「いまさらキスシーン」を見た感想

今更だけど

7月末に上演された橋本祥平さんのひとりしばい「いまさらキスシーン」の感想を、今更書きます。
公式HP

今更、いまさらキスシーンの感想
(笑うところです)

いまさらキスシーンを見たことない舞台好きが、橋本祥平につられて観劇した結果、ひよりちゃんと橋本祥平両方にズブズブになる過程を

橋本祥平につられて観劇した”ところから書いてます。ので長い。前置きが滅茶苦茶長いです。

★なお、今回の感想は観劇当時の感想と今の感想どちらも含みます。また、その日の自分の事もちょくちょく挟むので、感想のみ読みたい方、下の目次から「ネタバレ感想」まで飛んでください。多分そこからは純粋な感想です。(まーた無計画に書く)★

✬常にネタバレ注意✬

ほんとに主観だらけの感想です。あと、“玉置さんのいまさらキスシーン”を見る前に書いた感想が8割です。許して

基本データ「いまさらキスシーン」とは?

中屋敷法仁さんか代表を務められる「柿喰う客」という劇団で演じられている一人芝居です。

柿喰う客さんは、いつでもどこでも柿喰う客という謳い文句で“戯曲”や“動画”を無料で公開してくださってる滅茶苦茶凄い劇団さんなので、見ようと思えば戯曲もDLできますし、「観劇三昧」っていうサイトに行けば前半3分くらい見れます。会員登録したらフルで見れます。

見て。

(橋本さんのいまさらキスシーンを既に鑑賞された方も是非見てください。ぜんぜん違ってて興味深い。男前田先輩別人です。)

 
 

 
一人の女の子の青春を、30分強でぎぎゅっと詰め込んだお芝居。

それが、いまさらキスシーンです。

(観劇後しばらく経って知ったんですが、中屋敷さんって文ステ(文豪ストレイドッグスの舞台)の演出を務めてらっしゃるんですね…。なるほど…)

観劇前のあれこれ

なぜチケットを買ったのか、正直覚えていない。多分ノリだった。

コロナじゃなかったら紙チケットだよな…いやでも、コロナがなかったらこの公演はなかったな。って思いながらネットチケットやらツイッターを見ていた公演前。

そしたら…

公演前日橋本さんは自身が所属するコンテンツ内バンド(アルゴナビス)のライブで、ドラムをガンガン叩いていた。

えっ…?

当時まだ橋本さんについて知識が無かった私。一周回って引く。

何がやばいって結構遅くまでやってるんですよ、ライブ。17:00からリハで、18:00〜20:00までライブで、そこからアフタートークみたいな。
え…?

働きすぎ…?無茶苦茶かよ…

自分これまで2.5以外の舞台沼にズブズブだったので、そもそも舞台前日に別の仕事が入ってることにびっくり
そして、聞いてはいたけどドラム上手くてびっくり
ポテンシャル高すぎません…?

まあそんなこんなあって(余談ですが、ライブが開催された日私は5年ぶりくらいにアニメイトを訪れ貴ジャンルの900円くらいのアクリルスタンド(ランダム)を10個程買って推しを引くまで帰れまテンをした)(8個目で出ました)

その怒涛のライブから一晩開けた7月26日(日)18:00

「いまさらキスシーン」が開演した。

運悪く、マジで運悪く、マジで運悪くリアタイができず、ツイッターで # ひとしば と検索。ネタバレを踏まないように感想を見ていたんですが

「かわいい」

「え?ホラー?」

「ヤバい、怖い」

みたいなツイートが。リアタイしてる人たちのメンタルが突き落とされている…。そう思いながら、用事の合間を縫ってチラッと放送を見たら恐らく一番見てはいけないシーンで反省しました。(後述)

何が…何が起こってる…とまるで特ダネを目の前にした昭和の新聞記者のようになりながらアーカイブを見ようとしたら、なんと、

アーカイブ、2日後からスタート

普通に泣きながら飲んだ。
まるで、現場に入ろうとしたら警察官にこてんぱんに止められた新聞記者のように泣いた。(伝わらん)

…冷静になってツイッターを見たら、推しがピンクのなんちゃって制服を着ている。
(余談だが、筆者の高校も指定の制服がなく、大半の生徒がなんちゃって制服を着ていた)
なつかしいなーこのタイプのシャツを着てる子は陽キャ。うっすらピンクはマジで陽キャ。可愛い子しか着れない。などなど思いながら公式ツイッターのリプ欄を見ると、出るわ出るわ絶賛の声。

