見出し画像

オススメしたい春アニメ『スーパー・カブ』と、非ファンタジーラノベが好きなんですという話

 最近すっかり暖かくなりましたね…という書き出しで始めようと思ったら今日めっちゃ寒かったですね(笑)

 今日リトル・カブに乗ってジャイアンツ球場まで行ってきたのですがまぁ~寒くて寒くて。しかも試合内容も2-8で負けというなんともお寒い内容でして(笑)

 昔から野球が好きで読売ジャイアンツを応援しているのですが、野球の何が嫌かって金出して行ったからって絶対幸せになれるとは限らんとこなんですよ。まあだからこそ楽しめる部分はあるのですが、アニメでもドラマでもないただの現実なので、行く試合によっては何の見所もなく帰らなければいけないわけです。

 その点作品というものは絶対に僕らを裏切らない。いや、時には裏切られますが(笑)ちゃんと面白く作ってくれたものはちゃんと面白さを味わせてくれるじゃないですか。

 僕は昔からアニメが大好きでして、今は全部チェックするほどの元気はなくなってしまいましたが若い頃はそれこそ1話は絶対に全部観ると決めていましたし、その中でいろんな作品と巡り会う事ができました。

 偶然の出会いって良いじゃないですか。なんとなく手に取った作品にめちゃくちゃハマったり、深夜流し見していたアニメが予想外に面白くて全話観ちゃったり。

 個人的に大人気でみんなが観ているアニメとかだと逆に観れなくなっちゃって、最近では『鬼滅の刃』とかですかね。もちろん面白いのでしょうがどうしても敬遠してしまう。

 他人に紹介してもらった作品でもハマったりはするのですが、自分の意思で選んで観て面白いものを見つける快感足るや計り知れないものがあるわけです。

 まあとか言って今から皆様に作品をオススメする気満々なのですが(笑)4月から始まるアニメの中で、絶対観ようと決めてる作品があるんですよ。

スーパー・カブ


 ラノベが原作のアニメですね。天涯孤独の主人公・小熊が、一台のスーパーカブを手に入れた事で人生を豊かにしていく物語です。

 実を言うとこの作品、前にもnoteで紹介させていただいた事がありまして。

『スーパー・カブ』と、スーパーカブと、バイク旅をする面白さを味わってきましたという話|二岡せきぬ

 この作品というよりも『スーパー・カブ』の舞台地に行った旅行記を書いた感じですね。炎天下の中カブに乗って片道5時間くらいかけて行ったんでかなりしんどかったのですが(笑)バイク旅の面白さなんかも味わえてかなり楽しかったんですよ。

 この時の記事でも書いたのですが、『スーパー・カブ』も本当になんとなく本屋で見かけて手に取ったのが出会いでした。

 若い頃はラノベオタクでもあっていろんな作品を買っては読んでいたのですが、最近ではすっかり読まなくなってしまいまして。しかし『スーパー・カブ』だけはなぜかスラスラと読めた。

 前置きが長くなりましたが、今回は『スーパー・カブ』の魅力について書かせていただこうと思います。まず1点目。

・区切りが短くて読みやすい

 いきなりアニメとは関係のない話になってすみません(笑)

 でもこれってラノベではかなり読みやすい作りになっておりまして、例えば小説って1章2章って感じに分けられてる場合が多いじゃないですか。

 物語には起承転結というものがあって、だいたい「出会い」が1章、物語に巻き込まれるのが2章、ピンチになって3章みたく数十ページごとに話が展開していく。スタンダードな方法で否定する気もないんですが、正直もうそこまで活字を追い続ける集中力がないんですよ。

 小説って、まあラノベならイラストが差し込まれたりもしますが基本的には文章を読んで頭で想像していく作業をするわけじゃないですか。絵で情報を得られるアニメや漫画とは違って頭の中で整理しながら読み進める必要がある。10代で貪るように電撃文庫とかを読んでた時なら普通にやれたのですが、今そんなしち面倒くさい事をするぐらいならアニメや漫画でいいやってなっちゃうんですよね。

 でも『スーパー・カブ』は連続のショートショートみたく10ページ以内で展開が変わっていく。変わると言っても劇的に話が流れていくわけではなく、例えば1巻なら(1)の『ないないの女の子』で主人公・小熊の紹介。(2)の『カブを買いました』でタイトル通りカブを購入し、(3)の『初走行』で街をカブで走ってみる。この(1)から(3)までがおよそ20ページほどで纏まっていて、それ以降もテンポ良く話が進んでいくんです。

 一気読みもできますし、仕事や学校へ行く前の短い時間にもちまちま読める。これが今の僕の生活に非常にマッチしたと言いますか、途中でやめる事なく読み進める事ができた。

 現代って、いろんな娯楽に溢れてるじゃないですか。配信サイトでアニメが観れるし、YouTubeで暇潰しもできる。オタクであってもあえてラノベを読む必要性がなくなっている昨今でありまして、逆に言えば『スーパー・カブ』みたく短い話の連続みたいな小説が現代にマッチするんじゃないかと、そう思ったりもいたします。

