題になっているのが阪神タイガース。去年は首位東京ヤクルトスワローズに0.0ゲーム差の2位で終わり、今年はその雪辱を果たすシーズン。矢野燿大監督がキャンプ初日に今年限りでの勇退を発表するなど、不退転の決意が現れてました。
しかしいざ開幕してみると…なんと現在9連敗。セ・リーグ記録を更新してしまうほど負け続け、未だ出口の見えぬ日々を送っていると。
僕は阪神ファンでもアンチでもないので、特に勝ってほしいも負け続けてほしいもないのですが、どこのチームでもそうなんですが負け続けるとこんな話になってくるじゃないですか。
阪神は何を間違えたのか?
つまり敗因を探し始めるわけですね。メディアからファンから、どこがダメだったのか、采配の間違えはどこだったのかなど、負けている理由を探しがちだと思うのですよ。まあ正直僕も同じです。
で今の阪神を見ていて少し思うところがあったので今回noteを書かせていただきます。大まかに分けると開幕後、開幕前。そしてこれからの事ですかね。いろんな視点から私見を述べさせていただこうと思います。
まずこちらから。
①開幕後の阪神の采配は失敗か?
まず開幕戦を振り返ってみますか。
3月25日、京セラドーム大阪で行われた阪神タイガースvs東京ヤクルトスワローズの開幕戦は、両チーム合わせて30安打18得点の空中戦と相成りました。
阪神の開幕投手は藤浪晋太郎投手。エースである青柳晃洋投手が直前に某ウイルスに感染してしまい、その代役として抜擢されました。
藤浪晋太郎
ここ4〜5年ほどずっと伸び悩んでしまっている藤浪投手ですが、この日は7回を3失点に纏める安定した投球を見せ降板。打線も4回までに8得点を奪うなど大爆発。圧勝とも言える試合運びで阪神有利のまま終盤戦に。
波乱が起こったのは8回表。2番手の齋藤友貴哉投手がドミンゴ・サンタナ選手に2ランホームランを浴びるなどしてイニング途中で降板。代わったリリーフエースの岩崎優投手も内山壮真選手、塩見泰隆選手に連続タイムリーを浴びてしまい1点差に。
不穏な空気が漂い始める中、9回表に登板したのはカイル・ケラー投手。昨年まで在籍していた絶対的守護神のロベルト・スアレス投手がメジャーリーグに行ってしまった為、新守護神として補強されたピッチャーです。
150kmを超えるストレートとカーブを主体にしたピッチングをする投手で、タイプ的には2019年に在籍していたピアース・ジョンソン投手なのでしょう。実際にこの日は最速153kmを計測していたので、カタログスペック通りではあったのでしょうが…。
先頭、いきなり山田哲人選手に被弾してしまいます。
更には1人ランナーを貯めた後でサンタナ選手に2打席連続となる2ランホームランを浴びジ・エンド。8-10という大逆転負けで開幕戦を落としてしまったわけですが。
カイル・ケラー
まあ負けたのは仕方ないとして。
試合が終わった後、このような論争が起きたのを目にしまして。
8回表に齋藤友貴哉を登板させたのは正解だったのか?