「これ…やばいやつ…」

そう思った私は、アーカイブが視聴可能になった火曜日に(就活生なので)貴社を訪れるために乗っていた電車の中で公演を見た。

忘れもしない。Bluetoothのイヤホンをつけて、推しの宣材写真と「橋本祥平 いまさらキスシーン」の文字を見た時を。
そして、その画面が消えた瞬間を。

恐ろしいものを見てしまった。

とんでもねぇ…!とんでもねぇよ…!!

やっべえ…(語彙力が消失する音)

いやほんとに、ほんとに、凄い。凄かった。

凄すぎてその日の説明回の内容全く覚えてない。
むしろ、その日一日何したのか覚えてない。
気が付いたら家でもう2回目を見てた。
そのくらい凄かった。世界に突き落とされた気分でした。

筆者、「女子高生」っていう生き物が大好きなのですが、女子高生の全てが詰まってた。
ほんとに…凄い…

感想を具体的に言います

感想

そもそも、ひとりしばいなんで当たり前なんですが、ずっと一人。舞台上に。ずーーっと一人

すごい。

うわー、脳直!でもほんと凄いの。もうアーカイブ終わってるので、内容を知りたい方は柿喰う客さんのHPに行って隣の柿喰う客ページから戯曲を読んでください。もしくは観劇三昧で見て。待てる人は円盤買って。ほんとに凄い。

ずーーーーーっと喋ってる。

約35分なんですが
ずーーっとずーーっと喋ってる

あらすじ。ざっと説明すると、女子高生になったばかりの三御堂島ひよりちゃん(橋本祥平)の勉強、部活、恋愛を描くお話。

高校3年間を。
30分で。

できんの!!!??

と、ナメてかかったんですが(私は人生をナメている)

まあ終わったあとは震えるよね。
なに食べたらこんな脚本書けるの??
というか、どんな生活してたらこんなアイデアが思いつく

30分で高校3年間

できんのがすげぇよ!!!!

まあとにかく凄かった。

舞台も多分滅茶苦茶狭い。寝転ぶくらいのスペースしかない。のに、凄かった。

生配信の工夫としてテロップが多用されていたんですが、それが非常に良い。効果として滅茶苦茶映えている。素晴らしい。

あと、恐らくオープニング(ラップ)と中盤(気がつくと…)は差し込みかな?オープニングはわかったんてすが、中盤は何回か見ないとわかりませんでした!暗転中に脱いだのかと思ってた!

そして、元来私は成人男性女装がなによりも好きなんですが、ビジュアルが完璧すぎた。
私、橋本さんの事滅茶苦茶細い人だと思ってたんですよ。実際びっくりするくらい華奢じゃないですか。あの、先述した中屋敷さん演出の文ステとか。わたし文ステあんまり知らなかったんですが、演じられる役滅茶苦茶痩せてるってのは知ってたんですよ。でも、それにしても、板の上の橋本さんの御御足が細すぎてびっくりした。リアル2次元体型。黒いスキニー系のお衣装だったから余計に。
あと、ほら、刀ステとか。貞ちゃんってこう、膝立ち?多いじゃないですか。短刀ムーブ。それでももう、細い細い
私服もオーバーサイズやスキニーが多いイメージがあるんで、とにかく滅茶苦茶華奢で細いんじゃないかって思ってたんです。(オタクの早口)

玉置さん(柿喰う客でいまさらキスシーンを何度も演じてらっしゃる俳優さん。美人)がわりと全身ムキムキというか、男性らしいしっかりした体つきなので(それでも細い)、赤ちゃんみたいな体をしている(キカクのタネにて高崎翔太氏:談)橋本さんと比べちゃうとどうかなーーーかわいくなっちゃうなーーーというか、事前に見た写真かわいかったもんなーーー!

って思ってたんですが、配信をしっかり見てびっくり

しっかり筋肉があるタイプの細い人でした。

あーーーーーっ良。最高。


ピンクチェックのプリーツスカートとハイソックスの間に流れる筋肉の大河。最高かよ…。なんなら玉置さんより脚ゴツくない…?気の所為?それはない?