 もちろんテンポだけでなく中身も魅力的でして。

・主人公の成長がちゃんと描けている

 主人公の小熊は親に捨てられ、友達もおらず一人で味気ない生活をしている女子高生。1巻ではそんな小熊が安くて古いスーパーカブを購入してから徐々にカブ愛に目覚め、個性的な友達と出会いつつ最後には大胆な行動をするまでに成長します。

 カブと出会い、カブが好きな仲間と出会い、少しずつ自分の世界を広げていく。

 その過程がとても丁寧に描かれていて好感が持てるんですよね。

 アニメではどのように表現するかわかりませんが、制作会社が『ウマ娘』の二期を作ったスタジオKAIというところなのでそんな大外れはしないんじゃないかなと。

 あとストーリーで言うと、小熊以外のキャラクターの成長も面白くてですね。

 毎巻最後の方にちょろっとだけ出てくる男子高校生がおりまして、まったく話の筋とは関係なくてキャラ名もないんじゃなかったかな?結構なモブなんですけど(笑)でも毎巻小熊と必ず絡むんですよ。

 この男子高校生もカブ乗りでして、1巻目ではパンクして立ち往生しているところを通りがかった小熊が助ける。しかしいかにもなよなよしていて甘ちゃんなその男の子の態度に小熊がキレるんですね。

 そのシーンを読んだ時、正直説教臭くて嫌でした(笑)確かに世の中を知らない甘ちゃんキャラなんですけど、そんなのをストーリーライン関係なく敢えて差し込むのってちょっとどうなんだろうとか思ったんですが、これが巻を重ねるごとに良くなっていく。

 その男の子も本筋とは関係ないところでカブ愛を育み、成長していく。どんどん逞しくなっていき、終いには1巻で小熊にやってもらった事を他の女の子にやってあげるまでになる。それを読んだ時「おぉっ!」となっちゃって(笑)

 作者のトネ・コーケンさんが1巻時点で決めていらしたのかわかりませんが、結果として作品の中でその男の子キャラがかなり良い味を出すまでになってるんですよ。

 あとこれはあくまで個人的になんですが。

・非ファンタジーラノベである

 皆様、ラノベといったら何をイメージしますか?

 大抵の人はファンタジー作品であったり、特殊能力モノであったり、非日常系の作品を思い浮かべるんじゃないかと思います。

 僕も非日常系の作品で好きなのはいっぱいあるんですが、何の能力もない作品というのにも昔から強く惹かれておりまして。

 例えばこの作品とか。

とらドラ!


 非ファンタジーラノベの金字塔とも言える『とらドラ!』でございます。主人公の竜児とヒロインの大河を中心とした恋愛模様を描いた作品で、マジで何の特殊能力も出てこないのですが人間描写の濃さ、繊細さがとても素晴らしい。

 あとこれとか。

"文学少女"シリーズ


 分類的にはミステリーになるのかな?これもまた非ファンタジーラノベの名作です。元天才小説家の心葉と文芸部の先輩で小説を文字通り食べて味わう遠子先輩が、 毎巻名作小説になぞらえた謎を解き明かしていくという展開でありまして、当時かなりハマりました。

 こういう非ファンタジーラノベの魅力って、言ってしまえばバトルにならない事なんですよ。特殊能力モノって面白いですが、漫画みたいなストーリー展開にせざるを得ないじゃないですか。

 もちろん面白ければなんだっていいんですが、人物描写というよりも視覚的な面白さに重点がいく。小説というのは描写を書きこめる事に価値があると思っているので、特殊能力バトルだとどうしてもわかりやすい描写になってしまうんですね。

 特殊能力が出てこない作品って、人物描写を掘り下げないと面白くならないんですよ。キャラクターがなぜこのような行動を取ったかとか、感情の描写とか、浅くやってると全然魅力的にならない。

『スーパー・カブ』では小熊がカブに出会っていろんな人と触れ合ううちに心を開いていって、様々な出来事や困難を時には一人で時には仲間と解決していく様子をちゃんと描けてるんですよね。

 カブはただのバイクであって、特殊な力もなければ悪の組織もいないし世界の危機も救わない。ただ冬には寒さの中で走る為にいろんな道具を試したり、どうにかして富士山にカブで登ろうとしたり、事故に遭ってみたりと、カブに乗ってるだけでイベントがたくさん起こり、その中でいろんな出会いや発見がある。

 そこらへんをちゃんと面白く描けてるので、この作品凄いなと素直に感心しちゃって。

 ちょうどアニメが始まる時期でございますし、これを機会に皆様に知ってもらえたらとそう思った次第であります。

 今回は以上になります。とりあえずアニメを観ていただいて、そこから原作に手を出していただくなり自由にしていただければと思います。1つ言えるのは、この作品は面白いという事です。

 是非ご覧ください。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?