下手の横好き

学生時代、お料理はまったくだめで、
間違っても仕出し料理やの娘であるとは
自ら名乗れなかったわたしですが、


高校生の頃はクッキー作りにはまっていました。


部活動の友人たちが「おいしい」と喜んで
食べてくれるのがうれしく、


バレンタインデーの前日などは
夜中の3時まで作っていることも
しばしばでした。

ある晩のこと。

その日も夜中まで作っていたのですが、
ついウトウトとテーブルに伏して
寝てしまいました。

目をあけると、母親が仁王立ちで立ちはだかり、
なにやら怒鳴っている。


寝ぼけていたわたしは
「もう眠いから寝るよ」とそのままベッドへ行き
寝てしまいました。


仰天したのが翌朝のこと。


ごみ箱をのぞいたら黒焦げになった物体から
異様なにおいが漂っていて、

母親が家中のカーテンを洗濯していました。


小さな火事のあとの家はこんな匂いであろう
空気が漂っていました。


どうやらクッキーを焼いている途中に
寝てしまったらしく、
オーブンからの煙に気づいた母が
火を止めてくれたとのこと。。


以来クッキー作りへの情熱もしゅるしゅると
鎮火してしまいました。

先日のこと。

子どもがガスコンロのスイッチを
いじろうとしていて、
「火はあぶないんだよ!!
絶対さわっちゃだめ!!!」
と叫んだのですが、


我ながら妙に熱がこもって臨場感あり、


ふとあの日の母親の鬼の形相を思い出しては


わたしも注意する側になったものだなと
感じた先日でした。

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