スロウスタートのはなし(※きらら4月号のネタバレあり)
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本記事は『まんがタイムきらら 2020年4月号』の『スロウスタート』のネタバレを含むものであり、そちらを読んでいない方は先にそちらを読んでから本記事を読むことを推奨している。というかそれを読まずにこの記事を読むと『スロウスタート』を正しく楽しめなくなる可能性があり、自分にとってもそれは不本意なことなのでそこは守っていただきたい。本屋で立ち読みするとかでも構わないので必ず本編を読んでから本記事を読むこと。
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さて、本題に入る前に一つ。
9ページの1コマ目、志温ちゃんが持っている箱のようなもの。よく見ると「SAWAIZAWA ROYAL BREAD」と書いてあるんですね。
いやいやいや。ロイヤルブレッドて。ヤ○ザキか?春のパン祭りか?と。
で、まあ気になったので調べたんですね。
そうしたら。
ガチで存在してました。
実はこれ、軽井沢創業の「ブランジェ浅野屋」という店の商品らしく、東京にも出店していて、なんと東京駅でも買えるらしいです。詳しくはこちら。
で、これ割とお高いんですよね。葉月さんが東京から買ってきた可能性もなくはないですが、まあ現地の名物を買ってくるとも考えにくいので、おそらく葉月さんのために志温ちゃんが買ってきたものだと思われます。
まあ、機会があれば買ってみるのもいいと思います。スロスタ勢の嗜みよ。
まあパンの話はここまでにして、本題へ。
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以下、個人の見解、偏見等がかなり含まれます。予めご了承ください。
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本編の割と序盤から「話しても大丈夫かも」と思っていた花名ちゃんがここで初めて浪人のことを話す明確なビジョンを持ちます。蓄積してきた信頼がついに秘密が「不意に口をつく」ほどになり、それと共に多少なりとも変化が訪れようとしています。
「浪人について話す」ことは言わば『スロウスタート』という作品の終着点となり得る一つのポイントであり、作品史上最大の分岐点となるでしょう。
そして、最後に出てきたキャラクター。花名ちゃんと同じ中学時代の同級生など、花名ちゃんの過去を知る人物である可能性が非常に高いです。彼女がどういう人物かによってある程度予想ができるので、ここに述べておこうと思います。
まずひとつめ、彼女がその場で近づいてきて花名ちゃんに話しかけた場合。この場合花名ちゃんはいつものメンバーに彼女のことを「中学のときの同級生で……」などと紹介するでしょう。しかし1年の他のクラスまでよく把握しているえーこちゃんは高校の同級生でないことはすぐわかりそうですし、何より上靴の色が異なる。花名ちゃんが「何気ない日常の中で」「自分から」話そうとしていた「浪人していた」ということは「言わざるを得ない雰囲気の中で」話すことになってしまい、花名ちゃんは逃げ出してしまう可能性があります。その場合、花名ちゃんは再び閉じこもってしまう可能性も高い。
その場でなくとも、いつもの4人でいるときに彼女が話しかけてきた場合も同様となる可能性が高いです。
ふたつめに、花名ちゃんが一人でいるときに話しかけてきた場合。この場合、花名ちゃんは「浪人のことはみんなには秘密にしてほしい」という発言をするでしょう。このことにより秘密の共有者が増える一方、「浪人のことを話す」ということからは遠ざかり、秘密はそのままに物語は進行することが考えられます。
また、いつもの4人が揃った状態ではなく、例えばえーこちゃんと2人でいるときに話しかけられた場合も秘密の共有者が増えますが、この場合は「他の2人にも話す」ということに対してのハードルを感じてしまい、こちらも同様になると考えられます。
みっつめに、実は彼女は浪人のことについて知らない、という場合。名前を知っていた理由については、例えば「実はてまりハイツの新しい住人で、志温ちゃんから名前は聞いていた」など、色々考えられます。この場合、特に何事もなく物語は進行するでしょう。しかし、この可能性は低いでしょう。
他にもいろいろ考えはありますが、そこから発展させるのが難しいので省かせていただきます。
いかなる場合でも、今後の彼女の動向が作品の展開を左右するのは間違いなさそうです。今後も目が離せそうにないですね。
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