要するに8回表時で5点差だったとはいえ、勝ちパターンでもない投手を登板させたのが間違いだったのでは?という意見が出たらしいんですよ。
確かにそれも一理あって、開幕戦は毎年独特の緊張感があると言いますしどんなに点差があっても盤石リレーで行くべきだと。確かに先頭から岩崎投手を出していればおそらく勝てたでしょう。
しかし、所詮は結果論。例えば読売ジャイアンツが今年守護神にルーキーの大勢投手を指名しまして開幕戦から2点差の場面で登板させたわけですが、そこで満塁のピンチを作ったんですよね。
大勢
結果抑えて勝利したわけですが、じゃあ打たれていたらどうだったのかと。
おそらく「ルーキーをいきなり守護神にしたのが失敗だった」と言われていたはずなんすよ。だから批判も称賛も紙一重なんですよね。確かに盤石リレーでいけば阪神は勝てたかもわからないんですが、正直継投よりは抑えられなかった齋藤投手が悪いと思うんですよ。彼には申し訳ありませんが。
しかも開幕戦で大逆転負けを食らったからと言って、それが8戦も響くなどというのは…正直響きすぎですよね(笑)もちろん勝てなくて焦って変なプレーをして…の連鎖に陥ってしまったりしますから影響はなくはないんでしょうが、さすがにここまで負けるなんて開幕戦終了直後は誰も想像してなかった。
まあ3戦目に先発させた桐敷拓馬投手をいきなりリリーフに配置転換するなど焦っているような動きは見て取れますが、開幕後の阪神に9連敗の直接的な原因があるとはちょっと思えないんですよねえ。
直接的な原因ではないですがあえて言えば打線の組み方がちょっと謎だなってぐらいで。例えばジェフリー・マルテ選手が足首の故障か何かで抹消になりましたが、代わりに出場したのが木浪聖也選手。ファースト大山、セカンド木浪、サード糸原の布陣で戦ったわけですが。
正直個人的には、あまり怖くない布陣かなと思うのですよ。木浪選手は確かに良い選手ではありますが、パワーはあまりないと。オール日本人打線でホームランがある程度期待できそうなのは佐藤輝明選手か大山悠輔選手のみ。糸井嘉男選手もまだまだ健在ですが、シーズン通してパフォーマンスを発揮するのは正直厳しい。
となると、どうしてもマルテ選手がいないと火力不足感が出てしまう。それなら安定感がなくてもメル・ロハスJr選手をライトで使って佐藤選手をサードにした方が打線的な怖さはある気がしますね。
で、これと少し関係ある話を今からしようと思います。
②開幕前のチーム編成は失敗か?
そもそも阪神は今年のオフ、野手の外国人選手を補強しませんでしたね。
去年の前半戦の立役者でしたが後半戦失速したジェリー・サンズ選手を放出したわけですが、代わりの補強は行わず半ばロハス選手と心中した形になったわけですが。
メル・ロハスJr
そもそもこのロハス選手は2年契約で入団した選手でして、獲得時は巨人との競争に勝って手に入れたわけです。
獲得競争があったという事は即ちお金以外にも契約で何かを盛り込んだ可能性があるわけで、実際あったかはともかく去年は60試合に出場し206打席に立ちました。打率.217 8本と正直微妙な成績でしたが、オリンピック明けあたりはマルテ選手、後半戦は打った月もあってかサンズ選手よりも優先して一軍に帯同していましたね。
で、マルテ選手が二軍にいた時に一悶着あったらしいんですよ。なんでも一軍に上げないならトレードに出してくれと訴えたとか。実際一時期は自身のインスタグラムに意味深な画像を投稿したりして話題になってましたが、結局マルテ選手は昇格し、噂は噂のまま消えました。
ただ去年3人体制だったにも関わらず今年2人体制で挑んでるので、まあ何かそうせざるを得ない事情があるのは確かなんでしょう。
ロハス選手を一軍帯同させてるにも関わらずスタメンで出さない理由とかも、契約上の事情があるのならなんとなく理解はできます。
そして次はピッチャー。投手の方は先ほど名前を出したケラー投手とアーロン・ウィルカーソン投手の2人を獲得。元々在籍しているジョー・ガンケル投手、ラウル・アルカンタラ投手、チェン・ウェイン投手と合わせると合計5人在籍していると。
そしてケラー投手を守護神として獲得し、開幕から任せたという事なんですが…まあ正直可哀想だなと思うんです。
先ほども書いた通り、去年阪神にはスアレス投手という絶対的な守護神がおりました。
ロベルト・スアレス
いや、本当にこの選手は凄かった。
昨シーズンは62試合に登板して防御率1.16、被本塁打はなんと0!150後半のストレートを投げコントロールも良く変化球の精度も良かった。この投手が出てくると負けるだろうという雰囲気がありましたよね。
で彼に比べたらやっぱり誰が後を継いでも見劣りしちゃいますよ(笑)むしろ外国人投手がその生贄になってくれて良かったねぐらいの感じじゃないですか?