そしてお顔がまたかわいい。ポンパドールって…。したたるくらい汗かいてるのにチークが一切落ちてなかったのにも感動した。ブランド教えてほしい。そしてぷるっぷるの唇。これはグリステのときも思ったから、きっと持ち前のぷるっぷるの唇なんだろう。彼の唇からハイライトが失われることはなかった。

汗で髪の毛がくるくるになるのも最高だし、そもそも汗だくなのが

女子高生!!!!!!

って感じで最高。ありがとう。ありがとう世界。生まれてきてくれてありがとう。あなたのおかげで呼吸ができる。

ネタバレ含感想

ここから物語のネタバレ含みます。はーい、急に真面目になりまーす

先述したとおり、この作品は主人公の三御堂島ひよりちゃんの高校3年間を描くものがたりで、私は橋本さん目当てに観劇しました。

橋本さんの感情と気迫が伝わる舞台。しかし、幕が降りたとき私は、

何があっても光を失わないひよりちゃんのことが大好きになっていました。
ので、これ以降は基本的に“ひよりちゃん”と標記し、橋本さんは中の人を指すときのみ使用します。当たり前なんだけどね、前置きしておきます。

女子高生の光と闇

さて、

女子高生ってなんだろう。と考えたときに、筆者の中ではいくつかの単語が浮かびます。

まず、勉強。自分はおちこぼれでしたが、一応“生徒”なので
そして、部活。部活に行くために高校通っていたくらい、部活に魂を売ってました。
で、恋愛。私は高校では恋愛らしい恋愛をしていませんが、確かに多くの友人は誰かと恋愛をしていましたし、そのことがよく話題に上がっていました。

あとは、友情。そして、。あと意外に女子高生は暴れるので、そして、中学では意識しなかった別の違いも。

そして、生と死。自分はこのお芝居を見たあとに不意に思い立って、卒業式まで死にませんをアマゾンで買ってKindleで一気読みました。

本題に戻ります。女子高生って、少女でもなければ大人でもないじゃないですか。
肉体的には二次性徴が終わって大人になっているのに、服装や社会的立ち位置はあくまでまだまだ子ども
高校に通う生徒なので、学ばなければならない。

ひよりちゃんも同じで、姿形は(言ってしまえば当たり前なのですが)成熟しています。
しかし、内面はまだまだ子どもです。
自分の可能性を過信して、妄想を繰り広げちゃうような、一人でから回っていることに気付けないような、
東大を受けるポテンシャルがあるくらいなので相当頭はいいと思うんですか、
内面はまだまだ子どもです。

そんなひよりちゃんが、高校3年間で一気に大人にさせられた様子が本当に目も当てられないほど苦しかった…

戯曲が公開されてるんでセリフも言っちゃいますが、「開かされた」を聞いて鳥肌が立ちました。ひよりちゃん…

(余談なんですが、かなーーり前の方で言った“用事の合間を縫ってチラッと放送を見たら恐らく一番見てはいけないシーンで反省しました。(後述)”ってシーンはここです)

この一連のシーンって正直滅茶苦茶苦手なタイプのシーンで、はじめて見たときは二度と見たくないって思ったんですが、
どんどんどんどん頭から血が出てくる
って言った橋本さんの声を聞いて、あーーーーこれは凄い。って思いました。

いや、違うな
正確には

その瞬間その瞬間…”だわ

急転直下で落ちるのが凄く上手い…って思って感動した。それまで持ってたものを下に落とせる勇気とかを持ってる人なんだな…って。伝われ
 
 

(ここから橋本さんの話)

橋本さんは、最初から最後まで一貫してずーーっと、かわいい女子高生なんです。かわいい、かわいい女子高生なんです。
あくまで、男前田先輩に恋する女の子なんです。
それがもう痛々しくて、苦しくて、それでもなんだかかわいくて、

ボコられた後、男前田先輩と話すときも、ずーーーっとにこにこにこにこ笑ってるんです。
頭を撫でてもらって、唇じゃなくておでこに小さくキスをされて、怒っても、
ずーーーっとにこにこにこにこ笑ってるんです。
それが痛々しくて痛々しくて、きっと、橋本さんの額を流れるこの汗がひよりちゃんの血なんだろうな。って、

