「サンタが街にやってくる」2022/12/02の日記

もう12月ですわ。早いもんだねえ。
薬局のBGMもクリスマスになっていた。

クリスマスソングの定番といえば「サンタが街にやってくる」だと思うんだけど、原文と日本語訳で言ってること全然違うんよな。

もちろん文字数に限界があるし文化も違うから仕方ないんだけど、内容を全く拾えてなくてビックリする部分がある。

たとえば日本語訳ではサビの部分が

ねぇきこえて
来るでしょ
鈴の音が
すぐそこに
サンタクロースイズカミングトゥタウン

となっていて、サンタの訪れを感じさせる家族側の視点になっている。

ところが原文では

He's making a list,
And checking it twice;
Gonna find out Who's naughty and nice.
Santa Claus is coming to town

サンタはリストを作って
2回もチェックしてる
誰が良い子か悪い子か
サンタが町にやって来る

サンタ視点の歌詞になっている。
しかもリストを作って2回も確認してるなど、かなり慎重な性格も匂わしている。赤い服に身を包んだ小太りの好々爺というイメージはここからは感じ取れない。

他にも日本語訳では

待ちきれないで
おやすみした子に
きっとすばらしい
プレゼントもって

と、もうプレゼントを渡す前提で話が進んでいるが原文では

He sees you when you're sleeping
He knows when you're awake
He knows if you've been bad or good
So be good for goodness sake!

君が寝てる間もサンタは見てる
君が起きてる時も知ってる
良い子か悪い子かをみんな知ってるんだ
だから良い子にしていてね!

などと、いつも見てるぞ!!という姿勢を鮮明に表している。怖い。もはやあのサンタの服はかなぐり捨ててしまった。

日本ではプレゼントを貰う子供の善悪は区別されないが、英語の歌詞では良い子か悪い子かをかなりシビアに判断しているのがわかる。サンタは常に監視してる。

日本語の歌詞が作られたのは、終戦から10年経った1955年のことらしい。クリスマス文化は日本でも戦前から受容されていたと言われるが、やはりまだ現代のように広まっていた訳では無いだろう。

そこで作詞者も、子供が受け入れやすい平易な歌詞に翻訳したとしてもなんらおかしく無い。

また、原文の歌詞ではサンタの視点が「キリスト教の神の視点」とダブるところもある。神は信徒を常に見ており、その振る舞いによって恩寵を受けたり、罰を与えられたりする。
キリスト教的世界観が「サンタが街にやってくる」にも反映されてると言っても過言では無いだろう。

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