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私の中にいた証

※流産のお話ですので、苦手な方はお控えください。

最近、初期流産を経験しました。
そのことに関して、とても個人的で、ただつらつらと思いの丈を綴るだけですが、この先ズルズルと引きずりたくなくて、ここにすべてを吐き出すことで前を向いていきたい。
この場所をおかりして今の心境を置いていきます。


妊娠に気付いたのは生理予定日3日前のこと。
というのも、翌日にコロナワクチン2回目の接種を控えており、もし熱が出た時万が一妊娠していたら市販の薬を飲めないため、一応、念のため、、そんな気持ちで検査薬をしてみたら、本当に陽性だった。

最初はかなり疑った。確かに熱っぽかったが、それは息子が高熱を出していたのでそれをもらったのだろうと思っていたし、息子の時とはなんというか、感覚が違うかった。

幸いにも、副反応は全くと言っていいほどなかったので、解熱剤は必要なかったが、産婦人科を予約していたので診てもらうことに。
当たり前だけど、週数が早すぎるからなにも映らなかった。

1週間後再度診てもらうとまだなにも映らない。
この頃からなんとなく予感はしていた。
だって、息子の時と全然身体の反応が違うから。息子の時は割と早めにつわりが始まっていたのに、今回はほとんどなかった。だから本当に妊娠しているのか分からなかった。

子宮外妊娠か初期流産かまだ映ってないだけか、、その三択に。
念のため血液検査をした。
ここで一気に不安になったのが子宮外妊娠。もしそうだとすると、手術しなければならないし、なにより生きようとしている胎芽をとってしまうことに耐えられなかった。

翌日検査結果が出た。
一番避けたいと思っていた子宮外妊娠の可能性はなくなった。とりあえず一安心。
あとは、初期流産か遅れているだけか、、、
でもなんとなく前者のような気はしていた。
嫌な予感は当たる人間。少数派の嫌なくじを引いてしまう自分。今までそんなことが度々あった。

検診前日の夜。茶おりのようなものが出た。
「あ、これ出血するかも。」
そう思ってナプキンをつけて寝る。
次の日の朝、やっぱり鮮血が出てきた。妊娠って知らなかったら生理がきたんだなと思う位の量だった。

「これはあかんな。。」
そう半ばあきらめて産婦人科へ。この時は、まだ胎嚢も確認できていなかったのでそこまで落ち込んではいなかった。ただなんだったんだろう、、くらいの気持ち。

しかし、内診してみるとなんとそこには胎嚢が映っていた。
意外過ぎて「え!」と思わず声を出してしまった。まさか胎嚢を確認できるなんて。3,3ミリの小さい胎嚢だけど、それを見た瞬間泣きそうになった。心拍はまだ確認できてないけど、「ここにいるんだ」って初めて実感が湧いた。

しかし、出血もしているため、このまま流れてしまうかもと。
どれだけ出血しても、正常な妊娠であれば留まるし、そうでなければ流れる。安静にしてようが動き回ろうが結果は同じと言われた。
そのくらい、この時期は誰も手を加えられない。自然淘汰されるのを誰にも止めることはできないのである。

帰宅してからその晩まで生理2日目くらいの下腹部痛とまぁまぁの出血量があった。
それは5日くらい続いた。

もうこの頃の私は既に次の段階を考えていた。
最初から妊娠を疑っていたので、出血した時点で今回はだめだったと諦めていた。なので、同じ境遇の人はこの出血はいつまで続いて、いつから妊活を再開したのかが気になってそっちの検索魔になっていた。

しかし、ふと思った。
みんなどうやって胎嚢が出てきたってわかったのだろうかと。
調べてみると、大体みんな「レバーのような塊が出た」とか「わかるはず」と書いてあったので、明らかにこれだろうというのが出てくるのだろうか。
私にはそれが分からなかった。

そしてなんとなくうっすらつわりのような症状もなきにしもあらずで、、、
これはもしやまだ望みはあるかも、、、!と思い、それまで「初期流産」で調べていたのが、それからは「初期出血」についての検索魔になってしまった。
無事出産できた人もいれば、ダメだった人もいるわけで。
ただ、私の中で「出血=流産」という考えが、決してそうではないことが分かった。だから9割諦めていた気持ちが6:4で希望がじわじわ出てきたのである。

そして検診の日。
名前を呼ばれ、僅かな希望を胸に台に座り、いざ内診。台が上がるまでの時間が妙に長く感じた。モニターが点いた。

そこには何もなかった。

あぁ、、やっぱりそうだよね。
うん。
なんとなくそんな気はしていた。


落ち着いて考えると、やっぱり息子の時と違うもん。妊娠してる自覚がなかったもん。でも、胎嚢を見たから、もしかしてって思ったんだ。

その小さな卵はいつの間にか自分から出ていってた。激しい腹痛を起こすこともなく、そっと出ていった。きっと、気づいたら悲しませてしまうから静かに出ていってくれたのかな。

流産が確定して次の予約をする必要がなくなった。
会計待ちの時、何人か妊婦さんがいた。
「どうか、元気な赤ちゃんが産まれますように」
そう心の中で祈ってその場を後にした。

とりあえず、お昼ご飯を買った。
帰り道は風が妙に心地よくて、マスクを少しずらすと秋の匂いがして季節が変わっていくのを感じた。
家に着いて黙々とご飯を食べて、淡々と仕事の続きして、いつも通りに過ごす、、

ふと手が止まった。
私のお腹の中にいたんだよね。
短くても、たしかにお腹に赤ちゃんいたんだよね。
今日という日を、忘れたくない。
そう思って気づけばnoteを開いていました。

文字を打ち続けていると、それまで蓋をしていた感情がぶわっと一気に溢れてきて、涙が止まらない。
おかしいな、自分でもわかっていたことなのに、予感はしていたのに、覚悟はしていたのに、、
書き記せば記すほどぼろぼろと涙が止まらない。
やっぱり悲しい。悲しいよ。

でもね、短い間だったけど、私のところに来てくれて嬉しかった。ありがとう。
確かにここに君はいたし、あの時感じた愛おしさと幸せは本物だったから。
きっと、君の乗った船がたまたま壊れちゃったんだね。
だから、一旦戻ったんだよね。

これが最後じゃないって信じてるから。
必ずまた会えると信じてるから。
今度は大船に乗っておいで。
待ってるからね。
絶対また会おうね。

ほんの2週間ばかりの出来事だったけど、悲しさだけで終わらせたくない。
改めて息子の存在に救われた。いつもと変わらず私の顔を見て満面の笑みで無償の愛を与えてくれる。
そして、一緒に悲しんで励ましてくれた夫に助けられた。夫に「赤ちゃんいなかった」と伝えると同時にまた涙が溢れて声を出して泣いた。夫はそっと寄り添ってくれた。きっと彼も辛くて悲しかっただろう。

私は今、大切な家族と同じ屋根の下で暮らせて幸せなんだ。当たり前の環境に感謝すべきなんだ。
そう君が気付かせてくれた。
本当にありがとう。

これから前を向いて進むね。
でもきっと思い出して悲しくなってまた泣いてしまうかも。
それでも前に進むよ。


ずっと忘れないよ。君のことも今日のことも。
また会える日まで。

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