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40歳からの妊活は「Yの字」で考える

不妊治療は、第1段階の「タイミング法」から、第2段階の「人工授精」そして、第3段階の「体外受精」というように階段を上っていく、ステップアップ療法が一般的です。

しかし、不妊治療をいったん休んでみる「ステップダウン」もまた、不妊治療です。

タイミング法から、第2段階の人工授精をスルーして体外受精に進んだり、不妊治療をいきなり体外受精からスタートすることを、私は「ジャンプアップ」と呼んでいます。そして、ジャンプアップということを私が提案するに至ったのには、根底に卵子のエイジング(老化)の問題があります。

女性は年をとるほど、卵子も老化し、妊娠そのものが難しくなるわけですから、通常のステップアップ療法をおこなっていると年齢が進み、結局妊娠に至らない……となってしまうことも多いのです。

私がジャンプアップを考えるもうひとつの理由は、「Yの字で考える」という発想があるからです。たとえば女性の年齢が40歳前後の場合、卵子のエイジングが進んでいると考えられます。こうした場合、どのように妊娠にアプローチしていけばいいでしょうか?

私は両極端の考え方があっていいと思うのです。


ひとつは、不妊治療をおこなうのであれば、あまり時間をおかずに体外受精などの高度生殖医療へのエントリーを考えることです。なぜなら人工授精の妊娠率と体外受精の妊娠率には、3〜4倍の開きがあるからです。

また、技術的にすぐれた医療機関では、年齢の高い女性からも卵を採取し、それを高い技術で培養、移植することが可能です。そうした医療機関に紹介し、妊娠に至った女性を、「不妊ルーム」では、数多く経験しています。

人工授精までの段階で濃厚な薬物治療をおこなってきた女性は、体外受精にステップアップしても、妊娠に至りづらいという事実もあります。

ただ、体外受精は、高額にして、妊娠率は高くありません。ですから、セカンドオピニオンがとても大切なのです。「不妊ルーム」に来られる方には、大きな医療費を使ったカップルが少なくありません。体外受精の前に相談に来てほしいと、いつも思います。


「Yの字」のもう一方の考え方、それは「開き直り」です。

年齢が若くてもそうでなくても、同じ技術に対する医療費は基本的に同じという医療機関がほとんどですが、30歳の女性と40歳では、同じ技術で体外受精をおこなっても、妊娠率には大きな開きがあります。

40歳女性の体外受精における妊娠率は、全国平均が10%に届いていません。しかし、こうした医療に40〜80万円もかかるという現実があります。それならば、低い可能性にお金、時間、労力をかけるより、自分たちなりのタイミング法で妊娠を期待するという考え方です。

ストレスが、妊娠を阻害するということは言うまでもありません。また、不妊治療が大きなストレスになるということは、カップル、とりわけ多くの女性が異口同音に訴えることです。ですから、そうしたハードルを取り払い、医師のタイミング指導など、義務的なセックスから自分達を解き放ってみるのです。

「不妊ルーム」では、そうした「開き直り」のカップルに、漢方薬、あるいはDHEAサプリメントなどをすすめて妊娠に至るケースは少なくありません。

「Yの字」のどちらの方向にいくのかは、カップルが決めることです。「Yの字」が分岐する前の部分は、そうした話し合いを持つ期間に相当していると思います。


【妊娠のコツ #4】


40歳になったら「Yの字」の進路で妊娠を考えてみる。


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