滅茶苦茶かわいい、かわいい、かわいい、ただの恋する女の子なんですよ。

ガードレールで吐くシーンすら、かわいいんですよ。
恋する女の子なんです。
本当に、すぐそこにいる女の子なんです。学校にいる、普通の、恋する女の子。
ただ少しだけ、少しだけ、まっすぐだっただけで、血だらけになっちゃった、

ただのかわいい女子高生なんです。

凄い。

“口に、口で、キスしてくださいって…”

って、笑いながら言うひよりちゃんを演じる橋本さんを見て、あー、この人を推そう。って思いました。(以上、余談でした)

そうだ、男前田先輩はどうしてあの時ぼーっと立ってたのかな。ってずっと疑問だったんです。でも、男前田先輩はこの時まだ19なんですよね。自分の解釈なんですが、きっと現実とかけ離れすぎて現実に見えなかったんじゃないかな。ここで男前田すらひよりちゃんの敵だったらあまりにもつらすぎる。

青春

主に後半についてなんですが、
駅伝部にボコられてバグったひよりちゃんが血を流しながら先輩の家を訪れてからもう一度先輩の家に行くまで、彼女一回も泣いてないんですよ。
というか、この戯曲の中でひよりちゃんは一度も泣かないんです。

いっぱい笑って、いっぱい怒って、いっぱい悩んで、いっぱい苦しんで、いっぱい考えて、いっぱい喜ぶのに、一度も泣かないんです。

駅伝部に理不尽に怒られても
真夜中にバットで殴られてボコボコにされても
自分の想像がチープだと理解しても、一度も泣かないんです。

青春とは、人生における春の部分希望を持ち理想を追い求め異性を求める時期らしいです。

この作中、ひよりちゃんは青春を駆け抜けている。だからこそ涙を流さなかったのかな。

ひよりちゃんの青春は
汗と血の香りなんだな。

と、感じました。

いやーーーーーー面白い!!!

言葉遣いも独特で面白いし、ひとりしばいならではの熱量もすごいし。凄く好き。武士。かわいい。あんなに鼻濁音をはっきり発音してる橋本さんはじめてみたかも。また見たい。生で

この話、わりとひよりちゃんがお客さんを引っ張っていくイメージあるんですよ。

序盤に手をむりやり掴まれて、意味もわからないまま走って…途中で急に振りほどかれて、そこから後は、逆にひよりちゃんの背中を観客が追いかけるみたいな。

あーーーーーーーーリアルに感じたい!!!その感覚を感じたい!!!

あーーーーーーー生で見たいなーーー!!!!やってくれないかなーーー!!!!!!!!!!!

余談

何回も言いますが、自分は頭から血を流して走る推しが好き。否、頭から血を流して走ったらだいたい推しになる。気がする。前例は無い

自分は学生演劇とかをよく見ていたタイプの人間なので、汗と血と涙を感じる演劇が大好きなんです。
最近のお芝居らしく、葛藤して悩んで苦しむような姿も大好物なんですが、どんなに苦しくて悲しくても、それこそ血を拭わずに汗を流すような、そんなお芝居が好きだったりする。

今まで…まあ言うほど私は推しさんの舞台を見たわけじゃないんですが、葛藤したり悩んだりするお役が多かったと思う。主演がとても多いとウィキが言ってたので。

なので今回のような、感情は吐露するし内情も余すところなく教えてくれるけど、立ち止まらず、葛藤せず、ただ前に前に進んでゆくひよりちゃんを演じる橋本さんは

新鮮で、鮮やかで、

とても、とても、美しかった

玉置さんのひよりちゃんは、最後に男前田先輩の家に向かうとき、崩れそうに、倒れそうに、足元がぐらぐらしながら走って、そのまま崩れ落ちてしまいます。

でも、橋本さんのひよりちゃんのは、
背筋をぴんと伸ばして脇をきゅって締めたひよりちゃんは、
まっすぐ前を向いて一目散に駆けていったひよりちゃんは、

きっと最後まで崩れ落ちずに駆け抜けていったから、男前田先輩とキスしててほしいな。

と、それまでずっと手を繋いで引っ張っていってくれたひよりちゃんの背中を見つめながら想いました
 
 
 
 

なんてね
 
 

おわり

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

追記

こんな風に言いましたが、悩んで悩んで葛藤して苦しんで動けなくなるようなキャラクターも大好き!!!

あーーーー!!!!!生でやってくれないかな!!!!!!客入れてやってくれないかな!!!!!!やってくれ!!!!

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