なぜ蓮舫が野党の都知事候補になったのか、都知事選の予想

なぜ蓮舫が野党の都知事候補になったんだろうか
 
正直、最初はよくわからなかったけど、都知事選挙で勝つためになにが必要かを考えれば割と単純な話だと気づいた。
 
都知事選挙に勝つためには大きく3つのものが必要になる。
1,知名度
2,政党の支持、推薦(組織力)
3,追い風
 
ここ数回の選挙で小池百合子が勝利した最大の理由は、本人の知名度に加えて、自民、公明、東京連合などの組織票が加わったからだ。2020年の都知事選挙ではコロナの影響もありまともな選挙活動ができず、風は吹かなかったため組織力と知名度の勝負になった。この条件で小池都知事に勝つことはまず無理だった。
今回、地方選挙でも確実に協力関係を深めつつある立憲民主、共産としては、当然都知事選挙で勝利を収めたいと考えている。
前回、2020年の都知事選挙では、現れいわ新選組当主の山本太郎が立候補したことで野党の候補がまとまらず、野党側は大敗した。
今回の選挙で野党から都知事を当選させるためには絶対に欠かせない条件が2つあった。知名度はもちろんだが、最も重要なのは野党の都知事候補が東京連合と日本共産党、両方の支持を得ることだ。
2016年の連合は自主投票という形で野党統一の鳥越を支持した。自主投票なので別の候補に投票した人もいるだろう。
2020年は野党の候補分裂もあり、連合は与党の小池都知事に相乗りした。
この間、基本的に民主党系と日本共産党は同じ候補を応援する野党共闘が成立していたが勝つことはできなかった。いろいろな理由はあるが、連合の全面的な支援が得られないことも理由の一つだ。
現在の連合会長の芳野は露骨な反共で、統一協会の関連団体と関係があったと噂されるレベルで、会長就任直後から共産党から支援を受ける候補を応援しないという極端な言動で一貫している。
もちろん連合は巨大な組織であり、連合のトップの意見に組合が全員従うような組織ではない。それでもトップがそういう態度だと、日本共産党が推す候補を応援しづらい。
それは都知事選挙でも同じことだ。東京では支持率や議席などを考慮して立憲民主党と日本共産党はほぼ同等の力を有していると考えられる(民主党、民進党時代は上だったが分裂で力がそがれた)。見方によっては対立する可能性もあるということだ。
今回はいまの自民党と金の問題もあり、反自民、非小池ですんなりまとまった。
問題は、日本共産党が応援する候補を東京連合が応援するかどうかだ。
もし2020年のように共産党寄りの候補を出せば、連合は小池につくことが予想される。
 
野党としては
知名度のある候補を統一候補として擁立し、立憲民主党、東京連合、日本共産党が応援するという形をとるのが都知事選挙野党側の勝利の絶対条件となる。もちろん、社民やれいわが自主的に応援してくれればなおよい。
 
それが蓮舫が候補者に選ばれた理由だ。
もしここで左派色の強い候補を立てると、連合は小池についてしまう。そのため、第三者候補や、共産党寄りの候補は立てずらい。立憲民主党内部から候補を立てるのが望ましい。
東京で選挙に強く、立憲民主党内にいる候補、かつ知名度があるという条件に当てはまる候補は党内に蓮舫しかいない。
蓮舫はかつて参議院選挙で150万を超える票を取って断トツのトップ当選を果たしたことがあり、東京での知名度は小池と戦えるレベルだ。2022年参議院選挙では3位に転落したが、それでも都知事選挙において蓮舫以上の野党側候補はいない。
ただし、蓮舫は小池を高く評価して、勝てないと思っていたふしがある。今回は静岡県知事選挙の勝利、補選からの連勝を見て勝算があると考えて出馬に踏み切ったようだ。参議院議員を辞職して出馬するのでそれなりに勝算があるのだろう。
その勝算というのは、先ほど書いた知名度のある候補を統一候補として擁立し、立憲民主党、東京連合、日本共産党が応援するという形が整ったということだとわたしは考える。
蓮舫はいわゆる左派系、旧総評の組織候補ではない。政権与党だった民主党時代に行革担当大臣となって事業仕分けをし、野党転落後も民進党の党代表を経験した(すぐに選挙して民進党はなくなってしまったけれど)。誰が見てもわかるくらい民主党的な人間である。だからこそ、東京連合も日本共産党が応援しているからという理由で蓮舫を応援しないなんてことはさすがにしないだろう。
ともかく蓮舫を候補に立てることで、野党側の都知事選挙勝利の方程式が整った。蓮舫以外の候補ではおそらく無理だろう。これが蓮舫が候補になった理由だ。
もちろんこれは組織レベルのまとまりの話だ。都民にとって組織の事情なんて関係ないわけだが、それでも組織がまとまっている方が選挙運動も盛り上がるだろう。
蓮舫なら小池に舌戦で負けることはまあないだろうし、元キャスターで目立ちたがりなところもあるが、都知事においてはむしろ目立ちたがりは勝利のために必要な要素だと考えている。都知事なら、都の行政を司る立場になり彼女の攻撃的な部分を抑えめにし、目立ちたがりな性格がうまく生きるはずだ。個人的に蓮舫は国会議員や総理より、都知事向きだと思っていたのでうまくいけばそのほうがいい。
もし蓮舫が勝利すれば、自動的に都議会で大きな勢力を占める小池の党である都民ファーストが壊滅し、自民の逆風も合わせて、来年の都議会議員選挙で立憲、共産などで過半数を得られる可能性は十分にある。そうなれば実務面でも政党の力を得て都知事として仕事を果たせるだろう。
むしろ、これまでの都知事は作家業と兼任しながらだったりと、まじめに都政をする人がいなかった。蓮舫が政党の助力を得てまじめに政策を進めてくれればちゃんと仕事してくれると期待できる。
小池と蓮舫のどちらが勝つのか、個人的には見てみたいカードではある。
 
・予想
小池、蓮舫以外にも候補は出るとは思うが、2023年の統一地方選の勢いがある時期はともかく、大阪万博で失速している維新が候補を立てても大して影響はない。事実上、小池と蓮舫の一騎打ちの構図になるだろう。
現在の予想では、組織力や知名度などで小池が先行していると思うが、逆転できない差ではないはずだ。東京は無党派層が大きく、次の政権選択選挙の結果を先取りしていると考えられる。ここで野党側が勝利すると政権交代の流れが確定する。
わたしは別に野党を応援していないが(革命家なので)、野党側が勝利すれば革命に近づくという意味で多少肩入れはする。
 
結果がどうなるかは3つめの風次第だろう。
現在の小池都知事、疫病神自民党の逆神具合がどの程度ひどいのか、それによって都知事選の結果は決まるだろう。
両者傷を持つ候補ではあるが、最後は風が味方した方がかつだろう。政権交代を望む世論が小池を選ぶだろうか、とわたしは思うがどうだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?