だからまあ阪神に詳しい人からしたら当たり前の話かもしれませんが、阪神が失敗したのは投手編成じゃないですよね。野手編成ですよね。
野手編成に失敗したからと言ってそれか9連敗に繋がってるわけではありませんが、どうあっても去年より劣ってしまう守護神補強よりは、補強すれば確実に戦力になる野手の補強をしなかったのは編成の失敗でしょうな。
枠の問題でガチャつくのが嫌だったら実績がなくて保険要員でも文句言われなさそうなマイナーの奴を引っ張ってきたって良かったと思いますね。とにかく代わりがいるのは大切ですし、今回のようにマルテ選手が怪我した場合に予備要員がいれば昇格させる事ができたわけですから。
申し訳ないですが、開幕から糸井選手が出突っ張りの状況はちょっと危ういと思います。本来糸井選手が出るのは新外国人が失敗してからとか、どうしようもなくなった時に助けてくれる存在としているのが理想じゃないですか。
それが開幕からいて、しかもクリンナップを打っているというのは最初から緊急事態でスタートしているようなもんでちょっと苦しいですよね。もちろん打ってる糸井選手は凄いですけど。
糸井嘉男
まあ彼がいる・いないに関係なく9連敗している状況なのでとやかく言ってもしょうがないんですが、大事なのはここからですよね。
③ここから阪神が貯金を30作る方法
優勝ラインが貯金20以上とすると、阪神は残り134試合で貯金を29以上作る必要がある。とすると単純に考えて80勝くらいはしないといけない。
開幕9連敗は一旦忘れて、今から80勝できる可能性があるかって事ですよね。
結論から言うと…ちょっと難しいとは思います。先ほど書いたように今年の阪神は最初から詰みの状態でやってるので、ここから新しい戦力を作るとしても日本人になる。守護神はもしかしたら再調整したケラー投手かウィルカーソン投手でいけるかもしれませんが。
阪神には有望な若手がたくさんいますが、例えば井上広大選手とか前川右京選手を抜擢するにしてもまだ早い。社会人ルーキーの豊田寛選手もわりと打てそうですが、ルーキー年から飛び抜けて打てるかと言われるとそこらへんの判断はまだしかねる。
結局どんなにロハス選手が不安定だとしても、彼以上に怖さがある日本人選手って糸井選手しかいない。だから糸井選手を使ってるんでしょうが、40歳の大ベテランにシーズンフル稼働で高い成績を残してもらうというのは少し無茶。
正直、今の打線と投手陣だと貯金10作るのが限界かなという気がします
借金9からの貯金10ですから、まあ5割ぐらいっすよねえ。外人の途中補強があってクレイグ・ブラゼルさんみたくハマれば本当の貯金10くらいまではイケるかもしれませんが、それよりも阪神はこれを狙った方がワンチャンあるかもわからんですね。
・交流戦一人勝ち
交流戦は状況をひっくり返せる最大のチャンスですよね。毎年18試合やる交流戦の中で、必ず1球団は勝てる球団、負けまくる球団が出てくる。
例えば14勝4敗で終えられれば貯金が10できる。そしてAクラスチームが総ゴケすれば、一気にゲーム差が縮まると。
もちろん言うは易く行うは難し、そんな理想的な展開になるかはわかりません。しかし現状を鑑みると一回交流戦に賭けてみるのが今のところ最善策かなと思います。
リーグ戦はどうしても3球団負けたら3球団が勝ってしまうので、大型連勝でもしない限り下から上に突き上げるのは難しい。
カード勝ち越しを繰り返すにしても借金9から完済するのにも1ヶ月かかっちゃう。6ヶ月しかない中で1ヶ月潰すのはなかなか厳しいですよね。
だから、交流戦かなと。
交流戦で相対的にゲーム差を縮めつつ前半戦終了までに借金を返済できれば、後半戦ワンチャン賭けられなくはないんじゃないでしょうか?
今回は以上です。すべては僕の私見なので全然外れる可能性はありますし、明日からいきなり9連勝する事だってあり得るでしょう。とにかくこのまま終わるのはファンが可哀想ですし、なんとか逆襲してほしいところです。
まあ僕は阪神ファンじゃないので眠ったままでいてほしいですが(笑)
という事で、とりあえず明日どうなるか注目しましょう。最後まで読んでくださりありがとうございました。
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